検索画面へ Go Research


[キーワード]大気組成、中層大気、FTIR、ILAS-II、MIPAS

[A-10 衛星観測データを利用した極域オゾン層破壊の機構解明に関する研究]

(5)地上赤外分光データと衛星観測データの比較による成層圏微量成分変動メカニズムの解明に関する研究[PDF](450KB)

  独立行政法人国立環境研究所
EFフェロー


Alexandra Griesfeller

  (受け入れ研究者)成層圏オゾン層変動研究プロジェクト

中島英彰

  [平成16~18年度合計予算額] 3,600千円(うち、平成18年度予算額 1,800千円)

[要旨]

  太陽掩蔽衛星搭載センサーである改良型大気周縁赤外分光計Ⅱ(ILAS-II)は、ILASの後継機として日本の環境省(MOE)によって開発された。ILAS-IIは、2002年12月に環境観測技術衛星・みどりII(ADEOS-II)に搭載されて打ち上げられ、2003年1月~10月に計測を行った。地上フーリエ変換赤外分光(FTIR)測定は、ILAS-II検証の一部としてキルナ(スウェーデン北部、北緯68度東経20度)で行われた。O3、HNO3、N2O、CH4の地上観測鉛直プロファイルは、ILAS-IIバージョン1.4(V1.4)リトリーバルアルゴリズムによって処理されたデータと比較された。その結果得られた4つのガス全ての平均相対差異は、比較件数が少ないものの10-15%以内であった。これを補うために、欧州環境監視衛星ENVISAT搭載のMIPASからのデータを比較に利用した。O3、N2O、CH4、H2Oについて南北両半球での比較を実施した。他の研究に先行して、ILAS-IIバージョン2のデータとの比較も実施した。その結果、V1.4で問題となっていた高度25 km以上でのH2Oの低濃度が著しく改善されていることを明らかにした。