TEMM20 開催報告

第20回日中韓三ヵ国環境大臣会合(TEMM20)が、6月23~24日、中国・蘇州市にて開催されました。我が国からは、中川雅治環境大臣が出席しました。

会合では、過去20年における三カ国の環境協力を振り返り、三カ国の環境協力における最近の進展を確認するとともに、来年日本で開催されるG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合に向けた協力や、脱炭素都市の構築のための共同研究、ヒアリ等を含む外来種対策、海洋ごみ対策、大気汚染、SDGs(持続可能な開発目標)について率直な意見交換を行い、共同コミュニケを採択しました。また、日中及び日韓の環境大臣バイ会談を開催し、環境協力の一層の促進に向けた議論を行いました。なお、日中環境大臣会談の場において、「大気環境改善協力に関する覚書」に両大臣が署名を行いました。

開催概要

開催日程/開催地

平成30年6月23日(土)~24日(日)、中国・蘇州市

主な出席者

日本:中川 雅治 環境大臣
中国:李 幹傑(リ・カンケツ) 生態環境部長
韓国:金 恩京(キム・ウンギョン) 環境部長官
(写真:左から順に中川大臣、李部長、金長官)


今回のTEMMのポイント

20 年間にわたる環境協力の成果、日中韓三カ国環境協力における最近の進展、TEMMの今後の展望について意見交換を行い、「環境協力に係る三カ国共同行動計画」に基づき、各分野の活動を進展し、今後も協調的な取組を継続・拡大することを確認しました。

共同コミュニケの主な内容は以下のとおり。

(1)20年間にわたる環境協力の成果
・三大臣は、TEMMが過去20年間において、日中韓三カ国の誠実なパートナーシップにより清浄で美しい北東アジアの構築に大いに貢献したと認識し、TEMMの下での協力の継続と強化に向けた決意を再確認しました。

(2)日中韓三カ国環境協力における最近の進展
・三大臣は、大気汚染、ヒアリ等の侵略的外来種、生物多様性など、三カ国の多様な協力活動を通じて達成された重要な進展を祝福し、マイクロプラスチックに係る情報の共有が図られたという具体的な進展を確認しました。また、「環境側面からのSDGs達成のための三カ国共同研究」及び「北東アジア長距離越境大気汚染プロジェクト」などの協力活動を歓迎しました。

(3)TEMMの今後の展望
・三大臣は、「環境協力に係る三カ国共同行動計画」の各分野での協力を強化することの重要性を強調し、三カ国の環境協力が地球規模の環境問題の解決に貢献することを確信しました。
・三大臣は、G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合が、2019年6月に日本で開催されることを歓迎し、同会合の成功に向けて協力する意欲を表明しました。中川大臣から、G20においては、海洋ごみも課題として取り上げる予定であり、三カ国のリーダーシップを発揮して、海洋ごみ対策に取り組むことを提案しました。両国から、本課題に対する重要性の認識が示されました。
・三大臣は、脱炭素化に関する共同研究を、2018年に開始することに合意しました。
・三大臣は、次期5年間を対象とした「環境協力に係る三カ国共同行動計画」を共同で策定し、TEMM22で承認することに合意しました。

(4)TEMM21
・三大臣は、TEMM21を2019年に日本で開催することを決定しました。

(5)その他
・日中韓の環境協力に係る功労者の表彰が行われ、日本からは横浜市立大学教授・井村秀文氏及び特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム代表理事・後藤敏彦氏が受賞しました。このほか、サイドイベントとして、「三カ国環境ビジネス円卓会議」、「ユースフォーラム」、「SDGsとグリーンファイナンスワークショップ」、「日中韓黄砂共同研究」及び「日中韓化学物質管理政策対話」が開催されました。

報道発表・配布資料