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[A−4 紫外線の健康影響のリスク評価と効果的な予防法の確立に関する研究]

(1)紫外線暴露による発がんのリスク評価に関する研究


厚生労働省国立がんセンター研究所

 

 がん情報研究部

山口直人

神戸大学医学部

市橋正光

鹿児島大学医学部

秋葉澄伯

沖縄県立看護大学

金城芳秀


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成11〜13年度合計予算額 49,650千円
 (うち、平成13年度予算額 16,147千円)

[要旨]

太陽光線が発がん作用を有することは疫学研究や動物実験等により科学的に確立された事実である。我が国では日光浴が健康に良いと信じられてきたが、オゾン層破壊という地球環境問題を契機として、太陽光線、特に紫外線がヒトに及ぼす健康影響を正しく理解し、そのリスクを回避することの重要性が認識されつつある。本研究では疫学的方法等を用いて紫外線のヒトヘの健康影響を把握し、その結果を基に、オゾン層破壊による健康影響の予防法を確立することを目的とする。皮膚がん検診による日光角化症の有病率の検討では、緯度が低く紫外線暴露量が高いと考えられる沖縄県伊江村で日光角化症の有病率が高いこと、スキンタイプによってリスクが異なること、職業などのライフスタイルでリスクが異なることが明らかとなった。国内外の研究成果をレビューした結果、太陽光線への暴露が皮膚がんのリスクを増加させることが確認できたが、当研究班が実施してきた研究以外にはわが国における研究がほとんどなく、海外での研究成果をわが国にそのまま当てはめて良いかどうか、妥当性に関して検討の余地が残されていることが明らかとなった。したがって、オゾン層破壊による健康影響をわが国の問題として科学的に正しく評価し、対策を進めてゆくためには、当研究班の実施する疫学研究が必須であることが改めて明らかにされたと言える。


[キーワード]

 紫外線、発がん、疫学、皮膚がん、リスク評価