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[G−1 砂漠化の評価と防止技術に関する総合的研究]

(5)中国における砂漠化対策技術の評価に関する研究



[環境省国立環境研究所]

 生物圈環境部 環境植物研究室

●戸部和夫、邱 国玉(エコフロンティアフェロー)

 地球環境研究センター

●清水英幸


[平成10〜12年度合計予算額]

3,000千円

(うち、平成12年度予算額 1,800千円)


[要旨]

 中国においては比較的早くから砂漠化対策の取り組みがなされており、これまで多くの砂漠化防止プロジェクトが実施され、膨大な研究成果が蓄積されてきている。しかし、これらのプロジェクトの成果に関しての客観的評価はほとんどなされておらず、さらに、これまでに得られた研究成果も相互間の関連づけが十分になされていない。そこで、本研究では、既往の中国における砂漠化防止プロジェクトや砂漠化対策に関連した文献・資料等を収集し、それらのレビューを行い、各砂漠化防止プロジェクトの実効性や各種の砂漠化防止技術の有効性の評価を行うことを目的とする。この研究では、中国における代表的な砂漠化防止プロジェクトの内容や成果を整理し、それらの有効性の評価を行った。さらに、中国における代表的な砂漠化防止技術(草方格技術、飛行機播種など)の特性や実施状況を整理し、有効性や適用可能条件などの検討を行った。また、最近ますます砂漠化防止技術との関連性が高まっているリモートセンシング技術に関して考察し、リモートセンシング技術の砂漠化評価への適用の可能性を検討した。その結果、(1)植物の被覆率は砂漠化の程度の増加とともに一意的に減少するという関係にはないため、植物の被覆率のみを基準として砂漠化の程度の判定は行えないこと、(2)植物の被覆率と植生の種類を組み合わせて用いることにより、砂漠化の程度の判定を行うことが可能なこと、(3)最近のリモートセンシング技術では植物の被覆率の判定が可能であり、さらに、近い将来植生の種類の判定が可能となる見込みであることから、今後リモートセンシング技術により砂漠化の程度の推定が可能になると期待されること等が明らかとなった。


[キーワード]

植物被覆率、砂漠化、植物多様性、リモートセンシング、草方格