TEMMユースフォーラム

概要

2017年8月24日から25日にかけて、第19回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM19)にあわせて、三カ国のユースの代表による意見交換・討議を行うユースフォーラムが韓国・水原市で行われました。日本からは、5名の大学生・大学院生が参加しました。

一日目は、開会セレモニーに引き続き、ソウル国立大学のLee Do-won教授より、「生物多様性、生態系サービス、および人類の文化」という基調講演を拝聴した後、昨年のTEMM18ユースフォーラム参加者からの報告があり、その後、今年のテーマである「生物‐文化多様性と若者の参画」について、三カ国のユース代表による各国の取組事例の紹介がありました。

日本からは、自然と文化の多様性の中における「WA」すなわち、「和・輪・環」とも表せる平和的調和という観点から、生物文化多様性について述べ、北海道における狩猟の文化や、東アジアの渡り鳥である絶滅危惧種のクロツラヘラサギの足環と同じ色の指輪を通して都市と自然の間に新たな関係性を築く取り組みについて説明がありました。また、若者が生物文化多様性保全に貢献する方法として、環境問題や様々な取り組みについてユースが互いに学び合うためのプラットフォームが提案されました。

中国からは、青島湖周辺の漁村が持続可能な発展を遂げるよう、より環境にやさしい方法や伝統文化の利用を促進することによって、環境にやさしい民宿を営む支援をするプロジェクトを行ったことや、1000年以上の歴史を有する稲と魚の共生文化に関して、持続可能な形で利用・保全するため、科学的研究と魅力的なキャンペーンを展開したことが報告されました。生物-文化多様性はともに深く関係し合っていることを示し、若者は、学術的な識知を活かすべきであることが提案されました。

韓国からは、海女と林藪という2つの事例からみる韓国における生物-文化多様性の研究について発表がありました。若者世代は生物文化多様性についての知識を欠いていて、様々な努力があるものの、社会的な変化を起こすには至っていないので、韓国における生物-文化多様性を実際に維持するために、より多くの若者に対する教育と支援が不可欠であることが提案されました。

午後は三カ国混成のチームに分かれ、相互理解と議論の土台を形成するためのワークショップとTEMM19で報告するための宣言文の作成が行われました。その後、日本ユースはTEMM19会場へ移動し、中川環境大臣へユースフォーラムの報告を行いました。

二日目は、午前の大臣会合において、三カ国のユースを代表して中国のホウ・イクカンさんより三大臣に報告がなされました。午後は、三カ国混成の5チームに分かれ、与えられた課題をクリアしながら水原市内を回るセルフガイドツアーを行いました。それぞれのグループのツアーの様子はスライドを用いたプレゼンテーションにまとめられ、お別れ夕食会の会場で発表され、全日程を終了致しました。

翌日は、空港へ向かう途中にソウル市の清渓川ミュージアムに立ち寄り、都心を流れる川を暗渠と高速道路から開渠の川に再生したプロジェクトを視察してから帰路につきました。

三カ国ユース代表とユースフォーラム参加者

三カ国ユース代表とユースフォーラム参加者

  • 自己紹介する日本ユース代表

    自己紹介する日本ユース代表

  • 日本ユース代表の発表

    日本ユース代表の発表

  • 日本ユース代表

    日本ユース代表

  • ワークショップの発表

    ワークショップの発表

  • 宣言文についてのディスカッション

    宣言文についての
    ディスカッション

  • 中川大臣と日本ユース代表、長嶺ソウル大使、ユースフォーラム参加者

    中川大臣と日本ユース代表、
    長嶺駐韓大使、
    ユースフォーラム参加者

  • TEMM19への三カ国のユースフォーラム参加者

    TEMM19への三カ国のユースフォーラム参加者

参加者の報告書

ユースフォーラムに参加した5名のユースの方々が、本フォーラムに参加して感じたこと等を参加報告書として作成しました。

参加者等

フォーカルポイント

阿部 治、 立教大学 教授

ファシリテーター

名執 芳博、 日本国際湿地保全連合 会長

参加者
  • (日本)※氏名五十音順、敬称略
  • 崎山 由香(大学院生)
  • 外谷 毅史(大学院生)
  • 高橋 美佐紀(大学生)
  • 所谷 茜(大学院生)
  • 松岡 宏明(プロジェクトリサーチャー)
  • (中国)※氏名アルファベット順、敬称略
  • Bao, Yuhan (Postgraduate student)
  • Chen, Yidan (Undergraduate student)
  • Gui, Xiaoshan (Undergraduate student)
  • Lu, Junyao (Postgraduate student)
  • Shan, Xiaoyu (Ph.D. Candidate)
  • (韓国)※氏名アルファベット順、敬称略
  • Suh, Hyeongyo (Undergraduate Student)
  • Noh, Jaewook (CEO/ Master’s Course Student)
  • Yang, Sohee (Undergraduate Student)
  • Lee, Eunhwa (Undergraduate Student)
  • Lee, Chanhee (Elementary School Teacher/Master’s Course Student)

当日プログラム

日中韓三カ国環境大臣会合ユースフォーラム

【会場:バリューホテルハイエンド】

一日目
09:00 開会セレモニー
10:00 基調講演 (Lee, Dowonソウル大学教授)
10:50 ユースの発表
12:30 昼食
13:30 ワークショップ
15:20 ディスカッション
16:30 宣言文作成
17:30 移動
18:30 中川大臣との面会
19:00 TEMM19 歓迎レセプション
 
二日目
09:00 報告準備
09:50 移動
10:30 TEMM19出席
12:30 セルフガイドツアー
18:30 お別れ夕食会及びプレゼンテーション