地球環境・国際環境協力

国別温室効果ガスインベントリに関するタスクフォース(TFI)(概要)

設立目的および背景

本タスクフォースは、「IPCC国別温室効果ガスインベントリプログラム(IPCC NGGIP)」に関するタスクを負うものであり、同プログラムの目的は以下のとおりである。

  • 国別温室効果ガス排出/吸収(量)に関する計算/報告に関する、手法およびソフトウェアの開発/改訂をおこなうこと。
  • IPCC参加各国およびUNFCCC批准国に対し上記手法の広範な使用を促すこと。

IPCC NGGIP自体は、1991年に設立され、当初、IPCC WG1、OECD(経済協力開発機構)およびIEA(国際エネルギー機関)が協力して運営を行っていた。その後、1998年10月のIPCC第14回総会において、IPCC内に「インベントリタスクフォース」を設置し同業務を引き受けることが決定した。

その際、タスクフォース事務局受け入れに関する日本政府(環境庁:当時)からの申し出が了承され、その結果、翌1999年より(財)地球環境戦略研究機関(IGES)内にインベントリプログラム事務局(TSU:Technical Support Unit:技術支援ユニット)が設置された。日本政府はこのTSUの事務局運営に係る資金提供を行っている。

IPCCインベントリタスクフォース設置(1999年)前の「IPCC NGGIP」の動き

UNFCCC締約国が、温室効果ガスの国別報告書の作成にあたり、排出/吸収量を計算するための手法を示すべく、ガイドラインおよびガイダンスについて、以下のとおり発表した。

  • 1994年IPCC特別報告書 温室効果ガス目録のためのIPCCガイドライン(IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories) 1994年に、OECDとIEAが協力して、上記ガイドラインを作成。1995年のUNFCCC第1回締約国会合(COP1)において、先進国の国別報告書作成のガイドラインとして採択された。
  • 1996年 1996改訂版温室効果ガス目録のためのIPCCガイドライン(Revised 1996 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories) 1994年のIPCCガイドラインに対して、温室効果ガスの排出源の追加や吸収源に関する手法についての内容を追加する等の改訂を行った。

インベントリタスクフォース設置後の主たる活動

「温室効果ガス目録に関するグッドプラクティスガイダンス(および不確実性管理)」報告書の作成(Good Practice Guidance and Uncertainty Management in National Greenhouse Gas Inventories)

UNFCCC SBSTAからの要請(1998年6月)に応え作成されたもので、各国が1996年改訂版IPCCガイドラインに基づき目録作成を行ううえで、より具体的な方法について示す目的で作成された報告書である。(同報告書は、2000年5月IPCC第16回総会(モントリオール)にて承認された。)

土地利用、土地利用変化、および林業(Land Use, Land-use Change and Forestry:LULUCF)に関する3つのタスク

  • Task1「LULUCFに関するグッドプラクティスガイダンス(LULUCF GPG)」の作成

(Good Practice Guidance for Land Use, Land-Use Change and Forestry)

 UNFCCC SBSTAからの要請により、1996年改訂版IPCCガイドラインの中の、LULUCFに関する部分を京都議定書に対応させるため、LULUCFに関する温室効果ガスの具体的な評価、計測、モニタリング、報告方法についてとりまとめた。(本ガイダンスは2003年11月IPCC第21回総会にて採択され、同年のUNFCCC COP9に提出された。)

  • Task2「森林劣化(degradation)とその他植生の消失(devegetation)の定義と排出目録の方法論的オプションに関する報告書」の作成

(Definitions and Methodological Options to Inventory Emissions from Direct Human-induced Degradation of Forests and Devegetation of Other Vegetation Types)

 UNFCCC SBSTAからの要請により、「森林劣化と植生消失に関する定義付け、その定義に基づく排出目録のつけ方と報告方法のオプションに関する報告書」を作成した。本報告書は、京都議定書3.4条の追加的活動を選択する際に不公平を生じさせないために作成された。(本報告書は2003年11月IPCC第21回総会にて採択され、同年のUNFCCC COP9に提出された。)

  • Task3「温室効果ガス排出源および吸収源における直接的人為的影響を間接的人為的影響ないし自然効果から識別する方法に関する報告書」の作成

(Definitions and Methodological Options to Inventory Emissions from Direct Human-induced Degradation of Forests and Devegetation of Other Vegetation Types)

 UNFCCC SBSTAからの要請により、温室効果ガス排出源および吸収源における「直接的人為的影響」と「間接的人為的影響および自然の影響」を識別する手法に関して報告書を作成すべく検討を行った。これは、マラケシュ合意(COP7)を受け、2004年(COP10)までに完成するよう要請された件であり、作成に向けて動き出したものの、それらを識別する包括的な方法論を提示できないと結論が出され、2003年11月のIPCC第21回総会での合意を受けて、ひとまずこの作業は終了した。

2006年 2006温室効果目録のためのIPCCガイドライン(2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories) 特に1996年改訂版IPCCガイドライン、温室効果ガス目録のためのグッドプラクティスガイダンス、IPCC排出係数データベース、LULUCF グッドプラクティスガイダンスをベースとして見直しを行い、2006年ガイドラインを作成した。(本ガイドラインは2006年4月IPCC第25回総会にて採択され、同年のUNFCCC COP12に提出された。)

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