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[キーワード]黄砂、輸送モデル、データ同化、ライダー観測、地上観測

[C-061 広域モニタリングネットワークによる黄砂の動態把握と予測・評価に関する研究]

(2)黄砂の発生・輸送モデルへのデータ同化手法の開発と応用[PDF](3,522KB)

  九州大学 応用力学研究所

  鵜野伊津志・竹村俊彦

  [平成18~20年度合計予算額] 12,116千円(うち、平成20年度予算額 1,700千円)

[要旨]

  黄砂の発生輸送モデル(化学予報モデルCFORSを利用)に4次元データ同化システムを新たに導入した。このモデルを用いてライダー観測データを利用したデータ同化手法のパフォーマンスを、2005年4月の北日本を中心に観測された高濃度の黄砂現象や、2007年3月末から4月初めに中国から日本各地で観測された高濃度の黄砂現象などを適用して調べた。その結果、日本国内の4地点のライダー観測データを黄砂発生輸送モデルに同化することで、中国内陸部とモンゴルの黄砂発生地域の発生量の最適化が可能となり、モデルと観測データの一致性の向上が確認された。2007年の適用結果から、ダスト発生地域における発生量の最適化が可能となり、モデルと観測データの一致性が向上した。データ同化前の発生総量57.9 Tgに比較して57.8%(約21.2 Tg)の発生量の増大補正すべきことがわかった。モデル結果は衛星センサー OMI Aerosol Index (AI) や地上気象通報による観測結果とも良く整合し、ライダーデータの同化は、アジア域のダストの発生・輸送モデルの予測可能性を大きく向上させることが判った。