業務部門の指針(対策メニュー)

業務部門

オフィスで温室効果ガス排出削減をする際、参考となる対策メニューを掲載しています。

二酸化炭素濃度等に応じた外気量自動制御システムの導入

対策の目的

  • ビル管法に基づき、室内の CO2濃度を 1,000ppm以下に保つために外気取入れ(換気)を行っている。外気取入れ量は、設計与条件で定めた人員数と一人当たり外気導入量から設定されているが、実際の運用では、人員数が設計与条件より少ない場合が多く、空気環境基準の上限値を下回る CO2濃度で換気過剰による外気負荷(再冷却又は再加熱)の増加を招いている場合がある。

  • このため、CO2濃度が空気環境基準を超えない範囲で外気取入れ量を自動制御することで、外気負荷を減らし、空調機等の熱源エネルギーの消費量や CO2排出量の削減を図る。

対策の概要

  • 基準CO2濃度(1,000ppm以下)を設定した上で、室内に CO2センサーを設置し、 CO2濃度を監視しながら空調機等の外気取入れダンパ開度を自動的に制御することにより外気導入量を低減させる(図1)。
    ※ピーク時の取入れ外気負荷は冷房時で15~30%、暖房時で30~50%を占めており、CO2制御により減らした外気の負荷分が省エネルギー効果となる。

図解:CO2濃度計測による外気取入れ量制御イメージ

図1 CO2濃度計測による外気取入れ量制御イメージ

出所)一般社団法人 日本空調衛生工事業協会「空調衛生設備の省エネルギー手法」(H19年3月)

  • 年間を通してCO2濃度が環境基準を大きく下回っているエリアを自動制御の対象とする。

  • 大規模な駐車場又は屋内駐車場がある場合は、CO2又はCO濃度による外気量制御システムを導入する。

【実施手順】
①室内 CO2濃度の実測値を確認
※ビル管法の規定により2ヶ月に1回実施される室内環境測定記録を参考とする(季節変化を把握のため最低1年間の実測値を確認)
②CO2センサー、ダンパ自動制御装置を設置
※CO2センサー設置後、CO2制御により各室の空気環境を均質化することは困難であるため、設置位置での設定値を試行錯誤によって調整していく必要がある。
※導入後も室内 CO2濃度が最低でも1000ppm以下であることを確認
もし1000ppm以上となっていた場合は、再調整が必要。

実施上の留意点

  • ビルの空調では、「外気導入量=空調機排気量+局所排気量」となっている。このため、CO2濃度による制御システムを導入していたとしても、固定の局所排気量分の外気は導入する必要がある。

  • インバータ制御を行っている場合、定格運転時に設計外気量を確保するように設計されているのか、それともINV出力下限時に設計外気量を確保するように設計されているのかによって、効果が変わるので注意が必要である。

  • すでに全熱交換器が設置してある空調機に、後からCO2制御導入を導入する場合は、対策単体としての費用対効果は低くなる。ただし、CO2濃度センサーが最初から組み込まれた全熱交換器も市販されている。

  • CO2濃度検出・指示・制御器の使用に当たっては、メーカーの指示による補正を忠実に行わないと精度が保証されない場合があるため、注意が必要である。

  • 近年、特に都市部において外気 CO2濃度が換気計算上想定した値を大きく上回る場合があるため、導入にあたっては、ビルの周辺環境や立地条件、将来の開発動向などに留意する必要がある。

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