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[キーワード]バイオエタノール、製糖工場、糖蜜、ネグロス島、クリーン開発メカニズム(CDM)

[RF-078 アジアにおけるバイオ燃料の持続的需給システムの構築に関する研究]

(3) アジアにおける大規模なバイオ燃料供給の持続可能なシステム構築に関する研究[PDF](577KB)

  株式会社インテージ

甲斐 聡

<研究協力者>

 

  フィリピン科学技術省
  農林天然資源研究開発会議


Albert P. Aquino

  [平成19~20年度合計予算額] 5,201千円(うち、平成20年度予算額 2,624千円)

[要旨]

  近年、アジア各国ではバイオ燃料の導入が盛んに進められているが、その潮流が大規模であれば、本来、環境親和的であるはずのバイオ燃料による環境影響も生じかねない。本サブテーマでは、アジアの国々が大規模にバイオ燃料を製造・供給する可能性について検討するとともに、特定の地域のバイオ燃料の導入に焦点をあて、その環境面、社会面における影響を検証することを目的としている。
  まず、アジアの国々では、バイオディーゼルの原料作物生産量は各国のバイオディーゼルの導入目標を達成することが可能な量、生産されている反面、バイオエタノールの原料作物については、一部の国を除いて、自国のバイオエタノール導入目標ですら達成できないことが推計された。
  次いで、フィリピンで大規模にバイオエタノールの供給が行われる可能性のあるネグロス島を対象に、製糖工場の視点から原料となるサトウキビの状況を整理するとともに、製糖工場とバイオエタノールの生産の関係について考察を行った。
  既存の製糖工場がバイオエタノールの生産を一つのオプションとすることは、食料となる粗糖生産との競合を引起さずに二酸化炭素排出量を削減できる点で優れているが、排水などを含めた環境負荷については多くの課題があることが明らかとなった。