研究成果報告書 J95B0133.HTM

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[B−1 地球温暖化に係る二酸化炭素・炭素循環に関する研究]

(3)農業生態系における炭素循環・収支の定量的解析

G斥冦咾砲ける炭素循環・収支の定量的解析


[研究代表者]

農林水産省 農業環境技術研究所

環境管理部 資源・環境動態研究室

●松本成夫

[農林水産省 農業環境技術研究所]

環境管理部 資源・環境動態研究室

●松本成夫・三島慎一郎・織田健次郎

地球環境研究チーム

●袴田共之


[平成5〜7年度合計予算額]

11,650千円

(平成7年度予算額 4,397千円)


[要旨]

 二酸化炭素の地球規模での動態を明らかにするため、様々な生態系において炭素循環の測定が行われている。本研究は、陸上生態系の一つである農用林における炭素循環を定量的に解析し、その収支を明らかにすることを目的とする。
 調査地は茨城県北浦村にある20年生コナラ林であり、下草刈り、落葉掻きが行われている林分(管理区)と放置され、林床がアズマネザサで覆われている林分(放置区)に調査区を設定した。また、自然林との比較のため、栃木県塩原町の50年以上人為撹乱が加えられていないクリーコナラ林にも調査区(自然区)を設定した。測定は1991年から1994年まで行った。
 植物体の炭素蓄積量は管理区、放置区、自然区でそれぞれ43,45,108tC/ha、土壌炭素の蓄積量はそれぞれ80,88,224tC/haであり、土壌にかなりの炭素が蓄積していた。しかし、炭素の増加量は植物体へはそれぞれ3.7,3.5,2.2tC/ha/yr、土壌へは−0.8,1.3,1.5tC/ha/yrであり、植物体への炭素シンク量が多かった。管理区で土壌炭素が減少しているのは、落葉掻きにより落葉落枝の大半が持ち出され、土壌への炭素供給量がかなり低下するためである。放置区と自然区は炭素蓄積量に違いが見られるだけで、炭素循環量には大きな違いが見られず、林齢による炭素蓄積量の違いだけで説明できるものと思われる。地球規模での炭素収支の見積もりは、森林の林齢がわかると、かなり精度よく行うことができると考えられる。
 下草刈りにより持ち出される炭素量はあまり多くないが、落葉掻きとともに、林床の覆いを除去するため、林外環境の影響を強く受けるようになり、土壌からの炭素放出量を促進すると考えられる。


[キーワード]

農用林、炭素循環、シンク、下草刈り、落葉掻き