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[A−2 オゾン層破壊物質及び代替物質の排出抑制システムに関する研究]

(3)フロン類の低温プラズマ法による分解技術システムに関する研究


独立行政法人産業技術総合研究所

 

環境管理研究部門

二夕村森、尾形敦

水野光一


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成ll〜13年度合計予算額 15,319千円
 (うち、平成13年度予算額 4,586千円)

[要旨]

 低濃度フロン類(FCs:200-1000ppm)に対しては、強誘電体充填型反応器(FPR)、無声放電型反応器(SDR)、パルスコロナ型反応器(PCR)により、CH2F2(HFC-32)、CHF3(HFC-23)、CF4(PFC-14)の分解実験を実施し、プラズマ発生法がPCsの相対反応性に与える影響、バックグラウンドガス組成やH2OがFCsの分解反応性と副生成物分布に与える影響などについて検討した。上記いずれの反応器を用いてもH2Oは分解率に対して負の効果を示した。FPRやSDRの場合と異なりPCRを用いた場合には、FCsの反応性が塩素系VOCに比べて相対的に低くなる傾向が認められた。FPRを用いたときには、H2、02を窒素に混合することによりフッ素系炭化水素の分解率は低下したが、SDRを用いたときには、酸素共存系で高い分解率が得られた。系中に発生した活性酸素種によりFCsの酸化分解が促進されたものと考えられる。分解生成物のHF等はCaCO3吸収管により完全に除去されることがわかった。
 一方、高濃度FCsに対しては、分解の容易さはCHClF2(HCFC-22)>CHF3(HFC-23)〉CClF3(CFC-13)、CCl2F2(CFC-12)〉CF4(PFC-14)の順になること、共存物質の効果については希薄濃度の場合とは異なり、H2O、O2、H2等により、反応効率が向上することを見出した。同時に、プラズマ発生方式に関しては、周波数24kHzの電源を用いた沿面放電型反応器(SPR)が他の周波数の電源を用いた同反応器やFPRよりも分解能力の高いことが明らかになった。さらに、触媒効果を期待して反応器にTiO2を導入したところ、効率が向上することが明らかになった。これらの効率向上の要因としては、分解されたFCのフラグメントがCF4等の他の安定なFCを再生する前に、TiO2、共存物質及びそこからから生じる酸素種や水素種と反応するため、反応効率が向上すると考えられた。


[キーワード]

 バリア放電、沿面放電、パルス放電、パックトベッド方式放電、フルオロカーボン類