検索画面へ Go Research


[キーワード]生態リスク、捕食、競合、遺伝的浸透、進化的重要単位

[F-3 侵入種生態リスクの評価手法と対策に関する研究]

(1)侵入種生態リスク評価手法の開発に関する研究[PDF](4,365KB)

  独立行政法人国立環境研究所
  生物多様性研究プロジェクト 総合研究官


高村健二

  独立行政法人国立環境研究所
  生物多様性研究プロジェクト 侵入生物研究チーム


五箇公一

  東京大学大学院農学生命科学科

鷲谷いづみ

  北海道大学文学部

池田 透

  琉球大学熱帯圏生物研究センター

太田英利

  東北大学大学院生命科学研究科

横山 潤

  滋賀県立琵琶湖博物館

中井克樹

<研究協力者>

 

  北海道大学文学研究科

阿部豪・立澤史郎・竹下毅

  北海道大学創成科学研究機構

増田隆一

  北海道大学理学部

嶋谷ゆかり

  酪農学園大学獣医学部

浅川満彦・的場洋平

  [平成16~18年度合計予算額]  91,099千円(うち、平成18年度予算額 31,499千円)

[要旨]

  重要侵入種をリストアップし、それらの種の分布拡大状況、餌資源の実態、繁殖実態、生態系に対する影響実態などの生態学的情報を収集し、分類群あるいは種ごとに必要となるリスク評価項目を検討した。同時に進化や分化などの進化生物学的要因も考慮し、侵入種の防除と在来種の保全という視点から侵入種生態リスク評価手法の開発を試みた。侵入種数が膨大な植物分類群については、まず総合的なリスク評価が必要であり、河川敷にフィールドを絞り、重要侵入種を選定するとともに、種子繁殖能力の点から侵入危険度を評価する体制を検討した。さらにデータベース構築のために、文献情報の収集・解析を行い、主要な外来植物の生態情報を整備した。哺乳類・両生類・爬虫類・魚類については、既に定着・分布拡大している代表的侵入種を対象として、分布拡大および在来種に対する影響実態を把握し、一般的に予測される評価項目の妥当性を検証するとともに、これまで予測されていなかった影響項目を抽出した。これら予測不能性の実証を通じて、影響評価項目の再検討を行った。昆虫類については在来種と外来種の生息可能域、販売地域、進化的重要単位(ESU)という地理的・系統遺伝学的情報に基づく要監視地域の設定を試みるとともに、室内実験に基づく交雑リスクの評価を検討した。以上の実証研究に加えて、どのような生態学的特性をもつ種が侵入種となり得るかをシミュレートするための数理モデルの設計を行い、また地図情報に基づく分布拡大予測データマップの作成も試みた。