空調運転時間は、竣工引渡し時の設定のままで運転され続けている場合も少なくない。空調運転時間とエネルギー消費やCO2排出量は比例関係にあるため、省エネ化を進めるためには、運転時間の制御が重要なポイントとなる。
このため、竣工後のテナント構成や利用状況などのチェックを行い、非使用室や昼間の空調機の発停を行うスケジュール運転・断続運転制御システムを導入することにより、搬送動力の削減を図る。
また、人間は定常環境よりも変動する環境に快適性を感じる特性を利用し、就業時間帯においても空調機の発停をある一定のリズムで行う断続運転(パッシブリズミング)制御を行うことで搬送動力の削減を図る(図1参照)。
テナント等のビル利用者の利用時間などを配慮し、空調機の発停のスケジュール運転制御や断続運転制御システムを導入する。
室内温度と CO2濃度を監視しながら、ある一定の周期で空調機の発停を繰り返す制御装置(コントローラー)を導入する。
導入に際しては、空調・換気設備の停止によりCO2濃度や空気洗浄度などが建築物衛生法の室内空気環境基準を下回らないように配慮する必要がある。
百貨店などの商業施設の空調に適している。
▲:概ね10年以内
空調機の断続運転制御を導入し、空調機搬送動力を約20%削減すると仮定。
①ガス消費量の削減量: 2.88〔千㎥〕
②電気消費量の削減量:114.56〔千kWh〕
③CO2排出量の削減量 :69.5〔t〕
【出典】
図1,2:独立行政法人 建築研究所:H16年度講演会テキスト「パッシブリズミング空調」坊垣和明著
【参考資料・文献】
「新版 省エネチューニングマニュアル」 経済産業省委託事業/(財)省エネルギーセンター(H20年3月)
「省エネチューニングガイドブック」(財)省エネルギーセンター(H19年1月)