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省エネ型自然冷媒機器導入企業担当者インタビュー集
(食品業界)

株式会社明治 群馬工場株式会社明治 群馬工場

  • ノンフロン化、省エネを同時に達成することを目指す。
  • 自然冷媒にすることで444トン(CO2換算)のフロン類の漏洩を削減でき、年間のエネルギー起源CO2排出量を125トン削減することが可能。
  • ノンフロン化を効率的に進めるポイントは、どの設備からノンフロン化するのか、対象設備と導入時期を明確にし、場当たり的に対応しないこと。
  • 経営層の理解を得るにあたり、工場単独ではなく、設備や環境等に理解のある本社側の部署と連携して進めることも有効。
株式会社明治

株式会社 明治 群馬工場は、アイスクリームを生産する工場であり、群馬工場に所属するエンジニアリング部門は同敷地内の群馬栄養食工場や群馬医薬栄養剤工場のエネルギー管理にも携わっている。過去、チルド水 を作るための冷却装置において省エネ型自然冷媒機器を導入しており、平成27(2015)年、新たに省エネ型自然冷媒機器を活用したアイスクリームの冷凍倉庫が稼働する。環境省の補助金を活用しながら、積極的に自然冷媒化を図る。

-省エネ型自然冷媒機器を導入することによってどのような効果を期待していますか-

効果の前に、まずは環境に対して感度の高い時代ですので、ノンフロン化、省エネを同時に達成することが必要と考えています。環境に対して感度が高くあることは、いま企業に求められる姿勢と考えます。事業を今後も継続していくためには、環境対策の実施は必要です。

冷凍倉庫の効果は今後十分出ると考えていますが、補助金を申請する段階である程度試算しています。自然冷媒にすることで444トン(CO2換算)のフロン漏洩を削減することができ、さらに年間のエネルギー起源CO2排出量を125トン削減することが可能と見込んでいます。

また、省エネ効果および省エネ型自然冷媒機器は、地球温暖化防止の取り組みとして、対外的なPRにもなります。

-数ある設備の中で冷凍倉庫から着手した理由とは何ですか-

まずは倉庫が老朽化していたことが挙げられます。また、今の生産量に対して倉庫での保管可能量が小さかったので、外部倉庫を活用しないといけない状況でした。外部に依頼すれば、定常的にコストがかかってしまいます。倉庫を拡大し、自社業務として内製化することで、初期投資はかかりますが、ランニングコストは抑制できます。

また、優先順位をつけることは大切です。どの設備からノンフロン化するのか、対象設備と導入時期を明確にし、場当たり的に対応しないことが、ノンフロン化を効率的に進めるひとつのポイントだと思います。

なお、いまの冷凍倉庫にもアイスクリームを保管していることから、倉庫をスクラップ&ビルドすることはできません。新しい自動冷凍倉庫は、いまの冷凍倉庫横にある空きスペースに建設しています。冷凍倉庫の跡地には、まったく新しい生産設備を配置しようと計画しています。

-新しく環境省の補助金を活用されました。具体的な内容をお聞かせください-

イメージ:株式会社明治機器省エネ型自然冷媒機器の導入には、どうしてもフロン類を使用した機器よりも初期投資がかかってしまいます。環境省の補助金を活用することで、初期投資を圧縮できることは極めて有効な打ち手になると考えています。

以前、冷却工程において使用する“チルド水”を作るための冷却装置を導入する際にも、環境省の補助金を活用しました。当時の補助金は、「フロン類を使用する機器の代わりに自然冷媒を使用した機器を導入する際、発生する差額の1/3程度が補助される」という仕組みでした。仮にフロン類を使用する機器の導入コストが6,000万円、省エネ型自然冷媒機器の導入コストが7,500万円とした場合、差額1,500万円の1/3にあたる500万円が補助金となるというものです。これはこれで意味があったとは思いますが、投資意欲を掻き立てるものではありませんでした。

今の補助金は別物です。「省エネ型自然冷媒機器を導入する際、発生するコストの1/2程度を補助する」というもので、冷却設備が約1/2の導入コストで導入できるところが、魅力的です。

-欧州でも省エネ型自然冷媒機器が製造されています。海外の機器を導入するという選択肢はないのでしょうか-

海外の機器を入れることは、現在のところ現実的には可能性が低いと考えています。設備はカスタムメイドですので、納期に6ヶ月かかりますし、設備担当者と密なコミュニケーションが必要になります。また、故障した場合の対応も国内の方がスムーズであると考えます。

特に医薬品や栄養食品を生産している工場の場合、病院に対する供給責任が発生します。「海外の機器が故障しているから数ヶ月のあいだ、生産出来ません」ということは理由になりませんので、故障した場合でもすぐに対応してもらえることを考えると、やはり国産であることが求められると思います。

-今後の省エネ型自然冷媒機器の導入意向について教えてください-

イメージ:株式会社明治機器アイスクリームの生産工程において、液状のアイスクリームを殺菌して、一旦タンクに貯液し、その後、急凍設備にてフリージングします。急凍設備は「フリーザー」とも呼ばれ、ここではフロン類であるHCFC-22を使用した機器が稼働しています。当然ながら、こういった機器も省エネ型自然冷媒機器に更新していきたいと考えています。その他、関連会社の倉庫も徐々に省エネ型自然冷媒機器に更新していくことが検討されています。

-省エネ型自然冷媒機器の導入を検討されている事業者の方にアドバイスをください-

省エネ型自然冷媒機器を導入するか、しないかは、結局会社の方針によるところと思います。言い換えれば、経営層がどう考えるかによるでしょう。経営層は“環境にやさしい取り組みを実施する"ということは常に頭にあります。ただ、ほかにも検討すべき事項があり、それらとのバランスの中での判断が求められます。いかに現場担当者が説得できる材料を経営層に提供することが必要になるのではないでしょうか。

また、経営層の理解を得るにあたり、工場単独で説明するのが大変な場合には、本社のエンジニアリング部署やCSR推進部署など、設備や環境等に理解のある部署と連携して進めることも有効と考えます。

株式会社 明治:橋本 光弘

株式会社 明治
橋本 光弘

昭和56年(1981)年入社。旭川工場に設備担当として勤務。以降、国内の工場、本社エンジニアリング部門を経て、群馬工場にて生産設備管理、ユーティリティー管理の業務に就く。(現在は、十勝工場に所属)

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