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[D−3 アジア大陸縁辺海域帯における海洋健康度の持続的監視・評価手法と国際協力体制樹立に関する研究]

(3)定期航路船舶における船体利用の定式化と効率化に関する研究


独立行政法人

海上技術安全研究所

 

 推進性能部

海洋環境研究室

冨田 宏

 推進性能部

推進研究室

日夏宗彦・塚田吉昭・南 佳成

 運動性能部

耐航性研究室

石田茂資・二村 正・沢田博史

 装備部

部長

山岸 進

 装備部

船舶設備研究室

樋富和夫・山口良隆・山之内 博


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成11〜13年度合計予算額 15,848千円
 (うち、平成13年度予算額 4,852千円)

[要旨]

 フェリー等のVOS(Voluntary Observation Ship)による海洋健康度モニタリングにおいて、サンプルされた海水が本来存在していた位置特に水深を特定することは、結果の評価において重要な情報を与える。本研究は、海洋を航走する船舶の船体取水口に取り込まれたサンプル水の深度代表性(上流起源位置)の推定を船体模型実験および数値解析によって推定する方法を提案し、結果を示すことによりその妥当性を検証したものである。
 実験では、平水中および規則波中の試験水槽中で模型船を曳航し、模型船上流の様々な位置から流出した色素を、模型船に設置した取水口から吸引し、吸引された水の中に含まれている色素の量を分光光度計を用いて定量的に計測した。回収した色素濃度を流出させた位置において等高線図を描くことにより、取水口から回収された流体の上流位置が推定できる。
 一方、実験では模型船と実船を大きさが異なることによる影響をうけるため、模型実験で得られる結果と実船で得られる結果は一般には異なると予想される。そこでこの量を評価するため、CFD(Computational FIuid Dynamics)により、平水中を航走する模型船および実船まわりの流れを計算した。その結果を用いて、乱れによる拡散効果を考慮した計算を実施し、船体取水口に流入する流体の上流起源の推定を行った。その上で、模型船対応の結果と実験結果を比較した上で、今回の方法の妥当性を調べ、さらに実船における上流起源について考察した。さらに多様な海洋汚染項目の計測への適合性の検討のため、実船において光学的計測による油汚染のモニタリング手法を試行し、蛍光スペクトル分析法が有効であることが確認された。


[キーワード]

 海洋環境モニタリング、VOS、計測深度代表性、船体模型実験、CFD