研究成果報告書 J93B1520.HTM

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[B−15 アジア太平洋地域における温暖化対策分析モデル(AIM)の構築に関する研究]

(2)アジア太平洋地域における地球温暖化の影響評価モデルの構築に関する研究


[環境庁 国立環境研究所]

地球環境研究グループ

温暖化影響・対策チーム

●森田恒幸・甲斐沼美紀子・増田啓子

地球環境研究センター

 

●西岡秀三・原沢英夫

(委託先等)

 

京都大学工学部

●松岡 譲

 

岐阜大学工学部

●森杉壽芳・大野栄冶


[平成3〜5年度合計予算額]

21,536千円

(平成5年度予算額 7,537千円)


[要旨]

 アジア太平洋地域において温暖化防止対策の効果を総合的に評価するためには、温暖化によってこの地域の自然生態系や社会経済システムがどの程度の影響を受け、その影響がどの程度の経済的損害として評価されるかを明らかにする必要がある。さらに、これらの影響が防止対策によってどの程度軽減できるかを予測する必要がある。これらの予測及び評価のためには、総合的なシミュレーション・モデルの開発が不可欠である。
 本研究は、AIMのもう一つの主要なコンポーネントであるAIM/impactモデルの開発、即ち、地球温暖化がアジア太平洋地域に及ぼす影響について、既存の研究成果や各種データによりそのメカニズムの概略を推定して、これらの影響を総合的に予測・評価するモデルを開発することを目的としている。3年間の研究によって、この地域の地理情報システムを整備するとともに、この情報を用いて水資源への影響、植物生態系の変化、及び健康への影響を推定するためのモデルを開発した。そして、これらのモデルをアジア太平洋地域に適用し、今までのGCMの結果を用いた気候変化のパターンを前提にすれば、アジア太平洋地域における洪水や渇水のリスクが増加するとともに、各地の植物の成育条件の大幅な変化やマラリア感染地域の拡大のリスクが増えることを明らかにした。今後、これらのモデルをさらに発展させるとともに、海面上昇や農業影響等のモデルについても開発を試み、アジア太平洋地域が受ける地球温暖化の被害を総合的に推定する予定にしている。


[キーワード]

温暖化影響、アジア太平洋地域、水資源変化、植生変化、マラリア被害、シミュレーション・モデル