研究成果報告書 J95B1030.HTM

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[B−10 地球の温暖化による海水面上昇等の影響予測に関する研究]

(3)環日本海における地球温暖化の影響評価に関する研究


[研究代表者]

地質調査所海洋地質部  ●斎藤文紀

[通商産業省 工業技術院]

地質調査所

海洋地質部 海洋底質課

●斎藤文紀・井内美郎

 

地質情報センター 地形情報課

●池田国昭

 

北海道支所 応用地質課

●横田節哉・羽坂俊一

(委託先)

名古屋大学大気・水圏科学研究所

●松本英二

(委託先)

北海道開拓記念館

●赤松守雄


[平成5〜7年度合計予算額]

27,654千円

(平成7年度予算額 9,176千円)


[要旨]

 海水面の上昇の沿岸域への評価を行うために、日本海側の対馬の仁田湾と三根湾、礼文島の久種湖、利尻島のオタドマリ沼、佐渡島の加茂湖において、ボーリング試料を採取し、後氷期に起こった海水面の上昇が沿岸域にどのような影響を及ぼしたかを解明し、考察を行った。対馬の仁田湾と三根湾では、仁田川と三根川の三角州において堆積相・堆積速度変化から海水面上昇期における堆積様式を推定した結果、海水面の上昇期には潮間帯から潮下帯の海水面の直下で堆積量が多く、海退期に比べて粗粒で有機物に富む堆積物から構成されていることが明らかとなった。礼文島の久種湖、利尻島のオタドマリ沼や佐渡島の加茂湖では、海水面の上昇に伴って湾口部にバリアーが形成され、バリアーと潟湖の沿岸環境となっていたことが示された。またオタドマリ沼では、現在予想されている海水面の上昇速度と同程度の完新世の海水面上昇に対して、カキ礁が沈水・放棄され、沿岸生態系が変化していたことが明らかとなった。


[キーワード]

海水準変動、日本海、PAGES、気候変動、完新世