研究成果報告書 J92B1210.HTM

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[B−12.地球温暖化による都市環境の影響評価及び対策に関する研究]

(1)都市環境への影響の評価システムの開発と総合評価に関する研究


[研究代表者]

 

東京農工大学

●細見正明

[環境庁 国立環境研究所]

 

地球環境研究グループ 温暖化影響・対策研究チーム

●森田恒幸、増田啓子、甲斐沼美紀子

地域環境研究グループ 水改善研究チーム

●稲森悠平

東京大学 工学部都市工学科

●松尾友矩

大阪大学 工学部土木工学科

●村岡浩爾

東京農工大学 工学部物質生物工学科

●細見正明


[平成2〜4年度合計予算額]

25,063千円


[要旨]

 地球温暖化が都市に及ぼす各種影響について、体系的かつ総合的に評価する手法の開発を目的として、1)都市影響の全容を把握してこれらを総合的に評価するシステムの構築、及び、2)都市域の水収支への影響を総合的に評価する手法の開発、3)対策事例として、廃棄物埋立処分地からの温室効果ガス発生抑制のための埋立工法の評価、について検討した。国立環境研究所で開発された知識データベースシステムにおける知識ベースとモデリング支援システムとのリンケージを改良した。地球温暖化の都市影響や人間住居への影響に関して今までに世界各国で実施されている研究報告、約60件を収集してその知識の概要をレビューし、改良知識データベースシステムの知識ベースとして入力した。これにより温暖化都市影響の総合評価システムの有効性と課題を検討した。大阪府下の寝屋川流域の水収支算定について、自然経路と人為経路による水循環系で整理し、地下環境に特異性があり、海面・地下水位上昇に関係があることが示された。ガス抜き井戸からのメタン放出量と気象条件との相関関係は、降水量が最も高く、続いて地温、気温となった。また最終覆土表面からのメタン放出量は地上気圧が低下傾向にあるとき増加し、地上気圧が上昇傾向にあるときメタン抄出量が減少した。最終履土中にメタン酸化細菌が存在していることが示唆された。廃棄物埋立処分地からの温室効果ガスの発生抑制対策として埋立工法の実験的検討を行い、準好気性埋立工法の埋立処分地は嫌気性埋立工法の処分地に比べ、温暖化への寄与度が約1/2に減少することが予想された。


[キーワード]

都市環境、総合影響評価、知識データベースシステム、水循環、都市廃棄物