業務部門の指針(対策メニュー)

業務部門

オフィスで温室効果ガス排出削減をする際、参考となる対策メニューを掲載しています。

冷温水出口温度の適正化、冷却水設定温度の適正化

対策の目的

(1)冷温水出口温度の適正化

  • 一般的に、冷凍機や冷温水発生機(以下「熱源設備」とする)の冷温水送水温度は、空調機の必要冷暖房能力(冷房は除湿能力を加味する)を想定して決定されているが、竣工引渡し時のままとし、年中一定の設定温度(例えば、冷水7℃、温水45℃)となっている場合が少なくない。

  • 二次側負荷が低減するような中間期は、熱源設備の冷温水の出・入口温度差が小さくなる。そのような時期に二次側に影響を与えない範囲で冷温水出口温度を緩和し、熱源設備のエネルギー消費量やCO2排出量の削減を図る。

(2)冷却水設定温度の適正化

  • 冷却水の出口温度設定も、冷凍機の冷(温)水と同様に、能力=流量×温度差の関係にあることから、冷却水の出口・入口温度差を大きく(入口温度を低く)すれば、流量が少なくなり、機器効率(燃料消費効率)が向上する。

  • このため、冷房軽負荷期等に冷却水設定温度を下げることにより、熱源設備のエネルギー消費量やCO2排出削減を図る。

対策の概要

(1)冷温水出口温度の適正化

  • 熱源設備の出口温度の設定を、冷房負荷ピーク時以外の冷房時期、暖房負荷ピーク時以外の暖房時期など、基準値を2~3℃程度緩和(冷水の場合は高く、温水の場合は低く)するなど、季節やビルの使用状況(冷暖房負荷)から判断し、冷温水出口温度のきめ細かい設定を行い、熱源設備の効率を向上させる。

【実施手順】
①熱源設備の運転記録などから冷(温)水出口・入口温度を確認
※設定温度と夏期や冬期のピーク時やそれ以外の時期の温度を計測
②外気温、在室人数等の状況により、冷(温)水出口温度変更による影響を検討する。
※冷水出口温度変更では除湿変更が必要な系統で、除湿処理が出来ているかなど
③冷(温)水温度の設定変更実施
※設定変更手順は冷凍機メーカーのサービス部門に確認の上、機器に影響のない範囲で実施する

(2)冷却水設定温度の適正化

  • 冷却水設定温度を、冷房負荷ピーク時とそれ以外の冷房軽負荷時期で変更するなど、きめ細かい調整を行い、熱源設備の機器効率を向上させる。

  • 殆どの事務所ビルで実施が可能であり、特に冷房軽負荷期や、冬期・中間期などにおいても冷房需要がある場合に大きな効果が期待できる。

【実施手順】
①冷却水の設定温度と現状を確認
※冷却水温度制御の計測システム、冷却温度サーモの設定機構、冷却塔のファンのモータ容量と容量制御方法も確認する。
②熱源設備の性能に問題がないかを確認
※熱源設備メーカーに冷却水入口温度の下限値を確認
③冷却水温度の設定変更
※サーモスタットの設定値を変更

実施上の留意点

(1)冷温水出口温度の適正化

  • 設定変更手順については、冷凍機メーカーのサービス部門に確認し、実施する。

  • 変更後、冷凍機の稼動状況が安定的であることを確認する。

  • 冷水温度を高くすると、室内側の空調能力が損なわれること(除湿性能の低下)があるので、室内湿度計測で確認する。

  • なお、変流量システムの場合は、冷温水温度のレベルを下げると空調機の流量が増して搬送エネルギーが増えるため、温度変更による削減効果が減少する。このため、温度変更による熱源設備エネルギー、搬送エネルギー、蓄熱槽や管路の熱損失の増・減少分を差し引いて最適点を定める必要がある。

  • 設定値変更による熱源台数制御への影響の有無を確認する必要がある。

(2)冷却水設定温度の適正化

  • 冷却水設定温度を下げると熱源設備の運転効率は良くなるが、冷却塔のファン動力が増加する。このため、熱源設備の運転効率向上の大きい場合に採用するなど、変更に際しては冷却塔動力消費量も含めて可否を判断する必要がある。

  • 熱源設備は、冷却水下限温度が設定(一般的には22℃程度)されており、メーカーや機種により下限値が異なるため、必ず冷凍機メーカーに確認する必要がある。

費用回収年数

◎:限りなく0年

導入効果

試算の前提※(財)省エネルギーセンターの「エネルギー消費原単位管理ツールESUM」を活用

(1)冷温水出口温度の適正化

冷水出口温度設定を7℃から8℃に1℃緩和することにより、ガス焚冷温水発生器のガス消費量が約3%削減すると仮定(シミュレーション上の都合により、通年で1℃緩和すると仮定)。

①ガス消費量の削減量:4.27〔千m3〕
②CO2排出量の削減量:8.9〔t〕

(2)冷却水設定温度の適正化

冷却水温度を1℃下げたことにより、ガス焚冷温水発生機の冷凍能力が約3%向上すると仮定(シミュレーション上の都合により、通年で1℃緩和すると仮定)。

①ガス消費量の削減量:5.07〔千m3〕
②電気消費量の削減量:1.49〔千kWh〕
③CO2排出量の削減量:11.3〔t〕

出典・参考文献

【出典】
図1:「省エネチューニングガイドブック」(H19年1月)(財)省エネルギーセンター
図2,3:エネルギー管理特別研修テキスト(財)省エネルギーセンター

【参考資料・文献】

  • 「東京都地球温暖化対策 削減対策メニュー 基本対策(重点項目)」東京都環境局

  • 「省エネチューニングガイドブック」(財)省エネルギーセンター(H19年1月)

  • 「ビル・建築設備の省エネルギー」中原信生著 (財)省エネルギーセンター)

  • 「新版 省エネチューニングマニュアル」 経済産業省委託事業/(財)省エネルギーセンター(H20年3月)

環境省

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