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省エネ改修とは

省エネ改修の魅力

ビルの省エネ改修等を実施し環境性能を向上させることにより、ビルの収益性や企業の環境イメージ向上等の多岐にわたる付加価値がもたらされると考えられています。以下に、ビルの環境性能向上によりもたらさられる付加価値の一例を示します。

ビルの省エネ改修等によりもたらされる付加価値の一例

この表は、ビルの省エネ改修等によりもたらされる付加価値について、ビルオーナーが重視する視点毎にまとめたものです。

個別ビルにおける収益性の観点

1. ビルの競争力向上、クレームの低減

設備(空調など)の性能が向上することにより、テナントの満足度が向上し、競争力につながると考えられます。設備性能の高さを示すことだけで直接的に訴求力になることは現状では考えにくいですが、一定期間入居することで室内環境に対して不満足を感じることが少ないことが認識され、テナントにとってのビルへの満足度向上に対して徐々に寄与するものと考えられます。いくつかのビルオーナーにおいても、空調等の設備更新において性能の高いものを採用することで顧客に対する訴求力につながっているとの意見が見られています。

2. 光熱費の削減

当然ながら省エネ改修は光熱費の削減に寄与するものと言えます。光熱費削減の効果は、テナントやビルオーナーにおける事業全体の規模から比較すると小さいものであるとの意見も見られますが、一方で現状では最も明確に(定量的に)把握できるメリットであり、特に中小企業のテナントや、ビルオーナーにとっては重要な事業コスト削減要素になると言えます。

3. テナントにおける生産性の向上、健康リスクの低減

省エネ改修により室内の温熱環境等が向上し、執務者の生産性の向上、健康リスクの低減につながると考えられます。特に金融・ソフトウェア・研究機関などの人件費の割合が比較的大きい業界では、執務者の生産性向上のインパクトは大きく、光熱費削減よりもはるかに大きい効果が期待されています。

4. 認証・ラベリング等の評価向上による賃料の増加

認証・ラベリング等の評価向上により、ビルの訴求力が高まり比較的高い賃料を設定できると考えられます。認証・ラベリング等において高評価のビルの賃料が高くなるという関係性が多くの論文で実証されています。

企業全体の収益性・イメージなど

5. ビル・設備の管理能力の向上

省エネ改修を通じて、ビル設備の現状を的確に把握するとともに、効率的な管理の方法などに関するノウハウが蓄積され、その結果としてビル・設備の総合的な管理能力が向上すると考えられます。特に中小のビルオーナーにとっては、ビル管理・経営の効率化、クレーム低減、サービス品質の向上などにつなげる効果が期待できます。

6. 環境対策への積極性を評価されることで、資金を獲得

GRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)に参加する投資機関からは、GRESBの評価を受けていなければ投資を受けることはできません。これは、環境対策に積極的な不動産会社・不動産運用機関ほど中長期的なリターンが期待できるという考え方にもとづいています。

7. 企業全体のサステイナビリティの向上

省エネ改修による環境負荷低減や、環境規制への対応能力向上により、ビルオーナー、テナントともに、事業のサステイナビリティを高めることにつながると言えます。またこれらの取り組みに関してCSRレポート等においてアピールすることで、企業イメージの向上に寄与できると考えられます。特に、CSRレポートを発行し、企業CSRを比較的重視している大手のビルオーナー、テナントにとってメリットが比較的大きいと言えます。

GRESBは、個々の不動産に対する評価ではなく、不動産会社、運用機関に対するベンチマークである。投資家が投資対象を選定するうえでの指標となっている。

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