不公平な地球温暖化の影響
● 世界のCO2排出量比較
この図は、温室効果ガスの6割以上を占めるCO2の排出量を、国・地域別に比較したものです。CO2の多くは、先進諸国から排出されています。これは主に化石燃料の使用によるものであり、次いでセメント生産、また熱帯での森林伐採などもCO2排出の原因となっています。
● 海面上昇に対して脆弱な地域
沿岸域の低地には、多くの人間が居住しており、また動植物にとっても重要な場所です。しかし、同時に地球温暖化による海面上昇や気候変動に対して、非常に脆弱な場所でもあります。物理的影響としては、低地や湿地の水没、海岸侵食、淡水帯水層への塩水の進入などがあります。自然生態系への影響としては、湿地や干潟、マングローブ、サンゴ礁など、生物の生息地として重要な環境が、水没するなどします。このような影響は、対応策を講じることが物理的、技術的、資金的に難しい開発途上国において、特に深刻な問題となります。例えば、モルジブやツバルなどの小島嶼国においては、温室効果ガスをほとんど排出していないにもかかわらず1mの海面上昇が今後100年の間に起きた場合、GNPの14%にも上る対策費用が必要になると推計されています。