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日本への影響その1

水資源
ますます深刻となる水不足や水害


 日本は雨の多い国ですが、地形が急峻で河川が短いため、必ずしも充分に水資源を使えるわけではありません。季節的・地域的な差もかなりあります。温暖化すると、降雪が雨になったり、融雪が早まったりするため、河川流量が1〜3月には増加し、4〜6月には減少します。このため、農業用水、都市用水などの水不足のおそれが高まると考えられます。また、現在雨の多いところはさらに多く、少ない所はさらに少なくなり、水害や渇水などの発生する危険性が増加します。


 渇水影響マップ 

 日本では1965年頃から雨の少ない年が増え始めました。夏の気温が平年よりも2.1oC高かった1994年や、0.7oC高かった1995年の猛暑の夏に、全国的な渇水に悩まされたことは記憶に新しいと思います。1977〜1995年までの19年間に、ほとんどの地域で渇水が発生しています。地球温暖化により、このような渇水や、逆に集中豪雨などの危険性が増大することが予想されます。

 世界的淡水供給の脆弱性 

 地球上には約14億km3の水が存在しますが、淡水はその3%しかありません。しかもその大部分は極地の氷ですから、人間が利用可能な量はごくわずかです。その水資源は現在でも地域的に多寡がありますが、地球温暖化により気候が変動すると、乾燥地ではさらに干ばつが進み、雨の多い地域では洪水が増加 するなどのために、水需給のバランスが崩れ、水資源の格差が世界的に拡大するおそれがあります。水資源の変動は、人の生存そのものはもとより農業などにも大きな影響を及ぼすため、食糧の多くを輸入に依存している日本にとっては重要な問題です。