検索画面へ Go Research


[キーワード]成層圏オゾン、ILAS、ILAS-II、極成層圏雲、子午面循環

[A-10 衛星観測データを利用した極域オゾン層破壊の機構解明に関する研究]

(3)ILAS/ILAS-Ⅱ等衛星データを用いた極域オゾン破壊機構解明に関する研究[PDF](1,561KB)

  奈良女子大学理学部

林田佐智子

  独立行政法人国立環境研究所
  大気圏環境研究領域


中島英彰

  京都大学生存圏研究所

塩谷雅人

  東京大学理学部

佐藤 薫

<研究協力者>

 

  ユタ州立大学

江尻 省

  東京大学気候システム研究センター

齋藤尚子

  東北大学大学院

佐伯浩介

  独立行政法人国立環境研究所

杉田考史

  [平成16~18年度合計予算額] 69,310千円(うち、平成18年度予算額 26,000千円)

[要旨]

  ILASおよびILAS-IIデータから、各々、1997年の北極および2003年の南極におけるオゾン層破壊過程とそれに関連する化学・力学過程の定量解析を行った。ILASについては、サブテーマ1で開発・改良された気体・エアロゾル同時推定法に基づくバージョン7を用いた北極塩素化合物の時間発展について世界で初めてその詳細な連続測定結果を示した。ILAS-IIについてはまず、測定データの信頼性を確認するための検証解析を行い、個々の化学種の信頼性を客観的に評価した。データの信頼性をふまえた上で、南極極渦内での低温下において、高頻度の極成層圏雲(PSC)の発生と、引き続く、硝酸の除去過程(脱窒もしくは脱硝)、そしてそれらを引き金とした、大規模なオゾン破壊が起こっていたことを明らかにした。これら個々の化学過程を定量的に把握することに成功したことは特筆に値する。さらに、大気トレーサーの測定から、極域成層圏における大気の下降速度を定量的に見積もった。