環境税を使って、京都議定書の日本の目標を達成するにはどうすればよいでしょうか。
日本のCO2の排出量を1990年と比べて、2010年までに2%減らすことを想定して計算により予測してみた結果があるのでご紹介します。
なんで2%? 日本の目標は6%じゃなかったっけ?そうなんです。でも、ここに紹介する計算は、温室効果ガスのうちCO2の分だけしか考えていないんです。だから、他の温室効果ガスを減らす分とか、環境税以外の方法で減らす分とかがあるので、とりあえず2%としてみたわけです。この場合、2010年には、日本のCO2の排出量が約20%伸びると見込まれます。このため、減らさなければいけない量は22%となります。
※これまでは、私たちの消費生活との関連を中心に話しをしてきましたが、ここからは産業のことも含めた、日本全体の場合の話です。
環境税の使い方はいろいろ選べます・・・
環境税だけで、CO2を2%減らすには、天然ガス料金に換算すると1m3当たり17円~22円、ガソリン1リットル当たり19円~26円になります。CO2を出さない産業は大きく伸びますが、比較的高額の環境税がいろいろな製品の価格に織り込まれ、物価水準が高まるため、消費全体が減って経済活動も少し鈍ります。
ところが、削減分の一部を外国から国際排出量取引によって買ってきたり、環境税をかけてその税収を省エネルギー補助金として配ると、目標を達成するために必要な税金の額は小さくなり、経済が鈍る度合いも小さくなります。
地球にやさしい経済に向けて大きく舵を切るか、ちょっとづづ舵を切っていくのか、といった違いがあるとも言えます。
どうですか。環境税だけではなく、経済的手法といわれるものをいろいろ組み合わせて取り組んだ方が経済に対するいろいろな配慮ができそうですね。さらに、規制や自主的取組とも組合せる方法を考えることも必要です。また、集められた税金をどのような形で国民に返すかによっても、CO2を削減する効果や経済に与える影響が変わってくるとの計算結果もあります。税収の使いみちもしっかり考える必要があります。
なお、環境税の効果は徐々にあらわれますので、京都議定書の目標年限の2008年~2012年に近づいてから導入すると、税率はもう少し高くする必要があります。
|