G8 Environment Ministers' Meeting in 2000
過去のG7/G8環境大臣会合(開催実績)
G8環境大臣会合、1999年3月26日~28日、シュヴェリーン
コミュニケ

(環境庁地球環境部仮訳)

 我々、主要民主主義工業国8か国の環境大臣及びEC環境担当代表は、1999年3月26日から28日までシュヴェリーンで会合し、1998年にケントのリーズ城で開催された前回会合のフォローアップとして、緊急を要する環境問題について議論した。我々は議長に対し、ケルン・サミットの議長にこのコミュニケを転達するよう求める。

コミュニケを転達するに当たり、我々は、次の行動を強調(ハイライト)したい。

グローバリゼーションと環境保護について、我々は次の行動をとる。

首尾一貫し、グローバルかつ環境上責任ある多国間協定及び制度の枠組みを確保するための努力を強化すること。
環境基準や標準(ノルム)の設定、一般的承認及び継続的改善に関する国際協力を促進すること。
以下の項目を含む「貿易と環境」の問題が次期WTO交渉の主要課題に組み入れられることを確保すること。
-効果的な参加を確保するため、WTOの透明性と市民社会への公開性を高めること。
-多国間環境協定(MEAs)の一貫性を保持し、MEAsとWTOルールの関係を明らかにすること。
-新ラウンドの環境又は持続可能な開発上のレビューを行うこと。
-WTOとUNEP、他の環境関係国際機関及び多国間環境協定事務局との協力を強化すること。
環境の側面を国際金融機関及び輸出信用機関の業務によりよく統合すること。
国際債務軽減のイニシアティブが真に持続可能な開発に貢献すべきことを強調すること。
予防的(プレコーショナリー)アプローチの原則に従い、科学的知見の不足が環境行動から逃避する理由に使われるべきでないことを強調すること。
多国間の環境及び持続可能な開発に係るフォーラムに対し、その決定や合意の実施に関する進捗状況の評価や報告をより効果的なものとするよう奨励すること。

気候変動について、我々は次の行動をとる。

京都議定書の早期発効の観点から、ブエノス・アイレス行動計画の実施、特に、京都メカニズムの実施及び協力で包括的な遵守レジームに係る決定に関し時宜を得た進展を図るべく作業を行うこと。
温室効果ガス排出の相当の削減を達成するための国内措置の策定し、実施するとともに、政策措置に関する「優良事例(ベスト・プラクティス)」に係る経験を交流し、来年に進展をレビューするために、直ちに行動を起こすこと。
特に、資金メカニズム、技術開発・移転及び対処能力の育成を通じ、途上国の既に行われている取組を歓迎し、彼らを支援すること。
貧困を撲滅し、持続可能な開発を達成するという途上国の正当なニーズを十分考慮しつつ、温室効果ガスの排出を緩和するよう途上国を奨励することによって、京都プロセスへの地球規模の参加を徐々に促進すること。

環境と運輸について、我々は次の行動をとる。

運輸部門におけるCO2とそれ以外の温室効果ガス排出削減のために効果的な行動をとること。

バイオセイフティについて、我々は次の行動をとる。

遅くとも2000年5月の第5回締約国会議までに実際に機能する効果的なバイオセイフティ議定書に係る合意を得るよう行動すること。

環境分野の国連改革について、我々は次の行動をとる。

UNEP管理理事会の最近の決議に基づき、環境分野の改革に関して国連総会の早期決定を求めること。
環境政策に関する国連システム内の第一義的機関としてUNEPを強化すること。

環境と安全保障について、我々は次の行動をとる。

環境に起因する紛争を防止し、軽減する目的をもって、環境負荷と安全保障の関係についてさらに対応すること。

これまでのG8環境大臣会合のフォローアップについて、我々は次の行動をとる。

特に、持続可能でない漁業慣行を防止し、海洋汚染に対処し、及び地球規模でのよりよい協力と調整を通じて、海洋及びその生物多様性を保護するためのさらなる行動をとること。
途上国を支援するためのイニシャティブを含め、多国間環境協定を効果的に執行するためにさらなる行動をとること。
環境犯罪に対処するためのさらなる行動、特にオゾン層破壊物質、有害廃棄物及び保護野生生物の違法取引に対処するためのイニシャティブをとること。
特別の感受性に鑑み、子供を保護するための政策を策定するため、子供の健康に及ぼす環境影響に関する知見を引き続き改善すること。

これらの行動は環境大臣会合の以下の結果から導き出される。


グローバリゼーションと環境保護

1. 国際経済関係のグローバリゼーションは、世界的規模の環境保護の強化に機会と課題を提示している。例えば、グローバリゼーションは世界的な繁栄の機会をもたらし、環境にやさしい技術の迅速な普及を促進させ得るが、健全な環境政策を伴わない場合には、世界的な交通量の増加、各経済地域間の競争の激化、純粋に一国のみで解決できる問題の範囲の狭小化、天然資源の持続不可能な利用に対する圧力の増加をもたらす。

2. 我々は、1992年にリオ・デ・ジャネイロで開催されたUNCEDにおいて、及びそれ以降になされた持続可能な開発を達成するための約束を再確認する。我々は、多国間協定及び制度の首尾一貫した、グローバルかつ環境上責任ある枠組がグローバリゼーションが持続可能な開発を支えることを保証することを確実にするため、努力を進める。また、我々は、地球環境問題に対処するための主な資金メカニズムとして、地球環境ファシリティ(GEF)を強く支持することを再確認する。

3. 我々は、持続可能な開発に向けて、我々の経済の「エコロジカルな近代化」を図るため努力を払う。新技術及びクリーンな生産プロセス並びに革新的な製品及びサービスの開発、導入及び普及は雇用に貢献する。外部コストの内部化は、環境の側面を全ての政策に統合させることを促すため重要である。資源の浪費や非効率な使用が行われている経済活動は回避されなければならない。

4. 世界的競争を環境保護における最低ラインを目指すレースにすべきではない。従って、我々は、環境基準や標準(ノルム)の設定、一般的承認、継続的改善に関する国際的協力を促進するため最大限の努力を払う。これは単に適当な法的拘束力のある国際的な基準や標準(ノルム)のみならず、例えば、環境上の自主的な取組、協定、行動規範、革新的かつ柔軟なアプローチ、そして、例えば国際標準化機構(ISO)その他の機関により行われている標準化作業における環境保全成果、遵守及び公衆への報告も必然的に含むものである。この文脈において、我々は、UNEPが金融及び保険部門との協力を強化していることを歓迎する。我々は、世界銀行の新環境ハンドブックを良き出発点として歓迎し、この基準の継続的な適用及び改善を求めるとともに、公的及び私的な金融機関に対し、この例に倣うよう奨励する。同時に、予防的(プレコーショナリー)アプローチの原則に従い、科学的知見の不足が環境行動から逃避する理由に使われるべきでない。

5. 世界経済に打撃を与えている近年の危機は、各国政府が政策決定に当たり、長期的な問題に考慮を払うことの必要性を明らかにした。国際金融機関の構造調整政策を含む国際的な金融及び経済制度は、エコロジカルかつ社会的次元に大きな考慮を払うべきである。我々は、国際金融機関(IFIs)に対し、環境保護を彼らの戦略及び経営方針の不可欠な一要素とし続けることを求める。特に、多国間の開発銀行は、例えば、国連との実りある協力を拡大させ、意志決定過程の透明化を図り、戦略・取組の環境的影響を調査し、首尾一貫した基準を開発すべきである。彼らはまた、エネルギー効率向上並びに再生可能エネルギー及び代替エネルギー資源の利用を推進し、そのようなエネルギー源の利用割合の向上に向けた努力を強化すべきである。我々は、貧困国の債務軽減に向けたイニシャティブの範囲と環境保護の間の潜在的な関係を強調する。我々は、これらのイニシャティブが実施されれば、これらの国における持続可能な開発に真に貢献するであろうことを強調する。

6. 我々は、次期WTO交渉は持続可能な開発に貢献しなければならないという決意を再確認する。「貿易と環境」は不可欠な問題として盛り込まれるべきで、WTOの合意全般にわたり環境配慮が十分考慮されることが重要である。同時に、開発問題についても交渉の不可欠な一部とならねばならない。開かれた多国間貿易システムに対する公衆の支持を得続けるため、WTOの透明性及び市民社会へ公開性と効果的な参画が必要である。この文脈において、最近開催された貿易と環境及び貿易と開発に関するハイレベルシンポジウムは価値ある役割を果たした。我々は、個別に、又は共同して、また、適当な場合には、関心を有する(G8以外の)他のWTO加盟国とともに、次期WTO交渉の早い時期に環境及び持続可能な開発に関するレビューを検討する。我々は貿易/経済担当省庁、開発担当省庁及び環境担当省庁との間の政策策定の統合を継続すること約束するものであり、また、すべてのWTO加盟国に対しそのようにすることを奨励する。また、新たな貿易と環境の課題に対処するため、能力向上努力を強化することが必要である。環境により責任を有するWTOに向け取組を進める一方、我々は多国間環境協定の統合を保つ必要性を強調する。我々は多国間環境協定とWTOの規則の関係が明らかにされるべきであると考える。我々は、恣意的又は正当化し得ない差別となることを避け、多国間の義務と整合した、健康と安全、環境と生物多様性に関する保護基準を設定する国家の権利を尊重しなければならない。また、ラベリング、環境原則、環境製品、サービス及び技術の自由化、WTO、UNEP、その他の環境に関わる国際機関及び多国間環境協定事務局との協力は、重要な貿易と環境の問題と考える。我々は、他の国々、特に途上国にとって関心の高い他の貿易と環境の問題について検討する用意がある。世界規模の貿易の自由化と高い環境保護基準は相互に支持的であるべきである。

7. 我々は、輸出信用機関の業務における環境配慮の手続を強化する観点から、OECDで行われている作業を歓迎する。国際協調で昨年達成された進展は我々を勇気付けるものであるが、フォローアップが必要である。我々は、OECD輸出信用グループがその作業を加速すべきであることに合意する。同グループは、一般的な進捗及び特定のプロジェクトのための一般機関の行動に関して得られた進展を含めてOECD大臣に定期的に報告すべきである。


気候変動

8. 我々は、持続可能な開発への道を歩む上での核となる要素として、地球気候と生態系の保護のためのさらなる行動が極めて重要であることを再度表明する。

9. リーズ城で合意したとおり、我々の政府はこの一年間に京都議定書に署名した。我々は、京都議定書の早期発効が絶対的に重要であることを再確認し、この目的に向けてあらゆる努力を行うことを決意する。我々は、京都議定書を具体化し、及び気候変動枠組条約の実施を追求することを目的として、1998年11月にブエノス・アイレスにおいて国連気候変動枠組条約第4回締約国会議で採択された、包括的な作業計画と明確なタイム・テーブルを伴うブエノス・アイレス行動計画を歓迎する。我々は、この行動計画の中核要素が第6回締約国会議までに決定される必要があることを強調する。

10. 第6回締約国会議における、京都メカニズム-共同実施、クリーン開発メカニズム及び排出量取引-のための関連する原則、方法、規則及び指針に関する決定が不可欠である。これらのメカニズムは国内措置に対して補足的なものであり、環境上真に有益でなければならず、また、これらのメカニズムを利用しないときよりも温室効果ガスの排出量の全体的な削減を達成するようなものであるべきである。規則は、これらのメカニズムが、執行可能(enforceable)、説明可能(accountable)、実証可能(verifiable)、開かれた(open)、そして透明(transparent)なものであることを確保するようなものでなければならない。我々は、作業計画の中で、クリーン開発メカニズムに優先度を与える。

11. 我々は、遵守に関する合同作業グループの創設を歓迎するとともに、第6回締約国会議において、包括的遵守制度に関する決定を行うことが重要であると考える。我々は、この制度が強力、効率的、効果的及び首尾一貫したものであるとともに、議定書の非遵守国に対する拘束力のある措置を伴うものであるべきであるという我々の要請を再度表明する。

12. 我々は、率先して気候変動に対処し、条約及び京都議定書に基づく義務を果たすため、国内的に効果的な措置をとることにより排出トレンドを変えるためにあらゆる努力を行うことを決意する。我々は、温室効果ガスの排出の相当の削減を達成し、及び2005年までに目に見える形の進展を示すために必要な国内の施策の策定及び実施について、スタートを切ろうとしている。我々は、そのような削減が、各国における既存のノー・コスト又はロー・コスト施策の実施可能性を追求することなどによって、費用対効果上有効に達成し得ることを確信する。特に、先進国は、より効率的な技術の開発と浸透を進展するためのインセンティブ、情報、その他の対策の役割を認識するべきである。我々は、議定書の下でこの分野における協力を促進するため、ブエノス・アイレスで合意された政策措置の「ベスト・プラクティス」に関する経験の交換に積極的に参加する。次回のG8環境未来フォーラムはこの問題に具体的に取り組み、その結果を来年我々に報告する。

13. 気候システムに対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させるためには、すべての国によるより大きな努力がなされることが必要である。これには、温室効果ガスの排出を抑制し又は削減するための定量的約束を設定し、強化するプロセスに対する地球的参加を徐々に増強していくことが含まれる。我々は、そのようなプロセスは、共通だが差異のある責任の原則によって導かれるべきであり、また、貧困を克服し、持続可能な開発を実現するという途上国の正当な優先課題が十分考慮されなければならないことを再確認する。我々は、途上国が気候変動条約及び議定書の実施において彼らの役割を十分に果たすために援助を行うことの重要性及び資金メカニズム、技術開発・移転及び能力向上を通じた効果的な途上国への支援の必要性を強調する。我々は、途上国で既に行われている取組を歓迎するとともに、彼らのさらなる取組を支援するものである。我々はまた、ブエノス・アイレスにおいて、数カ国の途上国によって示された、彼らの温室効果ガスの排出を抑制する更なる約束を行うとの意思を歓迎する。

14. エネルギーと資源の生産性と再生可能エネルギー源の使用の拡大は、我々の経済に大きな好機を提供し、既存の雇用を保持しつつ、新しい将来性を有する雇用を生み出すことに役立つと同時に環境保全の努力にも合致するものである。我々は、省エネルギー、太陽エネルギーを含む再生可能なエネルギー資源の使用の拡大及び合理的かつ効率的なエネルギー使用のための実効的な提案を盛り込んだ持続可能なエネルギー戦略のCSD9における採択に向け、CSD7が作業を開始することを望む。

15. 我々は、来るべき交渉において、すべての事項に関し速やかに進展を図ること及び緊密な協力を図ることを約束する。我々は、すべての国々と踏み込んで議論することに関心を有していることを強調する。


環境と運輸

16. 我々は、CO2の排出、特に運輸部門における排出が世界規模で急速に増加を続けていることに憂慮をもって留意する。従って、我々は、例えば、燃料消費及び全体の走行距離の削減、より環境上責任ある運輸手段へのモーダルシフト、並びに代替燃料及び推進システムの導入及び拡大によって、運輸部門におけるCO2の排出の削減の可能性を可能な限り追求することが緊急の必要事項であると考える。我々は、さらに、財政的及び経済的手段、燃費基準及び交通需要管理などの施策の適用が、エネルギー効率の改善とCO2排出の抑制及び削減に効果的に貢献し得ると考える。

17. 我々は、代替燃料及び技術の開発及び導入並びにそれらの迅速な実施の観点から、1999年1月25日~26日にボンで開催されたG8環境未来フォーラムの成果及び勧告を歓迎する。

18. 我々は、航空機及び船舶による排出を抑制し、又は削減するという京都議定書に基づく約束を再確認するとともに、国際民間航空機関(ICAO)及び国際海事機関(IMO)に対し、これらの目的を追求するための一層の努力を行うよう求める。持続可能な移動のためには、交通の外部コストを内部化する必要がある。この文脈において、ICAOとIMOは航空機燃料及び船舶燃料に関する現在とられている政策についてレビューすることを検討すべきである。


バイオセイフティ議定書

19. バイオセイフティは未解決の重要課題として残されている。我々は、カルタヘナでバイオセイフティ議定書についてコンセンサスを見出し得なかったことを遺憾に思う。交渉は中断されたものの、我々は、生物多様性条約特別締約国会議で決定されたように、2000年5月の第5回締約国会議による合意に向けて作業を行うために実質的に改善された基礎を提供する重要な進展があったことに留意する。また、我々は、これらの交渉が成功裏に終わるの確実にするため適切な調査や準備を行う必要を認識する。我々は、生物多様性を保護する、実際に機能し得る効果的なバイオセイフティ議定書を策定するために引き続き約束する。


環境分野における国連改革

20. 我々は、さきのUNEP管理理事会においてなされた国連事務総長報告及び環境及び人間居住に関する国連タスク・フォース報告に関する決定を、環境分野における国連の活動に係る必要な組織強化に向けた道のりの重要な一歩として歓迎する。我々は、この重要な事項が国連総会によって迅速に決定されることを確保するために最大限の努力を払う。我々は、関連国連機構間のより効率的な協力及び調整を実現しようとする国連事務総長及びUNEP事務局長の前進している取組を支持するとともに、UNEP管理理事会決定に示された行動をとることを奨励する。

21. UNEP-国連システム内で環境問題を専門に扱う第一義的機関-の強化は、改革の焦点であるべきである。我々は、UNEPが主要地球環境機関としての実効性を強化しその役割を主張することを求める。管理理事会は、1997年のナイロビ宣言に従い、このような方向性に弾みを付けた。


環境と安全保障

22. 環境破壊、資源の欠乏及びその結果生ずる社会-政治的影響は、それらが内戦又は国家間の紛争を惹起し、又は悪化させるおそれがあるという点で、安全保障に対する潜在的脅威である。従って、我々は、国際的議論において環境への負荷と安全保障の間の関係に益々重要性が付与されつつあるということを歓迎する。我々は、環境に由来する紛争の回避及び減少に関する課題にどのように進めるか検討する。


これまでのG8環境大臣会合のフォローアップ

23. 我々は、海洋汚染、沿岸線の改変、持続可能でない漁業慣行及びその他の脅威により、海洋及びその生物多様性が脅威に晒され続けていることに対し深い憂慮を表明する。我々は、国、地域及び地球レベルの施策を講ずることにより、このような危険に対抗するための新たな、及び調整のとれた努力を行うこと及び海の生物多様性の持続可能な利用及び保護を促進することを約束する。我々は、CSDに対し、このような課題について、より良い調整及び協力を含む世界的レベルでのより良い対応を勧告するよう要請する。世界的な漁船の過剰漁獲能力、過剰漁獲及び養殖漁業の生物多様性に及ぼす生態系への負の影響を含む非持続的漁業慣行に対処するため、我々は、FAO及び各国政府に対し、特に地域的及び準地域的な漁業管理保護機関を通じた活動により、負荷の減少を目指した努力を強化するよう要請する。さらに、CSD7に対し、1995年の国連公海漁業協定、FAO責任ある漁業実施のための行動規範及び(and/or)1993年のFAO遵守協定を批准又は加入していない全ての国々に対して、これらの協定を早期に発効させ、それらの協定に規定される強力な対策が持続可能な漁業にさらに貢献することを確保するため、可能な限り早急にそうするよう呼びかけるよう要請する。我々は、UNEPに対し、UNEP地域海計画を再活性化させること及びこのために地域海計画の地域事務局を維持するよう要請する。我々は、国際社会に対し、「陸上活動から海洋環境を保護するための世界行動計画(GPA)」の厳格な実施を求める。我々は国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)への支持を表明し、この行動プログラムの実施に対する幅広い支援を呼びかけるものである。

24. 我々は、多国間環境協定の効果的な執行の必要性を再度強調し、違反事例のかつてない増加に対して深刻な関心を表明する。我々は、これらの協定に規定される全ての義務を履行することを約束し、特にオゾン層破壊物質、有害廃棄物及び保護対象野生生物の違法取引に対処するための、効果的な執行を確保するためのイニシャティブを含め、効果的な手続及び対策が採択されるよう求める。また、我々は、その実施及び執行を支援するために(G8以外の)国々とともに作業を進めることに強い関心を有している。従って、我々は、環境条約の実施において、主として途上国の政策担当者及び執行担当者を支援するために今夏開催されるワークショップに向けたUNEPの重要なイニシャティブに最大限の支援を行う

25. 我々は、犯罪組織が多国間環境協定違反に関与していると結論づけたG8国際組織犯罪上級専門家会合(リヨン・グループ)の活動を支持する。我々は、環境分野における組織犯罪との効果的な戦いの重要性を確認する。我々は、INTERPOL、世界関税機構(関税協力理事会)及び環境法の遵守・執行を担当する地域機関の努力を多とし、これらの機関が、オゾン層破壊物質、有害廃棄物及び保護対象野生生物の違法取引に関する環境犯罪の検討課題を強化するよう奨励する。我々は、G8リヨン・グループの、このような違法行為に関与している犯罪グループの特定を多機関ベースで調整するために策定された共同プロジェクトを他の機関と協力して作業を進めるとの合意を支持する。

26. 我々は、環境的脅威に対し子供が社会で最も影響を受けやすい構成員であることを再確認する。我々は、1997年のマイアミ宣言以降の子供の環境保健の分野における進展を認識する。我々は煙草の煙と子供の健康影響に関する世界保健機関(WHO)のイニシアティブを歓迎し、健康と環境の関係を調査するWHO/欧州のイニシャテイブを歓迎する。我々は、環境汚染と悪化から子供の健康を効果的に守るため、現在の取組と今後さらに行いうることに関する知見のより強固な基盤を築く。

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