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[キーワード]沖縄、奄美、マングース、ノネコ、アマミノクロウサギ

[F-3 侵入種生態リスクの評価手法と対策に関する研究]

(3)沖縄・奄美地方における侵入種影響および駆除対策に関する研究[PDF](1,334KB)

  独立行政法人森林総合研究所
  野生動物研究領域


山田文雄

  環境省やんばる野生生物保護センター

三宅雄士

  財団法人世界自然保護基金ジャパン

草刈秀紀

<研究協力者>

 

  琉球大学 農学部

小倉 剛

  [平成16~18年度合計予算額]  26,066千円(うち、平成18年度予算額 10,022千円)

[要旨]

  日本列島の中でも特異的に生物多様性が高く、同時に急速な開発とともに侵入種の分布拡大による多様性減少が最も危惧されている南西諸島の沖縄・奄美地域における侵入種管理体制の確立を目指している。侵入種のリスク評価および防除管理体制が十分に整えられていない現時点で、まず緊急に対策を要する本地域において、侵入種防除のモデルケースを樹立することは今後の日本の侵入種管理の方向性を打ち出す上でも重要である。沖縄・奄美両島ではすでにマングース駆除の政府事業も進められているが、マングースの南西諸島域における生態や在来種への影響機構については十分な知見が揃っていないため、駆除の達成には至っていない。本研究で得られた科学的最新知見は、従来のマングース生態情報にはなかったものであり、ゾーニングのためのフェンス開発とあわせて、有効駆除手法の開発に大きく貢献するものと期待される。また、本課題では、地域住民と行政が一体となった侵入種管理体制の実現を目指して、本地域における普及啓発モデル事業を推進している。科学的知見を社会に還元し、一般の侵入種問題に対する理解を向上させることは環境研究の重要な役割である。今年度得られた住民の侵入種に対する意識調査結果は地域の特異性を反映するものであり、地域密着型の管理体制を検討する上でも重要な基礎データとなると考えられる。