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[H-11 京都議定書の目標達成に向けた各種施策(排出権取引、環境税、自主協定等)の効果実証に関する計量経済学的研]
(2)企業の自主的行動による環境負荷低減効果に関する計量経済学的研究
独立行政法人国立環境研究所
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社会環境システム研究領域 環境経済研究室
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日引 聡
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上智大学経済学部
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有村俊秀
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〈研究協力者〉アメリカ合衆国イリノイ大学シカゴ校
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Eric Welch
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OECD環境局
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Nick Johnston
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アメリカ合衆国ニューヨーク大学
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松田あきみ
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[平成14〜16年度合計予算額]
平成l4〜16年度合計予算額 15,869千円
(うち、平成16年度予算額 1,632千円)
[要旨]
京都議定書の排出目標遵守の方策として、自主的アプローチへの関心が国内外で高まっ
ている。国内の温暖化対策の一つとして自主的アプローチの有効性を検証するためには、企業が
自主的に環境保全の取り組みを実施するインセンティブは何か、自主的取組は環境負荷低減に有
効かなどについて分析する必要がある。
本研究は、自主的取組の一例として、近年、大きく普及しているISO140O1の認証取得あるいは
事業所内での種々の環境マネジメント手法の実施を対象に、企業の自主的取組のインセンティブ
と市場の機能を評価することを目的としている。
まず、事業所レベルの環境マネジメント手法の実施のインセンティブについて計量経済学的手
法を用いて分析した。その結果、行政による導入奨励策の存在や、株主・投資家、得意先、銀行
その他借入先など企業の取引上重要な利害関係者からの圧力が、環境マネジメントの実施をより
促進する重要な要因であることが明らかとなった。サブテーマ1の研究成果より、EMP実施数の増
加が企業の環境負荷量低減に貢献することが明らかにされたが、その結果と合わせて考えると、
EMP実施奨励策を設けたり、実施みに伴う費用負担の軽減が、EMP実施を通して環境負荷を低減さ
せる上で有効な政策手段であると考えられる。
つぎに、市場が、ISO14001の認証取得を評価しているかどうかを分析した。その結果、市場は
ISO14001の取得が企業価値を引き上げると評価していることが検証された。市場がこのように環
境活動を評価すると、ISO14001の認証を取得することによって、企業の資金調達はより容易にな
るため、企業は環境保全に対して自主的に取り組むインセンティブを持つようになる。今後、政
府が自主的取組を促進していくためには、市場の機能が正常に機能するために、企業に関する自
主的取組の状況や環境負荷などに関する情報を積極的に開示することなどが重要な意味をもつ。
[キーワード]
自主的取組、ISO14001、環境マネジメント、プロビット分析、トービンのq