研究成果報告書 J92A0410.HTM

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[A−4.紫外線の増加が人の健康に及ぼす影響に関する研究]

(1)点突然変異等を指標とした紫外線量と皮膚癌との相関に関する疫学的研究


[研究代表者]

 

国立がんセンター研究所

●渡辺 昌

[研究グループ]

 

−基礎的研究−

国立がんセンター研究所

●宗像信生

群馬大学医学部

●中島 孝

金沢大学薬学部

●二階堂 修

−臨床的研究−

北海道大学形成外科

●大浦武彦

横浜市立医大皮膚科

●中島 弘

九州大学皮膚科

●堀 嘉昭

(委託先)

埼玉医科大学皮膚科

●池田重雄

神戸大学皮膚科

●市橋正光

鹿児島大学皮膚科

●田代正昭

海外:サンパウロ大病理

●Kiyoshi Iriya


[平成2〜4年度合計予算額]

37,459千円


[要旨]

 日本人の皮膚がんが紫外線の影響をどれくらい受けているかを、過去30年間の死亡率の変化、また過去10年間の都道府県別皮膚癌およびメラノーマの標準化死亡比を検討した。皮膚癌の死亡率の減少は見られるが、それは皮膚科領域の診断、治療の進歩が寄与するところが多いと思われた。県別標準化死亡比をみると沖縄、鹿児島、高知などが高く、紫外線との関連が示唆された。罹患率の把握は困難であるが、長崎、広島の罹患率とブラジル日系人の罹患率を比較すると、ブラジル日系人の方が5倍近く、日光暴露の違いが皮膚癌を増加させている可能性が示唆された。
 紫外線の影響をさらに遺伝子レベルで把握するため、ピリミジンダイマー、p53蛋白、p53遺伝子異常を紫外線による皮膚癌の前癌病変とみなされる日光角化症で研究した。すでに前癌病変でp53遺伝子の異常がおきていることが発見できた。これは皮膚癌検診の良い指標になる可能性がある。


[キーワード]

 皮膚癌、日光角化症、ピリミジンダイマー、p53、死亡率、罹患率