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日本への影響その5

人の健康
地球温暖化により死亡率や
伝染病危険地域が増加する


 地球温暖化により、夏季に気温が高くなる頻度と期間が増加すると、熱射病などの発生率や死亡率が増加するおそれがあります。日平均気温が27oC、日最高気温が32oCを超えると、熱射病などの患者数が急激に増加します。また、特に高齢者の死亡率が増加することも分かっています。
 最近の調査結果では、死亡率の高い熱帯熱マラリアが、従来からいわれていたよりも低い気温(最低月平均気温13oC)でも流行すると考えられています。、最悪の場合、2100年には中国北部、韓国、西日本一帯までが流行危険地域に入る可能性があります。その他、デング熱などの北上も予想されています。


  日最高気温と65歳以上の死亡率の関係  

 日本の死亡率は従来冬に高く夏に低いとみられていましたが、1972〜90年の19年間の人口動態統計と気象の記録とを比較すると、65歳以上の男性については、日最高気温が33oC以上になると死亡率が上昇することがわかりました。

 

  マラリア影響地域の拡大  

 地球温暖化により、地球全体のマラリアの流行可能地域が10〜30%、流行危険地域の居住人口が約5億人増加します。アジアでは中国南部、インドなどの現在の流行地域の周辺でリスクが高まると予測されています。
 冬季の気温が3〜5oC上昇すると、マラリアを媒介するハマダラカの生息域が拡大し、日本でも亜熱帯気候地域を中心として深刻な状況が生じるおそれがあります。


  上図拡大表示(gif:88kB)