研究成果報告書 J92A0530.HTM

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[A−5.紫外線の増加が植物に及ぼす影響に関する研究]

(3)紫外線増加が海藻類に及ぼす影響の評価に関する研究


[研究代表者]

 

財団法人海洋生物環境研究所

●山本正之

[環境庁 国立環境研究所]

 

(委託先)


財団法人海洋生物環境研究所 実証試験場

●山本正之、馬場将輔、辻 雅明


[平成2〜4年度合計予算額]

14,053千円


[要旨]

 海藻類には紫外線吸収物質が含まれていることが知られており、環境紫外線に対する防御に関わっていると考えられている。ここでは、数種の紅藻類の天然藻体と培養藻体を用いて、これらに含まれる紫外線吸収物質を測定した。また、環境紫外線の強度が増した場合の実態を検討するため、人工光源からのUV−B照射を伴う培養実験を実施した。紅藻類のエタノール抽出物では、通常、紫外線吸収スペクトルに2つの極大が認められ、紫外線吸収物質の存在を示していると考えられた。しかし、用いた紅藻類のうち数種では、2つの吸収極大の一方、あるいは双方を欠くものがあった。UV−B照射の影響が現れる場合、それは、成長速度の低下、細胞の脱色あるいは枯死、光合成色素の減少、紫外線吸収物質の増加のいずれか、あるいはいくつかの組み合わせで認められた。しかし、紫外線に対する紅藻類の反応には、種によって差異がみられた。これらの事から、種ごとの紫外線に対する耐性、あるいは馴応能力の差異と、紫外線吸収物質との関係を検討しなければならないと考えられた。


[キーワード]

 海藻、UV−B、成長、光合成色素、紫外線吸収物質