研究成果報告書 J95B0171.HTM

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[B−1 地球温暖化に係る二酸化炭素・炭素循環に関する研究]

(7)土壌生態系における微生物群集をめぐる炭素循環の定量的解析

_溝唹茲砲ける土壌圏微生物群集をめぐる炭素循環の定量的解析


[研究代表者]

国立環境研究所生物圏環境部環境微生物研究室  ●広木幹也

[環境庁 国立環境研究所]

生物圏環境部 環境微生物研究室  ●広木幹也・渡辺 信


[平成5〜7年度合計予算額]

14,101千円

(平成7年度予算額 4,705千円)


[要旨]

 土壌中の有機物分解活性の変動とその要因について野外で解析するために、土壌からの二酸化炭素(CO2)発生量を簡便かつ正確に測定し得るシステムを開発する必要がある。本研究において小型軽量の携帯型赤外線式CO2濃度測定器を用いたCO2発生量測定システムを検討した結果、一定流量で通気したチャンバー内のCO2濃度変化からCO2発生速度を求めることができた。
 福島県南会津郡南郷村、伝上山中腹(落葉広葉樹林、凝灰岩を母材とした褐色森林土壌)の星根上から沢に向けて4地点(S1〜4)において、土壌表面からのCO2発生速度を測定し、各地点の0〜30または40cm層までの土壌を3層位に分けて採取、室内(22℃)で培養し、CO2生成速度・土壌中の炭素含量、窒素含量および微生物バイオマスの関係を解析した。比較的平坦な落葉広様樹林内の5地点(M1〜5)で土壌表面からのCO2発生量およびリター分解量を経時的に調べ、リターおよび表層土壌を室内で培養し、CO2生成速度、土壌中の炭素・窒素含量および微生物バイオマスの関係を解析した。M1〜5のリターフォールは485gm-2yr-1であり、これらのリターは6〜11月の間に31%分解した。夏季のCO2発生量(33〜220mgCm-2-1)と土壌水分含量との間に負の相関関係が認められた。室内培養実験では、リター(51〜83mgC/kg/hr)および表層10cm以内の土壌(0.3〜4.4mgCkg-1-1)からはCO2の発生が認められたが、それ以下の層(0.2mgCkg-1-1以下)ではCO2発生はわずかであった。S1〜4の土壌からのCO2発生速度は微生物バイオマスとの間に相関が高く、また、微生物バイオマスおよびCO2発生速度は土壌中の炭素含量よりも窒素含量と相関が高かった。微生物バイオマス当たりの呼吸活性はリター(6.8mgCgC-1-1)よりも土壌中(1.1mgCgC-1-1)の方が高かった。野外での実測値と室内培養実験における層位ごとのCO2発生速度から、土壌中の微生物によるCO2の生成は大部分がリター層および表層10cm以内の土壌において行なわれていると推察された。


[キーワード]

土壌呼吸、土壌有機物、二酸化炭素、バイオマス、微生物