G8 Environment Ministers' Meeting in 2000
過去のG7/G8環境大臣会合(開催実績)
G7環境大臣非公式会合
1994年3月12日ー13日、フィレンツェ、イタリア


議長によるまとめ(仮訳)

 先進工業国7ヶ国(G7)の環境大臣と欧州連合の環境担当委員は、重要な環境問題につき意見交換を行うため、3月12日ー13日、フィレンツェにおいて非公式な会合を持った。会議は、カルオ・アゼグリオ・シャンピ イタリア首相により開会された。シャンピ首相は、本非公式会合を開催するとのイニシアティヴを歓迎するとともに本会合が有する来るべきG7ナポリ・サミットとの関連の重要性を強調した。

 次の方々がヴァルド・スピニ イタリア環境大臣の招待に前向きに応じられた。

カナダシーラ・コップス副首相兼環境大臣
フランスミッシェル・バルニエ環境大臣
ドイツクラウス・テッファー環境大臣
日本広中和歌子環境庁長官
イギリスジョン・ガマー環境大臣
アメリカロバート・サッスマン環境保護庁次官
ティモシー・ワース国務省次官補
欧州連合ヤニス・パレオクラッサス環境担当委員

 代表団は、会議において、関連する問題について詳細に検討した。


地球環境

 出席者は、進行する地球環境の悪化、とりわけ温暖化、オゾン層の破壊、砂漠化、淡水の汚染、生物多様性について、懸念を表明した。

 気候変動枠組条約及び生物多様性条約の実施は、温室効果ガスの排出削減計画に新たな弾みを与え、地球の遺伝子資源の警戒すべきほどの減少に対抗するよう国際社会を駆り立てた。

 地球の最も脅威にされされている地域(地中海南縁を含むアフリカなど)での砂漠化の惨害と闘うための条約化交渉は、加速されねばならない。

 北方及び熱帯の森林問題に取り組むための国際的な森林に関するタスク・フォースの設立は、全世界的な森林条約を目指す更なる交渉のための最初のかつ急を要するステップである。

 増大する淡水資源の涸渇問題、とりわけ水問題が地域の緊張に結びつくような地域における涸渇問題は、更なる国際協力により取り組まれるべきである。

 地球環境問題解決のために科学技術を使うことは共通の優先事項であり、技術協力を強化することにより実現される。

 先進国及び開発途上国は共に、明確に策定された技術パートナーシップの計画に着手するよう奨励すべきである。これに関しては、既存の多国間研究イニシアティブへの更に恒久的で安定した支援が必要である。

 地球環境ファシリティ(GEF)の役割は、”グローバル・コモンズ(地球の共有財産)”を安定的に管理するために必須である。この目的のためには、現在進行中のGEFの最構築及び増資に関する交渉の成功が極めて重要である。


環境への人口圧力

 人口学的配慮と環境政策の統合により地球の受容能力に対する人口増加の挑戦に取り組むことの必要性は優先事項のひとつである。

 急速な人口増加と浪費的な消費パターンを減少させる努力を成功させることは、持続可能な開発を達成するために不可欠である。地球、特に地中海の生態系のように脆弱な地域にとっての”危機的な負荷”を評価すべきである。

 加えて、多国間開発銀行及び基金並びに民間部門の更なるコミットメントが必要である。

来る9月にカイロで開催される人口と開発に関する世界会議でも、全ての環境関連事項についても検討すべきである。


環境経済成長と雇用創出

 環境に関する国際協力は、雇用と福祉を促進する。

 雇用と経済成長の機会は、環境関連インスラストラクチャーへの投資、エネルギー効率の改善、革新的な情報伝達・運輸ネットワーク、汚染地域の浄化への投資と関連する。

 更に、環境と雇用にとっての二重の利点(あるいは”二重配当”)は、課税対象を労働から天然資源に移すという税制改正により実現できる。


持続可能な開発の財政

 単なる財政的コミットメントを環境上の目標を統合する政策の組み合わせに部分的に代替する必要性について見解がまとまりつつある。

 下記によりアジェンダ21の実施は、更に効果的になされるであろう。

先進国及び開発途上国における、環境を損なっている既存の膨大な補助金を削減する
他の税を削減することにより税収中立を確保しつつ環境税導入を拡大する
取引可能な排出許可、負債-自然スワップ等の市場原理に基づく手法の利用

 既存の援助政策の管理に関し、環境志向及び多国間援助機関の強化が支持された。現に、多国間開発銀行の貸付プログラムは、開発途上国の持続可能な開発の目標を達成する上で極めて重要である。


貿易と環境

 健全な環境政策と健全な貿易政策は相互支持的である。

 環境規制は貿易に有害ではない。事実は、貿易自由化による利益を確保するためには、環境コストを価格体系に内部化する環境規制は不可欠である。

 他方、汚染防止の鍵である環境資源をより有効に利用する限り、貿易の拡大は本来環境に有害ではない。

 来年4月のマラケシュの閣僚会議でGATTから誕生するであろう新たな世界貿易機関に常設の貿易と環境委員会を設置することが愁眉の急である。この委員会は明確な作業計画を備えたマンデートを持つべきである。

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