検索画面に戻る Go Research



(3.5Mb)

[F−1 地理的スケールにおける生物多様性の動態と保全に関する研究]

(3)地理的スケールにおける野生生物個体群の動態の解析

鳥類集合地の時空間的動態に関する研究


独立行政法人農業技術研究機構

 

 

 中央農業総合研究センター

耕地環境部 鳥獣害研究室

藤岡正博・吉田保志子

筑波大学生物科学系

 

徳永幸彦


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成ll〜13年度合計予算額 21,084千円
 (うち、平成13度予算額 5,749千円)

[要旨]

 サギ類の繁殖集合地と採食地利用について茨城県中南部を中心とする6,000km2と滋賀県の3,578km2で調査した。航空調査によって集合地を発見し、集合数推定のための航空写真を撮影した。これとは別に各集合地でサギ類の出入り数を種別にカウントし、航空写真から数えたシラサギ類営巣数と組み合わて種ごとの個体数を推定した。
 茨城調査地では2000年に141〜3,470羽(平均1,194羽)の集合地が19カ所見つかり、すべての集合地で5〜6種が繁殖していた。地域内の合計個体数は約1万9千羽と推定された。前年の航空調査等により発見されていた21カ所の集合地のうち7カ所が2000年には使われなくなったが、うち6カ所では人為的に追い払われていた。滋賀調査地では2001年に266〜2,372羽(平均883羽)の複数種集合地が7カ所と47〜587羽のアオサギのみの集合地が7カ所確認され、総個体数は7,804羽と推定された。水田面積当たりの集合地数や全種個体数は両調査地間でほぼ同じであったが、種構成は大きく異なり、滋賀では魚食性のサギ(コサギ、ダイサギ)の割合が茨城より高かった。これは、河川での採食個体密度が滋賀で茨城よりはるかに高かったことを反映していたと考えられた。
 採食環境の時空間的変化からサギ類の集合地を予測する個体ベースモデルを開発した。学習による採食地評価と個体間の誘引関係を組み込むことによって予測精度を従来モデルより向上できたが、実用的なモデルとするにはさらにパラメターを追加する必要があると認められた。


[キーワード]

 地理情報システム、鳥類集合地、個体群動態、生物指標、個体ベースモデル