研究成果報告書 J92A0120.HTM

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[A−1.オゾン層の時間的・空間的変動の動態解明に関する研究]

(2)ミリ波望遠鏡による上部成層圏のオゾン層の挙動解明


[研究代表者]

 

名古屋大学

●藤本光昭

名古屋大学

●藤本光昭、河鰭公昭、小川英夫、水野 亮


[研究期間]

平成2〜4年度


[平成2〜4年度合計予算額]

20,419千円


[要旨]

 本研究では平成2〜3年度に於いて循環型ヘリウム冷凍機によって4K迄冷却した超伝導受信機並びに2048チャンネルの音響光学型電波分光器を使用した成層圏・中間圏オゾン観測用のミリ波電波分光器を試作し、平成3年度よりその観測を開始した。観測開始当初は、40km以上70km以下の領域のオゾン量が測定出来たに過ぎず、又受信機が両サイドバンドであった為に、その絶対量に関して因子2以上の不確かと安定性に問題が有った。平成3〜4年度には周波数の安定性の改良・受信機の片サイドバンド化・吸収体とホーンの間の定在波の削減・周波数スウィッチ幅の増大等本装置の改良を進め、現在では地上30kmから中間圏上端迄のデータが得られるように成った。
 本装置による観測から、成層圏・中間圏のオゾン量の日変化が従来に無い高精度で測定され、中間圏上部の夜間を除くと既存の理論と良く一致していることが確かめられた。中間圏上部では理論的には予測されていない変化が有り、その様子が日毎に異なっていることが知られた。日の出・日の入りの時のオゾン量の急激な変化が時間的に分解されて得られた。従来の成層圏・中間圏オゾンの研究は月平均など平均量に関する議論に限られていたが、本装置の開発によって短時間の変化に関する研究への路が開けた。


[キーワード]

 ミリ波オゾンセンサー、成層圏微量分子、超伝導受信機、音響光学型電波分光器