6%の重み


さあ、目標はわかりました。6%減らせばいいんです。ところが、この6%がずしりと重くのしかかっているんです。

現在、日本の温室効果ガスの排出量は、1990年と比べて5%以上も増えてしまっています。え、減らすどころか増えている・・・?そうなんです。さらに、このまま対策をとらないと、2010年には20%も伸びてしまうと予想されています。
だから、全部で26%も減らさないといけないんです。

温室効果ガスの約9割は、先ほどご説明したCO2(二酸化炭素)です。CO2がどこからどれだけ出ているかをみると、工場などの産業部門から出ている分が量としては最も多いのですが、ここ数年はほとんど横ばいです。ところが、自動車や家庭、商店、事務所などから出ている分は、量こそそれほど多くないですが、増え続けています。


対策は私たちの仕事

ここで、一つ注意しておかなければならないことがあります。工場で生産される物の多くは、私たちが消費する物です。商店も、私たちが買い物ができるように物を運んだり、証明をつけたりしているわけです。つまり、CO2は工場や商店で出ているものの、それは私たちの消費活動のせいなんです。

そうやって考えると、最終的には日本全体のCO2排出量のかなりの部分は、私たちの暮らしや消費活動を支えるために出されているものといえます。CO2を多く出しているのは自分じゃないから、対策は誰かがやってね、というわけにはいかないのです。
仮に工場だけで対策をしても、その費用は、結局、商品の値段の中に入ってきて、私たち消費者が払うことになるのです。私たちは、対策をどうするかに無関心ではいられません。