COP6へのメッセージ


平成12年11月14日
内閣総理大臣 森  喜 朗


  気候変動枠組条約の第6回締約国会議(COP6)が、オランダのハーグで始まりました。この会議は、約3年前に我が国が議長国として京都で採択された京都議定書の主要なルールを定める重要な会議であり、その成否に京都議定書が実質的にスタートできるかどうかがかかっています。

  わが国としては、地球温暖化を防止するために大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させるという目的を達成するために、京都議定書を「リオ+10」の年である2002年までに発効させるべきであると考えており、COP6の成功は、現代の世代のみならず、将来の世代に対する我々指導者の責務であると考えております。

  私は、このような立場から、既にいくつかの国の首脳に対し、COP6への柔軟な対応とその成功への協力を求める手紙を発出いたしました。

  わが国は、これまで世界に先駆けて「地球温暖化防止対策推進法」の制定や「省エネルギー法」の改正などを通じ、積極的に地球温暖化問題に取り組んできております。また、途上国への支援についても力を注いできております。わが国は今後とも、これらの実績を踏まえ、積極的に対策を進める所存です。

  COP6を成功させるためには、参加各国が互譲の精神を持ち、まずは、交渉を合意に導き、議定書を実質的にスタートさせることが肝要です。わが国も合意に向け積極的に貢献していく所存であり、各国首脳におかれても特段のイニシアティブを発揮されることを強く呼びかけます。