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[E−2.熱帯林生態系における野生生物種の多様性に関する研究]

(4)熱帯林生態系における樹冠部調査法に関する研究


[研究代表者]

 

森林総合研究所

●遠藤利明

[林野庁 森林総合研究所]

 

生産技術部 作業技術科

●遠藤利明

        システム計画研究室

●田中利美

        造林機械研究室

●佐々木尚三


[平成2〜4年度合計予算額]

16,666千円


[要旨]

 熱帯林樹冠部における研究を推進するため、環境保全性と軽量・簡便性に富む樹冠部移動・作業システムの開発を行った。炭素繊維、ポリアミド系繊維等の新素材や軽合金、FRPなどの、軽量、高強度素材の特徴を生かした樹冠部移動・作業システムを考案し、試作した。これは、水平移動システムと垂直移動システムからなる。水平移動システムは、軽量で高強度であり、延びの少ないケブラー繊維ロープを用いて、釣り橋状の樹冠内移動足場システムを開発した。架設試験の結果、安定性、安全性ともに十分であった。一層の軽量化と低コスト化を図りながら実用に供することが可能である。垂直移動システムは、炭素繊維ロープを樹幹上部に装着した軽合金枠から正方形状に垂下し、中間の接続枠による接続を繰り返して地上との間をつなぎ、この炭素繊維ロープ間にFRPの桟を渡しこれによって形成される角柱状内部空間内を桟を足場として昇降するという新しい発想によるものである。架設試験の結果、軽量ながら高い強度と安定性を有し、作業性も高いという優れた特性を有していることがわかった。また、両システムの林分における同時架設試験の結果、地表の損傷は皆無に近く、樹木への損傷も軽微であり、環境に与える影響が非常に少ないことがわかった。さらに、樹冠上面の構造や諸現象の観察を効果的に実施するための気球による低空写真撮影のシステムについても開発を実施し、低コストで簡便なリモコン撮影装置を開発し、実地に撮影試験を行った。


[キーワード]

 樹冠、樹上調査、気球、低空写真、手法開発