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独立行政法人農業環境技術研究所 |
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地球環境部フラックス変動評価チーム |
Edmond R. Ranatunge (EF-Fellow) |
地球環境部 |
林陽生 |
平成12〜14年度合計予算額 1,898千円
(うち、平成14年度予算額 1,898千円)
茨城県つくば市近郊の真瀬地区の水田で、約3メートルの高度で顕熱と潜熱フラックスを測定した。測定には、FLUXNET(世界の主な生態系を対象として温室効果ガスおよびエネルギーフラックスを測定し、データベースを管理・利用する国際的なフラックスデータ管理システム)において基準的な測定法である渦相関法を用いた。渦相関法による顕熱と潜熱フラックスは、生態系の炭素固定量の算定の際に重要である。本報告では、2001年を通した長期観測データを対象として、欠測値の補間に関する解析を行った。長期観測データに質的な管理を施した結果、顕熱については全体の18.6%、潜熱については51.8%が補間の対象であることが明らかになった。これらの欠測期間のデータを補間するため、ルックアップテーブルをいくつかの補間手法に応じて複数作成した。両フラックスについて、意図的に欠測期間を設定したデータセットを使い、線形補間したデータを元データと比較したところ、両者はよく一致した。同時に、ルックアップテーブルを作成する際に最適な環境要因を考慮して作成しておくことの重要性が明らかになった。これらの手法を活用することにより、水田生態系における顕熱および潜熱フラックスの欠測補間が可能となった。
炭素収支、顕熱フラックス、潜熱フラックス、ルックアップテーブル、欠測値の補間