研究成果報告書 J93B1540.HTM

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[B−15 アジア太平洋地域における温暖化対策分析モデル(AIM)の構築に関する研究]

(4)アジア太平洋地域における森林成長モデルの構築に関する研究


[研究代表者名]

●沢田治雄

 

 

[農林水産省 林野庁 森林総合研究所]

林業経営部

遠隔探査研究室

●鷹尾 元、平田泰雅、斎藤英樹

 

経済分析研究室

●加藤 隆、古井戸宏通


[平成3〜5年度合計予算額]

22,959千円

(平成5年度予算額7,519千円)


[要旨]

 まず、アジア・太平洋地域における熱帯林の経年的変化をモデル化するために、東南アジアの国々を対象として、既存の森林資源調査データ、林業統計、農業統計、人口統計などをもとに、熱帯林劣化の現状とそのメカニズムに関する分析を行った。同時に、熱帯林の変動に関する文献調査を行うとともに、熱帯林の消失モデルに関する代表的な研究をレビューし、モデルを考案した。さらに、そのモデルに従って森林消失メカニズムをシミュレートできる計算機ソフトウェアの設計を行い、モデルの部分的な変更にも容易に対応可能であることや、入手可能な情報を因子として構築することとした。なお、言語はFORTRANを使用した。
 また、シミュレーションモデルの実行に利用するための既存情報の収集と蓄積と合わせて面的な情報を収集し、地理情報システムGRASS上でデーターべ一スを構築した。モデルの実際の運用と適用のために必要となる森林の動向に関する情報は、できるだけ既存の情報を収集して利用することとしたが、肝心な森林面積の情報が統一的に報告されていないのが現状であった。そこで、地理情報システム上に集積した既存情報に加えて、衛星観測データを利用してより正確な情報を面的に捕えるための手法開発を行った。
 これらによって、温暖化防止対策としての造林の位置付けが、それを囲む社会的な因子との絡みで評価・分析できる手法が開発されたと言える。ただし、今後の社会情報の変化や、生活様式の変化などによって、パラメータに修正を加える必要はある。そのためにも、衛星データによる森林監視(モニタリング)と統合化した空間モデルの開発プロジェクトが望まれるところである。


[キーワード]

アジア太平洋、熱帯林、温暖化対策、モデル、地理情報システム


[リンク]J93B1540.pdf