検索画面に戻る Go Research



(1.5Mb)

[B−3 アジアフラックスネットワークの確立による東アジア生態系の炭素固定量把握に関する研究]

(3)東アジアモンスーン生態系のフラックスネットワークの確立に関する研究


独立行政法人農業環境技術研究所

 地球環境部 フラックス変動評価チーム

林陽生・原薗芳信・宮田明・小野圭介

鈴木智恵子・大塚洋一

独立行政法人国立環境研究所

 地球環境研究センター

井上元・藤沼康実・高田雅之・鳥山敦

〈研究協力者〉

 独立行政法人産業技術総合研究所

環境管理研究部門

山本晋・三枝信子

 独立行政法人森林総合研究所

気象環境研究領域気象研究室

大谷義一


[合計予算額]

 平成12年〜14年度合計予算額 32,133千円
 (うち、平成14年度予算額 10,674千円)

[要旨]

 本サブテーマでは、従来、各グループが個別的に実施してきた東アジアモンスーン生態系におけるフラックス観測研究をネットワーク化し、観測データの統合化・データベース化を推進するとともに、異なる観測システムやデータ処理を採用するグループ間の観測方法の標準化を進めることを目的とする。まず、観測データ統合化のための環境整備の一環として、農業環境技術研究所と科学技術振興事業団が共同開発したデータベース(Eco-DB)の分散化を促進するため、Linux(RedHat7.2)、Apache、PostgreSQL、PHP4を用いてLinux版Eco-DBに再構築し、産総研、岡山大学、国際北極圏研究センタで運用を開始した。このようなシステムは、FLUXNET内では初めての試みで、データ公開の一つの指針を示すことができた。また、森林総合研究所フラックスネットなどの本研究課題に関連する異なるデータベースとも連携し、AsiaFluxホームページ内にデータの所在情報のページを作成して利用者の便宜を図った。データの統合化に必要な観測の標準化に関しては、まず、オープンパス型ガス分析計の長期安定性を明らかにし、校正の頻度に関する指針を示した。また、フラックスデータの品質管理や補完の方法の指針、AsiaFluxの共有データセットの構成内容に関する試案を提示した。これらの結果はAsiaFlux運営委員会を通じて普及を図るとともに、後継課題内でのデータの共有化に活用される予定である。さらに、データ交換を推進するAsiaFlux運営委員会の活動に積極的に関与し、2000年と2002年に行われたAsiaFlux国際ワークショップの開催に協力した。そこで協議されたデータ公開についての基本方針や、他の地域フラックスネットワークとの連携については、本研究課題に反映されただけでなく、後継課題にも大きな影響を及ぼした。


[キーワード]

 フラックスネットワーク、二酸化炭素固定、データベース、観測方法、標準化