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[B−56 二酸化炭素の海洋固定化に関する研究]

(1)回収二酸化炭素の深海底貯留法の評価に関する研究

②深海底貯留サイトからの二酸化炭素溶解拡散過程に関する調査研究



崇城大学 工学部(平成12年4月より熊本工業大学が改称)

●古林 義弘


[平成10〜12年度合計予算額]

3,452千円

(うち、平成12年度予算額 1,617千円)

[要旨]

 地球温暖化で最大の原因物質であるCO2の大気中濃度増加を防止するための技術的な解決策の一つとして、CO2を長期間に亙って安定的に深海に貯留する方法が研究されている。本研究では深海の海底盆地に貯留された液体CO2が貯留池からどのように海水・海洋中に拡散し、移流していくのかを、海底に想定した2次元および3次元計算モデルを用いて数値解析を行い、投入直後から1万時間オーダーの経過後までを盆地内海水中のCO2濃度、海水 pH 分布、盆地の上部につながる海洋での濃度増加、pH 変化を求めた。結果は貯留盆地内濃度および上部海洋ともにCO2濃度はそれほど高くなく、従って pH 値低下も大きくはないことが判明した。すなわち海底盆地内に適当な海水空間を持たせて貯留する方法は、空間が海水流れとCO2拡散を緩和するための一つのバッファーとして機能するために、海洋内部へのCO2移動も大変にモダレイトになり、深海域へのインパクトも押さえることが分かり、海洋処理方法として有効な手段と考えられる。

[キーワード]

二酸化炭素、深海貯留、対流拡散、全炭酸濃度、海水 pH 値