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[K−1 陸域生態系の吸収源機能評価に関する研究]

(2)人為的活動による都市緑地における炭素収支変動の評価に関する研究


研究代表者 国土交通省

国土技術政策総合研究所 環境研究部 緑化生態研究室長

藤原宣夫

国土技術政策総合研究所 環境研究部 緑化生態研究室

山岸 裕


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成ll〜13年度合計予算額 21,774千円
 (うち、平成13年度予算額 6,137千円)

[要旨]

地球温暖化対策の一環として、都市緑地におけるCO2固定促進を図るためには、都市緑化を推進するとともに、緑地管理から発生する植物廃材の有効利用を行うことが重要であると考えられる。本研究では、第一に、街路樹など森林形状を有しない都市緑化によるCO2固定量算定を行うため、樹木1本あたりのCO2固定量原単位の算出を樹幹解析という方法を用いて行った。その結果、樹高、胸高直径と木質部乾燥重量には密接な関係があり、回帰曲線が得られた。また、樹高、胸高直径と樹齢とは直線による回帰が可能であり、両者の関係から、特定の大きさの樹木1本の年間木質部乾重成長量を推定する式を作成した。第二に、街路樹管理に伴い発生する植物廃材の量を剪定枝実測調査により試算するとともに、植物廃材の有効利用により排出及び固定されるCO2削減量を処理方法別に算出した。剪定枝実測調査では、樹木の形状(特に、幹周り)と剪定枝発生量に相関が見られた。植物発生材の有効利用では、処理直後で最もCO2削減上有利なのはチップ化であり、3年後では、分解しない炭化が最も有利であった。第三に、モデル都市において、都市緑化を推進する際の緑化可能面積を推定するとともに、緑地面積の増加分によるCO2固定量及び植物廃材の有効利用によるCO2削減量を算定し、評価を行った。モデル都市である豊島区の事務及び事業の遂行に伴う温室効果ガス総排出量(平成10年度)に対し、都市緑化推進による緑地面積増加によるCO2固定量は約2%、植物廃材の有効利用によるCO2削減量は、チップ化した場合、処理直後では、約12%に相当した。


[キーワード]

 都市緑化、CO2固定、樹幹解析、植物廃材、リサイクル