気候変動に関する国際連合枠組条約京都議定書(和文)

−環境庁地球温暖化対策研究会暫定訳−

 注)これは、環境庁地球温暖化対策研究会暫定訳であり、日本国政府の公的な翻訳とは何ら関係ない。

 

 この議定書の締約国は、気候変動に関する国際連合枠組条約(以下「条約」という。)の締約国として、条約第2条に規定する条約の究極的な目的を追求し、条約の規定を想起し、条約第3条の規定を指針とし、条約の締約国会議の決定1/CP.1により採択されたベルリンマンデートに従い、次のとおり協定した。

 

第1条

この議定書の適用上、条約第1条の定義を適用する。これに加え、

1.「締約国会議」とは、条約の締約国会議をいう。

2.「条約」とは、1992年5月9日にニューヨークで採択された気候変動に関する国際連合枠組条約をいう。

3.「気候変動に関する政府間会合」とは、1988年に世界気象機関及び国際連合環境計画により共同で設置された気候変動に関する政府間会合をいう。

4.「モントリオール議定書」とは、1987年9月16日に採択され、その後、調整され及び改正されたオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書をいう。

5.「出席しかつ投票する締約国」とは、出席しかつ賛成票又は反対票を投ずる締約国をいう。

6.「締約国」とは、文脈により別に解釈される場合を除くほか、この議定書の締約国をいう。

7.「附属書Tの締約国」とは、その後改正されたものも含め、条約の附属書Tに掲げる締約国又は条約第4条2(g)の規定に従って通報した締約国をいう。

第2条

1.附属書Tの締約国は、第3条に規定する数量的な排出抑制及び削減の約束の履行に当たり、持続可能な開発を促進するために、次のことを行う。

 (a) 各国の事情に応じて、政策及び措置(例えば、次に掲げるもの)を実施し又は策定しなければならない。

  (i) 自国の経済の関連部門におけるエネルギー効率の向上

  (ii)関連する国際的な環境協定に基づく約束を考慮した温室効果ガス(モントリオール議定書によって規制されているものを除く。)の吸収源及び貯蔵庫の保護及び強化並びに持続可能な森林管理慣行、植林及び再植林の促進

  (iii) 気候変動を考慮した持続可能な形態の農業の促進

  (iv)新エネルギー及び再生可能エネルギー、二酸化炭素固定技術並びに高度で革新的な環境上適正な技術の研究並びに促進、開発及び利用の増進

  (v) 条約の目的に反するすべての温室効果ガス排出部門における市場の不完全性、財政的インセンティブ、免税及び補助金の段階的な縮小及び撤廃並びに市場的手法の適用

  (vi)温室効果ガス(モントリオール議定書によって規制されているものを除く。)の排出を抑制し又は削減する政策及び措置の促進を目的とする関連部門における適当な改革の奨励

  (vii) 運輸部門における温室効果ガス(モントリオール議定書によって規制されているものを除く。)の排出を抑制し又は削減する措置

  (viii)廃棄物の管理並びにエネルギーの生産、輸送及び分配の際の回収及び再利用によるメタンの排出の抑制又は削減

(b) 条約第4条2(e)(i)の規定に基づき、この条の規定により採用された政策及び措置の単独の効果及び複合的な効果を高めるために、他の附属書Iの締約国と協力すること。このため、これらの締約国は、そのような政策及び措置の経験を共有し及び情報を交換するための措置をとらなければならない。この措置には、比較可能性、透明性及び効果を改善する方法の開発を含む。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、第1回会合において又はその後できる限り速やかに、すべての関連する情報に考慮を払いつつ、そのような協力を促進する方法を検討しなければならない。

2.附属書Tの締約国は、国際民間航空機関及び国際海事機関を通じて作業を行い、それぞれ、航空機燃料及びバンカー油から排出される温室効果ガス(モントリオール議定書によって規制されているものを除く。)の抑制又は削減を検討しなければならない。

3.附属書Tの締約国は、条約第3条の規定に考慮を払いつつ、気候変動の悪影響、国際貿易への影響並びに他の締約国(特に開発途上締約国及びとりわけ条約第4条8及び9の締約国)に対する社会上、環境上及び経済上の影響その他の悪影響を最小限にするような方法で、この条の規定に基づく政策及び措置を講じるよう努めなければならない。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、この3の規定の実施を促進するために、適当な場合には、さらなる行動をとることができる。

4.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、各国の異なる事情及び潜在的な影響を考慮に入れつつ、1(a) に規定する政策及び措置を調整することが有益であると決定した場合には、その政策及び措置の調整を更に詳細に詰めるための方法と手段を検討しなければならない。

第3条

1.附属書Tの締約国は、2008年から2012年までの約束期間において、附属書Iの締約国全体の排出量を1990年の水準から少なくとも5パーセント削減することを念頭において、個別に又は共同で、附属書Aに掲げる温室効果ガスの人為的な排出量(二酸化炭素換算量)の合計が、附属書Bに定める数量的な排出抑制及び削減の約束に基づいて計算された割当量を超えないことを確保しなければならない。

2.附属書Tの締約国は、2005年までに、この議定書に基づく約束の達成に当たって、明らかな進捗を実現していなければならない。

3.各約束期間において検証できるような炭素貯蔵量の変化として測定された、1990年以降の植林、再植林及び森林の減少に限り、直接的かつ人為的な土地利用変化及び林業活動から生ずる温室効果ガスの発生源による排出及び吸収源による除去の純変化は、附属書Tの締約国のこの条の規定に基づく約束の履行のために用いられなければならない。これらの活動に関連する温室効果ガスの発生源による排出及び吸収源による除去は、透明かつ検証可能な方法で報告され、条約第7条及び第8条の規定に従って検討されなければならない。

4.附属書Tの締約国は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議の第1回会合の時までに、科学上及び技術上の助言に関する補助機関による検討のために、1990年の炭素貯蔵量の水準を確定し、及びそれ以降の年の炭素貯蔵量の変化を推測できるようにするためのデータを提供しなければならない。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、その第1回会合において又はその後できる限り速やかに、不確実性、報告の透明性、検証可能性、気候変動に関する政府間会合が行う方法論についての作業並びに第5条の規定及び締約国会議の決定に基づき科学的及び技術的助言に関する補助機関が行う助言に考慮を払いつつ、農業土壌、土地利用変化及び林業分野における温室効 果ガスの発生源による排出及び吸収源による除去の変化に関連する追加的な人為的活動のうち、附属書Tの締約国の割当量に加え、又は割当量から差し引くべき活動の種類及び方法に関する仕組み、規則及び指針を決定しなければなら ない。この決定は、第2期の約束期間又はそれ以降の約束期間に適用されるものとする。締約国は、その活動が1990年以降に行われる場合には、これらの追加的な人為的活動に係る決定を、第1期の約束期間に適用することを選択することができる。

5.市場経済への移行の過程にある附属書Tの締約国であって、締約国会議の第2回会合における決定9/CP.2によって基準年又は基準間が定められているものは、この条の規定に基づく約束の履行に当たって、当該基準年又は基準期間を用いなければならない。その他の市場経済への移行の過程にある附属書Tの締約国であって、条約第12条の規定により最初の情報を送付していない国は、この条の規定に基づく約束を履行するために、1990年以外の過去の基準年又は 基準期間を用いる旨を、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議に通告することができる。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、この通告の受諾について決定しなければならない。

6.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、条約第4条6の規定に考慮を払いつつ、市場経済への移行の過程にある附属書Tの締約国によるこの条の規定に基づく約束以外のこの議定書に基づく約束の履行については、ある程度の弾力的適用を認めることとする。

7.2008年から2012年までの最初の数量的な排出抑制及び削減の約束期間における附属書Tの締約国の割当量は、1990年又は5の規定に従って決定される基準年又は基準期間における附属書Aに掲げる温室効果ガスの人為的な排出量(二酸化炭素換算量)の合計のうち、当該締約国につき附属書Bで定める割合に相当する量に、5を乗じて得た量に相当するものとする。附属書Tの締約国であって、1990年の土地利用変化及び林業が温室効果ガスの純発生源となるものは、その国の割当量を計算するために、1990年の排出の基準年又は基準期間に、1990年の土地利用変化からの人為的な発生源による排出量(二酸化炭素換算量)から吸収源による除去量を差し引いたものを含めなければならない。

8.附属書Tの締約国は、7の規定による計算のために、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン及び六弗化硫黄に係る基準年を1995年とすることができる。

9.附属書Tの締約国の次の期間における約束は、第21条7の規定に従って採択されるこの議定書の附属書Bの改正によって設定する。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、1に規定する第1期の約束期間の終期の7年前までに、この約束に関する検討を始めなければならない。

10.締約国が第6条又は第17条の規定に従って他の締約国から獲得した排出削減単位又は割当量の一部は、これを獲得した締約国の割当量に加えなければならない。

11.締約国が第6条又は第17条の規定に従って他の締約国に移転した排出削減単位又は割当量の一部は、これを移転した締約国の割当量から差し引かなければならない。

12.締約国が第12条の規定により他の締約国から獲得した認証排出削減量は、これを獲得した締約国の割当量に加えなければならない。

13.附属書Tの締約国の約束期間における排出量が、この条の規定による割当量を下回る場合には、当該締約国の求めにより、その差に相当する量を次の約束期間の割当量に加えることができる。

14.附属書Tの締約国は、開発途上締約国(特に条約第4条8及び9に規定する開発途上締約国)に及ぼす社会上、環境上及び経済上の悪影響を最小化するような方法で、1の規定に基づく約束を履行するよう努めなければならない。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、第1回会合において、これらの規定の実施に関する締約国会議の関連する決定に従って、これらの規定で定める締約国に及ぼす気候変動の悪影響又は対応措置の影響を最小化するために、どのような行動が必要であるかについて検討しなければならない。この検討の対象には、基金の設置、保険及び技術移転が含まれる。

第4条

1.前条の規定に基づく約束を共同で履行することについて合意に達した附属書Tの締約国は、附属書Aに掲げる温室効果ガスの人為的な排出量(二酸化炭素換算量)の合計を合算した量が、附属書Bに掲げる数量的な排出抑制及び削減の約束に基づき及び第3条の規定により計算した割当量を超えない場合には、その約束を達成したものとみなされる。この合意の当事国であるそれぞれの締約国に割り当てられる排出量の水準は、当該合意において示されなければならない。

2.この合意の当事国である締約国は、この議定書の批准書、承諾書、承認書又は加入書の寄託の日に、その合意の内容を事務局に通告しなければならない。事務局は、条約の締約国及び署名国に対し、この合意の内容を通報しなければならない。

3.この合意は、前条7に規定する約束期間の終了までの間は、効力を有する。

4.締約国が、地域的な経済統合のための機関の枠組により、及び地域的な経済統合のための機関とともに実施する場合には、この議定書の採択後の当該機関の構成の変更は、この議定書に基づく既存の約束に影響を及ぼさない。当該機関の構成の変更は、その変更後に定める第3条の規定に基づく約束についてのみ適用する。

5.この合意の当事国である締約国が、合算した排出削減の水準を達成できなかった場合には、当該合意の当事国である各締約国は、各締約国につき当該合意で定められた排出量の水準について、責任を有する。

6.締約国が、この議定書の締約国である地域的な経済統合のための機関の枠組により、及び地域的な経済統合のための機関とともに実施する場合で、合算した排出削減の水準を達成できなかったときは、当該機関の構成国は、個別に及び第24条の規定に従って実施する地域的な経済統合のための機関と共同で、この条の規定に従って通告した排出量の水準について、責任を有する。

第5条

1.附属書Tの締約国は、第1期の約束期間が始まる1年前までに、すべての温室効果ガス(モントリオール議定書によって規制されているものを除く。)の発生源による人為的な排出量及び吸収源による除去量を推計するための国内の制度を整備しなければならない。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、第1回会合において、2に規定する方法を含む国内の制度についての指針を決定する。

2.すべての温室効果ガス(モントリオール議定書によって規制されているものを除く。)の発生源による人為的な排出量及び吸収源による除去量を推計するための方法は、気候変動に関する政府間会合が承認し、及び条約の締約国会議が第3回会合において合意したものとする。この方法が用いられない場合には、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議が第1回会合において合意する方法に従って、適正な調整を加えなければならない。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、特に気候変動に関する政府間会合の成果並びに科学上及び技術上の助言に関する補助機関が行う助言に基づき、条約の締約国会議が行う関連する決定に十分に考慮を払いつつ、当該方法及び調整 を定期的に検討し、適当な場合には改正するものとする。方法又は調整の改正は、その改正後に採択される第3条の規定に基づく約束の履行を確保するためにのみ用いるものとする。

3.附属書Aに掲げるすべての温室効果ガスの発生源による人為的な排出量及び吸収源による除去量の二酸化炭素換算量を計算するために用いる地球温暖化係数は、気候変動に関する政府間会合が承認し、及び条約の締約国会議が第3回会合において合意したものとする。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、特に気候変動に関する政府間会合の成果並びに科学上及び技術上の助言に関する補助機関が行う助言に基づき、条約の締約国会議が行う関連 する決定に十分に考慮を払いつつ、それぞれの温室効果ガスに係る地球温暖化係数を定期的に検討し、適当な場合には改正するものとする。地球温暖化係数の改正は、その改正後に採択される第3条の規定に基づく約束の履行を確保するためにのみ用いるものとする。

第6条

1.第3条の規定に基づく約束を履行するため、附属書Tの締約国は、他の附属書Tの締約国から、あらゆる経済部門における温室効果ガスの発生源による人為的な排出の削減又は吸収源による人為的な吸収の強化を目的とする事業から生じる排出削減単位を、移転し又は獲得することができる。ただし、次の要件を満たすことを条件とする。

 (a) かかる事業について、関係締約国の承認を得ていること。

 (b) かかる事業が、当該事業が行われない場合に対して、追加的な、発生源による排出の削減又は吸収源による吸収の強化をもたらすこと。

 (c) 第5条及び第7条の規定に基づく義務を遵守していない場合には、排出削減単位を獲得しないこと。

 (d) 排出削減単位の獲得が、第3条の規定に基づく約束を履行するための国内の措置に対して補完的なものであること。

2.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、第1回会合において又はその後できる限り速やかに、検証及び報告のためのものを含め、この条の規定を実施するために必要な指針を策定することができる。

3.附属書Tの締約国は、その責任により、この条の規定に基づく排出削減量の発生、移転又は獲得につながる活動への法的主体の参加を認めることができる。

4.第8条の関連する規定に従って、附属書Tの締約国によるこの条に規定する条件の実施についての疑義が提起された場合であっても、当該疑義が提起された後も、引き続き、排出削減単位の移転及び獲得を行うことができる。ただし、遵守の問題が解決するまでは、いかなる締約国も、第3条の規定に基づく約束の履行のためにこの排出削減単位を用いてはならないことを条件とする。

第7条

1.附属書Tの締約国は、条約の締約国会議の関連する決定に従って提出する、すべての温室効果ガス(モントリオール議定書によって規制されているものを除く。)の発生源による人為的な排出及び吸収源による除去に関する毎年の目録に、4の規定により決定される第3条の遵守を確保するために必要な補足的な情報を含めなければならない。

2.附属書Tの締約国は、条約第12条の規定に従って提出する自国の情報に、4の規定により決定されるこの議定書に基づく約束の遵守を明らかにするたに必要な補足的な情報を含めなければならない。

3.附属書Tの締約国は、自国に対してこの議定書が効力を生じた後に求められる最初の目録とともに、及びそれ以降は毎年、1の規定により求められる情報を提出しなければならない。附属書Iの締約国は、自国に対してこの議定書が効力を発生し、及び4の規定で定める指針が採択された後に求められる最初の自国の情報の送付の一部として、2の規定により求められる情報を提出しなければならない。この条の規定により求められる情報の提出のその後の頻度は、締約国会議が決定する各国の情報の提出に関する日程を考慮しつつ、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議が決定する。

4.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、締約国会議が採択する附属書Tの締約国による各国の情報の準備のための指針に考慮を払いつつ、第1回会合において、この条の規定により求められる情報の準備のための指針を採択し、その後、定期的に見直さなければならない。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、第1期の約束期間の前に、割当量の計算の方法を決定しなければならない。

第8条

1.前条の規定に従って附属書Tの締約国が提出する情報は、関連する締約国会議の決定に基づき、及びこの議定書の締約国の会合として機能する締約国会議が4の規定に従って採択する指針に従い、専門家による検討チームが検討する。附属書Tの締約国が前条1の規定に従って提出した情報は、排出の目録及び割当量の毎年の編集及び計算の一部として検討する。また、附属書Tの締約国が前条2の規定に従って提出した情報は、情報の送付の検討の一部として検討する。

2.専門家による検討チームは、事務局が調整し及び締約国会議がこの目的のために条約の締約国会議が採択する指針に従い、条約の締約国及び適当な場合には政府間機関が指名する者の中から選ばれる者によって構成する。

3.この検討は、締約国によるこの議定書の実施のすべての側面について、完全かつ包括的に技術的な評価を行うものとする。専門家による検討チームは、締約国の約束の実施を評価し及び約束の履行における潜在的な問題及び約束の履行に影響を与える要因を評価して、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議に報告を提出する。事務局は、この報告をすべての条約の締約国に送付する。事務局は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議が更に検討を行うために、この報告が示唆する実施に関する疑義を提示する。

4.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、締約国会議の関連する決定に考慮を払いつつ、専門家による検討チームが行うこの議定書の実施に関する検討のための指針を、第1回会合において採択し、その後は定期的に検討する。

5.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、実施に関する補助機関及び適切な場合には科学上及び技術上の助言に関する補助機関の支援を得て、次の事項を検討する。

 (a) 第7条の規定に従って締約国が送付する情報及びこの条の規定に従って専門家による検討チームが作成する報告書

 (b) 締約国が提起し、及び3の規定に従って事務局が提示する実施に関する疑義

6.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、5の規定による情報の検討に基づき、この議定書の実施のために必要な事項について決定するものとする。

第9条

1.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、気候変動及びその影響に関する利用可能な最善の科学上の情報及び評価並びに関連する技術上、社会上及び経済上の情報に照らして、この議定書を定期的に検討する。この検討は、条約に基づく関連する検討、特に条約第4条2(d) 及び第7条2(a) の規定により求められる検討と調整される。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、この検討に基づき、適当な措置をとる。

2.第1回目の検討は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議の第2回会合において行う。その後の検討は、一定の間隔で、かつ適当な時期に行う。

第10条

 締約国は、それぞれ共通に有しているが差異のある責任並びに各国及び地域に特有の開発の優先順位並びに各国特有の目的及び事情を考慮し、非附属書Tの締約国についていかなる新たな約束も導入しないが、条約第4条の規定に基づく既存の約束を再確認し、並びに持続可能な開発を達成するためにその約束の履行の促進を継続し、条約第4条3、5及び7の規定を考慮して、次のことを行う。

 (a)すべての温室効果ガス(モントリオール議定書によって規制されているものを除く。)について、発生源による人為的な排出及び吸収源による除去に関する自国の目録を準備し及び定期的に更新するために、適当な場合に、かつ、可能な範囲において、締約国会議が定める比較可能な方法を用い、及び締約国会議が採択する自国の情報の送付の準備のための指針に従って、締約国の社会経済的状況を反映する、地域の排出係数、活動データ又はモデルの質を改善するための費用対効果の大きい自国の(適当な場合には地域の)計画を作成すること。

 (b) 気候変動を緩和するための措置及び気候変動への適応を容易にするための措置を含む自国の(適当な場合には地域の)計画を作成し、実施し、公表し及び定期的に更新すること。

  (i) これらの計画は、特に、エネルギー、運輸及び産業分野並びに農業、森林及び廃棄物の管理に関するものとする。さらに、土地利用計画の改善のための適応の技術及び方法は、気候変動に対する適応を改善するものとする。

  (ii)附属書Tの締約国は、第7条の規定に従い、自国の計画等この議定書に基づき講じる措置に関する情報を提出しなければならない。他の締約国は、適当な場合には、温室効果ガスの排出の増加の逓減及び吸収源による除去の強化並びに能力の向上及び適応措置等当該締約国が気候変動及びその悪影響に対処することに寄与すると認める措置を含む計画に関する情報を、自国の情報の送付に含めるよう努めなければならない。

 (c) 気候変動に関連する環境上適正な技術、知見、慣行及び工程を開発し、利用し及び普及するための効果的な方法の推進について協力するとともに、適当な場合には、特に途上国に対してこれらを移転し又は取得する機会の提供を促進し、容易にし、及び資金を供与するため、実施可能なすべての措置をとること。この措置には、環境上適正な技術を促進し、その移転及び取得の機会を強化するために、公的に所有され、又は公共部門に帰属する環境上適切な技術の効果的な移転のための政策及び計画を作成すること並びに民間部門の対応を可能にする環境を創設することが含まれる。

 (d) 科学的及び技術的研究について協力し、気候変動とその悪影響及び種々の対応戦略による社会上及び経済上の結果に関連する不確実性を軽減するための、組織的観測の維持及び開発を促進し、並びに資料の保管所を設立し、並びに条約第5条の規定を勘案して、研究及び組織的観測に関する国際的及び政府間の努力、計画及び協力網に参加する各国の能力の開発及び強化を推進すること。

 (e) 国際的なレベルで、適当な場合には既存の団体を活用しつつ、国家の能力、特に人材及び組織の能力の向上の強化、及び特に開発途上国のためのこの分野での専門家を養成するための人的交流又は派遣等教育訓練事業の計画の作成及び実施について協力し、及びその促進を図るとともに、自国において、気候変動に関する国民の意識を啓発し及び気候変動に関する情報の公開を促進すること。条約第6条の規定に考慮を払いつつ、条約の関連機関を通じて、これらの活動を実施するために、適切な方法が開発されなければならない。

 (f)締約国会議の関連する決定に従って、この条の規定に従って講じる計画及び活動に関する情報を、自国の国別報告書に含めること。

 (g) この条の規定に基づく約束の実施に当たり、条約第4条8の規定に、できる限り考慮を払うこと。

第11条

1.締約国は、前条の規定の実施に当たり、条約第4条4、5、7、8及び9の規定に考慮を払わなければならない。

2.条約の附属書Uに掲げる先進締約国は、条約第4条の規定の実施に関し、条約第4条3及び第11条の規定に従って、並びに条約の資金供与の制度の運営を委託された組織を通じて、次のことを行う。

 (a) 開発途上締約国が第10条(a) の規定の対象とされている条約第4条1(a)の規定に基づく既存の約束の履行を促進するために負担するすべての合意された費用に充てるため、新規のかつ追加的な資金を供与すること。

 (b) また、前条の規定の対象とされている条約第4条1の規定に基づく既存の約束の履行を促進するための措置であって、開発途上締約国と条約第11条に規定する国際的組織との間で合意するものを実施するためのすべての合意された増加費用を負担するために開発途上締約国が必要とする新規のかつ追加的な資金(技術移転のためのものを含む。)を同条の規定に従って供与すること。

 これらの既存の約束の履行に当たっては、資金の流れの妥当性及び予測可能性が必要であること、並びに先進締約国間の適当な責任分担が重要であることについて考慮を払う。締約国会議の関連する決定で定める条約の資金供与の制度の運営を委託された組織に対する指導(この議定書の採択の前に合意されたものを含む。)は、この2の規定に準用する。

3.条約の附属書Uに掲げる先進締約国は、また、二国間の及び地域的その他の多数国間の経路を通じて、第10条の実施のための資金を供与することができるものとし、開発途上締約国は、これを利用することができる。

第12条

1.クリーン開発メカニズムについて、ここに定める。

2.クリーン開発メカニズムの目的は、非附属書Tの締約国が持続可能な開発を達成し、及び条約の究極の目的に貢献することを支援し、並びに附属書Tの締約国が第3条の規定に基づく数量的な排出抑制及び削減の約束の遵守を達成することを支援することとする。

3.クリーン開発メカニズムの下で、

 (a) 非附属書Tの締約国は、認証された排出削減量をもたらす事業活動から利益を得る。

 (b) 附属書Tの締約国は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議の決定に従い、第3条の規定に基づく数量的な排出抑制及び削減の約束の一部の履行に寄与するため、事業活動から生ずる認証排出削減量を利用することができる。

4.クリーン開発メカニズムは、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議の権威と指導に従い、及びクリーン開発メカニズムの執行委員会によって監督される。

5.各事業活動から生ずる排出削減量は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議が指定する運営組織が、次の原則に基づいて認証する。

 (a) 関係締約国によって承認された自主的な参加

 (b) 気候変動の緩和に関連する実質的で、測定可能な、長期的な利益

 (c) 認証された事業活動がない場合に生じる削減に対し、追加的な排出削減

6.クリーン開発メカニズムは、必要に応じ、認証事業活動の資金の準備を支援する。

7.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、第1回会合において、事業活動に対する独立した監査及び検証を通じて透明性、効率性及び責任を確保するために、方法及び手続を策定しなければならない。

8.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、認証事業活動の利益の一部が、運営費用を賄うとともに、気候変動の悪影響に対して、特に脆弱な開発途上締約国が適応の費用を支払うことへの支援に用いられることを確保しなければならない。

9.3(a)の規定による活動及び認証排出削減量の獲得を含むクリーン開発メカニズムへの参加は、民間又は公的主体を含むことができ、クリーン開発メカニズムの執行委員会が与えるすべての指導に従わなければならない。

10.2000年から第1期の約束期間が始まるまでの期間に得られた認証排出削減量は、第1期の約束期間における遵守の達成を支援するために用いることができる。

第13条

1.条約の最高機関である締約国会議は、この議定書の締約国の会合として機能する。

2.この議定書の締約国でない条約の締約国は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議のいずれの会合の議事にもオブザーバーとして参加できる。締約国会議がこの議定書の締約国の会合として機能するときは、この議定書に基づく決定は、この議定書の締約国のみによってなされなければならない。

3.締約国会議がこの議定書の締約国の会合として機能する場合は、締約国会議のビューローの構成員であって、その時点においてこの議定書の締約国でない 条約の締約国を代表するものは、この議定書の締約国により、及びこの議定書の締約国の中から選ばれる追加的な構成員によって代えられなければならない。

4.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、この議定書の実施状況を定期的に検討するものとし、その権限の範囲内で、この議定書の効果的な実施を促進するために必要な決定を行う。このため、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、付与された任務を遂行するとともに、次のことを行う。

 (a) この議定書により得られるすべての情報に基づき、この議定書の締約国による実施の状況、この議定書により採用された対策の全体としての効果、特に環境上、経済上及び社会上の効果並びに対策の累積的な影響並びに条約の目的の達成に向けた進展の程度を評価すること。

 (b) 条約の目的、その実施により得られた経験並びに科学的及び技術的知見の進展に照らして、条約第4条2(d) 及び第7条2の規定により求められる検討を考慮しつつ、この議定書に基づく締約国の義務を定期的に点検するとともに、この観点からこの議定書の実施に関する定期的報告を検討し及び採択すること。

 (c) 締約国の様々な事情、責任及び能力並びにこの議定書に基づくそれぞれの締約国の約束に考慮を払いつつ、気候変動及びその影響に対処するために締約国が採用する措置に関する情報の交換を推進し及び助長すること。

 (d) 二以上の締約国の要請に応じ、締約国の様々な事情、責任及び能力並びにこの議定書に基づくそれぞれの締約国の約束に考慮を払いつつ、気候変動及びその影響に対処するためにそれらの締約国が採用する措置の調整を促進すること。

 (e) 条約の目的とこの議定書の規定に従い、締約国会議による関連する決定に十分に考慮を払いつつ、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議が合意するこの議定書の効果的な実施のための比較可能な方法の開発と定期的な改良を推進し及び指導すること。

 (f) この議定書の実施のために必要な事項に関して勧告すること。

 (g) 第11条2の規定に従い、追加的な資金供給がなされるよう努めること。

 (h) この議定書の実施のために必要と考えられる補助的な機関を設けること。

 (i) 適当な場合には、適切な国際機関並びに政府間及び非政府の組織により提供されるサービス、協力及び情報を求め及び利用すること。

 (j) この議定書の実施のために求められる任務を果たし、及び締約国会議の決定により生じる課題を検討すること。

5.締約国会議の手続規則及び条約に基づいて適用される財政手続は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議がコンセンサスにより決定する場合を除くほか、この議定書について準用する。

6.事務局は、この議定書の効力発生の日の後に予定される最初の締約国会議の会合と併せて、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議の第1回 会合を招集する。この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議のその後の通常の会合は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議が別段の決定を行わない限り、毎年、締約国会議の通常の会合と併せて開催する。

7.この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議の特別の会合は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議が必要と認めるとき又はいずれかの締約国から書面による要請があり、事務局がその要請を締約国に通報した後6箇月以内に締約国の少なくとも三分の一がその要請を支持するときに開催する。

8.国際連合、その専門機関、国際原子力機関及びこれらの国際機関の加盟国又はオブザーバーであってこの条約の締約国でないものは、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議の会合にオブザーバーとして出席することが できる。国内若しくは国際の又は政府若しくは民間のもののいずれであるかを 問わず、この議定書の対象とされている事項について認定された団体又は機関 であって、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議にオブザーバーとして出席することを希望する旨事務局に通知したものは、当該会合に出席している締約国の三分の一以上が反対しない限り、オブザーバーとして出席することを認められる。オブザーバーの取扱い及び参加については、5の規定による手続規則に従わなければならない。

第14条

1.条約第8条の規定に基づき設置された事務局は、この議定書の事務局として機能する。

2.事務局の任務に関する条約第8条2の規定及び事務局の任務の遂行のための措置に関する条約第8条3項の規定は、この議定書に準用する。事務局は、また、この議定書で定める任務を遂行する。

第15条

1.条約第9条及び第10条の規定に従って設置された科学上及び技術上の助言に関する補助機関及び実施に関する補助機関は、それぞれ、この議定書の科学上及び技術上の助言に関する補助機関及び実施に関する補助機関として機能する。条約に基づくこれらの機関の機能に関する規定は、この議定書に準用する。この議定書の科学上及び技術上の助言に関する補助機関及び実施に関する補助機関の会合は、それぞれ、条約の科学上及び技術上の助言に関する補助機関及び実施に関する補助機関と併せて開催する。

2.議定書の締約国でない条約の締約国は、補助機関のどの会合の議事についてもオブザーバーとして参加することができる。補助機関が、この議定書の補助機関として機能する場合、この議定書に基づく決定は、この議定書の締約国のみによってなされなければならない。

3.補助機関が、この議定書に関係した事項についての機能を行う場合は、その補助機関のビューローの構成員であって、その時点においてこの議定書の締約国でない条約の締約国を代表するものは、この議定書の締約国により、及びこの議定書の中から選ばれる追加的な構成員によって代えられなければならない。

第16条

この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議は、できる限り速やかに、条約の締約国会議が採択する関連する決定に照らし、条約第13条で規定する多数国間の協議手続のこの議定書への適用及び適切な改正を検討しなければならない。この議定書に適用される多数国間の協議手続は、第18条の規定に従って設けられる手続と仕組みに影響を及ぼさないように実施されなければならない。

第17条

締約国会議は、排出量取引に関連する原則、方法、規則及び指針(特に検証、報告及び責任に関するもの)を定める。附属書Bに掲げる締約国は、第3条の規定に基づく約束を履行するために、排出量取引に参加することができる。いかなるこうした取引も、当該規定に基づく数量的な排出抑制及び削減に関する約束を履行するための国内的な行動に対して補完的なものでなければならない。

第18条

この議定書の締約国の会合として開催する締約国会議は、第1回会合において、不履行の原因、種類、程度及び頻度を考慮しつつ、結果の示唆的なリストの作成によることを含め、この議定書の規定に係る不履行の事例を決定し及び取り扱うための適当かつ効果的な手続及び仕組みを承認しなければならない。この条の規定に基づく拘束力のある結論を伴う手続及び仕組みは、この議定書の改正によって採択しなければならない。

第19条

紛争の解決に関する条約第14条の規定は、必要な変更を加えて、この議定書に適用する。

第20条

1.締約国は、この議定書の改正を提案することができる。

2.この議定書の改正は、この議定書の締約国の会合として開催する締約国会議の通常の会合において採択する。この議定書の改正案は、その採択が提案され る会合の少なくとも6箇月前に、事務局が締約国に通報する。事務局は、また、改正案を条約の締約国及び署名国並びに参考のために寄託者に通報する。

3.締約国は、議定書の改正案につき、コンセンサス方式により合意に達するようあらゆる努力を払う。コンセンサスのためのあらゆる努力にも拘わらず合意 に達しない場合には、議定書の改正案は、最後の手段として、当該会合に出席 しかつ投票する締約国の四分の三の多数決によって採択する。採択された改正は、事務局が寄託者に通報するものとし、寄託者はすべての締約国に対してその受諾のために送付する。

4.改正の受諾書は、寄託者に寄託する。3の規定に従って採択された改正は、この議定書の締約国の少なくとも四分の三の受諾書を寄託者が受領した日の後 90日目の日に、当該改正を受諾した締約国について効力を生ずる。

5.改正は、他の締約国が当該改正の受託書を寄託者に寄託した日の後90日目の日に当該国について効力を生ずる。

第21条

1.この議定書の附属書は、この議定書の不可欠の一部を成すものとし、「この議定書」というときは、別段の明示の定めがない限り、附属書を含めていうも のとする。この議定書の発効後に採択された附属書は、表、書式その他科学的、技術的、手続的又は事務的な性格を有する説明的な文書に限定される。

2.締約国は、この議定書の附属書を提案し、及びこの議定書の附属書の改正を提案できる。

3.この議定書の附属書及び附属書の改正は、この議定書の締約国の会合として機能する締約国会議の通常の会合において採択される。附属書案及び附属書改 正案文は、その採択が提案される会合の少なくとも6箇月前に、事務局が締約国に通報する。事務局は、附属書案又は附属書の改正案を条約の締約国及び署名国並びに参考のために寄託者に通報する。

4.締約国は、附属書案及び附属書の改正案につき、コンセンサス方式により合意に達するようあらゆる努力を払う。コンセンサスのためのあらゆる努力にも拘わらず合意に達しない場合には、附属書又は附属書の改正は、最後の手段として、当該会合に出席しかつ投票する締約国の四分の三の多数決によって採択される。採択された附属書又は附属書の改正は、事務局が寄託者に通報するものとし、寄託者がすべての締約国に対し受諾のために送付する。

5.3及び4の規定に従って採択された附属書又は附属書A若しくは附属書B以外の附属書の改正は、寄託者がその附属書の採択又は附属書の改正の採択を締約国に通報した日の6箇月後で、その期間内に当該附属書又は附属書の改正を受諾しない旨を書面により通告した締約国を除くほか、この議定書のすべての締約国について効力を生ずる。当該附属書又は附属書の改正は、当該通告を撤回する旨の通告を寄託者が受領した日の後90日目の日に当該通告を撤回した締約国について効力を生ずる。

6.附属書の採択又は附属書の改正がこの議定書の改正を伴うものである場合には、採択された附属書又は改正された附属書は、この議定書の改正が効力を生ずる時まで効力を生じない。

7.この議定書の附属書A及び附属書Bの改正は、いかなる附属書Bの改正も、関係する締約国の書面による同意があってはじめて採択されるという条件で、前条に規定する手続に従い採択され及び効力を生ずる。

第22条

1.各締約国は、2に規定する場合を除くほか、一の投票権を有する。

2.地域的な経済統合のための機関は、その権限の範囲内の事項について、この議定書の締約国であるその構成国の数と同じ数の票を投ずる権利を行使する。当該機関は、その構成国が自国の投票権を行使する場合には、投票権を行使してはならない。その逆の場合も、同様とする。

第23条

国連事務総長は、この議定書の寄託者とする。

第24条

1.この議定書は、署名のために開放され、並びに条約の締約国である国家及び地域的な経済統合のための機関により、批准され、受託され又は承認されなければならない。この議定書は、1998年3月16日から1999年3月15日までニュー ヨークの国際連合本部において署名のために開放しておく。この議定書は、署名のための期間の終了の日の後は、加入のために開放しておく。批准書、受託書、承認書又は加入書は、寄託者に寄託する。

2.この議定書の締約国となる地域的な経済統合のための機関で当該機関のいずれの構成国も締約国となっていないものは、この議定書に基づくすべての義務を負う。当該機関の一又は二以上の構成国がこの議定書の締約国である場合には、当該機関及びその構成国は、この議定書に基づく義務の履行につきそれぞれの責任を決定する。この場合において、当該機関及びその構成国は、この議定書に基づく権利を同時に行使することができない。

3.地域的な経済統合のための機関は、この議定書の規律する事項に関する当該機関の権限の範囲をこの議定書の批准書、受託書、承認書又は加入書において宣言する。当該機関は、また、その権限の範囲の実質的な変更を寄託者に通報し、寄託者は、これを締約国に通報する。

第25条

1.この議定書は、附属書Tの締約国の1990年における二酸化炭素排出総量の少なくとも55パーセントを占める附属書Tの締約国を含む55箇国以上の条約の締約国が批准書、受託書、承認書又は加入書を寄託した日の後90日目の日に効力を生ずる。

2.この条の規定の適用上、「附属書Tの締約国の1990年における二酸化炭素排出総量」とは、この議定書の採択の日又はそれ以前に、条約第12条の規定に従って提出した最初の自国の情報の送付において、附属書Tの締約国が通報した量とする。

3.この議定書は、1に規定する効力発生の要件が満たされた後に、これを批准し、受託し若しくは承認し又は加入する国又は地域的な経済統合のための機関については、批准書、受託書、承認書又は加入書の寄託の後90日目の日に効力を生ずる。

4.地域的な経済統合のための機関によって寄託される文書は、この条の規定の適用上、当該機関の構成国によって寄託されたものに追加して数えてはならない。

第26条

 この議定書には、いかなる留保も付することができない。

第27条

1.締約国は、この議定書が効力を生じた日から3年を経過した後いつでも、寄託者に対して書面による脱退の通告を行うことにより、この議定書から脱退することができる。

2.1の脱退は、寄託者が脱退の通知を受領した日から1年を経過した日又はそれよりも遅い日であって脱退の通告において指定されている日に効力を生ずる。

3.この条約から脱退する締約国は、この議定書からも脱退したものとみなす。

第28条

 アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正本とするこの議定書の原本は、国際連合事務総長に寄託する。

1997年12月11日に京都で作成した。

 以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けて記載の日にこの議定書に署名した。

附属書A

温室効果ガス

二酸化炭素(CO

メタン(CH

亜酸化窒素(NO)

ハイドロフルオロカーボン(HFCs)

パーフルオロカーボン(PFCs)

六弗化硫黄(SF

部門/発生源分野

エネルギー

 燃料の燃焼

  エネルギー産業

  製造業及び建設

  運輸

  その他の部門

  その他

 燃料の漏出

  固形燃料

  石油及び天然ガス

  その他

工業プロセス

 鉱業製品

化学産業

 金属生産

 その他の生産

 ハロカーボン及び六弗化硫黄の生産

 ハロカーボン及び六弗化硫黄の消費

 その他

溶剤及びその他の製品の使用

農業

 家畜の腸内発酵

 家畜の糞尿管理

 稲作

 農業土壌

 サバンナの野焼き

 農業廃棄物の野焼き

 その他

廃棄物

 固形廃棄物の埋立

 下水処理

 廃棄物の焼却

その他

 

 

 

- - - - -

附属書B

締約国             数量的な排出抑制又は削減の約束

(基準年又は基準期間の割合)

オーストラリア    108

オーストリア    92

ベルギー    92

ブルガリア*    92

カナダ    94

クロアチア*    95

チェコ共和国*    92

デンマーク    92

エストニア*    92

欧州共同体       92

フィンランド    92

フランス    92

ドイツ    92

ギリシャ    92

ハンガリー*    94

アイスランド    110

アイルランド    92

イタリア    92

日本国    94

ラトヴィア*    92

リヒテンシュタイン    92

リトアニア*    92

ルクセンブルグ    92

モナコ    92

オランダ    92

ニュー・ジーランド    100

ノールウェー    101

ポーランド*    94

ポルトガル    92

ルーマニア*    92

ロシア連邦*    100

スロバキア*    92

スロベニア*    92

スペイン    92

スウェーデン    92

スイス    92

ウクライナ*    100

グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国   92

アメリカ合衆国    93

*市場経済への移行の過程にある国