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グリーンマネジメントの推進
Case Studies

グローバル企業の販社における
グリーンマネジメントの推進

コニカミノルタビジネステクノロジーズ

コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社
香港でのグリーンマネジメントの推進

コニカミノルタの香港の販社(コニカミノルタビジネスソリューションズ香港)では、グローバル企業が打ち出す中長期の環境戦略に沿いながら、現地企業ならではのグリーンマネジメントを推進し、「香港グリーンアワード2012」銅賞を受賞した。受賞に至った決め手、グローバル企業としての取り組みの狙いやメリットについて、コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 環境推進部長 山崎弘氏にお話を伺った。
(※コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社は、2013年4月よりコニカミノルタ株式会社へと社名変更をいたします)

コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社
環境推進部長
山崎弘氏

インタビュー

販社ならではのグリーンマーケティング活動に力を注ぐ

Q 貴社にとって、香港との関係はどのようなものでしょうか。また、「香港でのグリーンマネジメントの推進」の取り組みを取り巻く、香港での社会的な課題や問題点は、どのようなことがありますか。

山崎●香港は当社にとって販売と調達・物流の拠点であり、生産活動は行っていません。香港はエネルギー資源がない、水資源がないという特殊なエリアです。このような理由から非常に資源への意識が高い地域だと思います。私自身も香港に出張した際には、「グリーン」という言葉が好まれ、多用されているという印象を持ちました。

Q 香港でのグリーンマネジメントへの取り組みのきっかけは、どのようなことだったのでしょうか。

山崎●きっかけは、香港単独の動きということではなく、コニカミノルタグループ全体の環境計画と連動していますので、まずその内容について説明させてください。
コニカミノルタは環境トップランナーをめざし、2009年に長期環境ビジョンとして「エコビジョン2050」を策定し、2050年までに2005年度比で80%のCO2削減を目標として掲げています。それを基軸に、マイルストーンとして2015年をターゲットに「中期環境計画2015」を設定しました。これは、2015年までに2005年度比で20%のCO2を削減しようという目標です。計画は、ほぼ達成できるレベルで推進中です。
環境活動の全体像としては、(1)グリーンプロダクツ認定制度(グリーンプロダクツの企画・開発を行う)、(2)グリーンファクトリー認定制度(生産効率を改善し、資源の無駄をなくす)、(3)グリーンマーケティング活動(販売活動、および、お客様の環境パフォーマンスを向上させ、環境側面での顧客満足度を向上させる)の3つを柱として掲げています。
これはコニカミノルタグループのグローバルな動きであり、香港でも取り組むべき活動と位置づけられたことが、きっかけと言えるでしょう。

Q グローバル企業ならではの展開ですね。取り組みはどのようなことを目的・狙いとしていますか。また、具体的な取り組みの内容をお聞かせください。

山崎●香港は販売・物流拠点であるため、「グリーンマーケティング活動」に力を入れています。販売活動を通してCO2削減を図ることも必要ですが、お客様の環境負荷とコストを低減する製品・サービスを提供することで、売上拡大やコストダウンにも寄与したいと考えています。地元に密着した企業として、お客様に好意的に認識していただくことも目的に含まれるでしょう。
具体的な取り組みの内容については、「中期環境計画2015に沿った自社の環境負荷低減活動」、「お客様の環境負荷低減活動」、「社会貢献活動」に整理ができます。
「中期環境計画2015に沿った自社の環境負荷低減活動」については、輸送CO2削減(売上高原単位マイナス2%/年目安)、包装材削減(売上高原単位マイナス2.5%/年目安)、社有車CO2・燃料削減(売上高原単位マイナス5%/年目安)、回収リサイクルの最適化(再資源化率90%以上を目安)の活動に継続的に取り組んでいます。「お客様環境負荷低減活動」については、グリーンプロダクツの訴求・拡販のほか、企業内のプリント環境最適化コンサルサービス(OPS)により、お客様の環境側面での満足度向上につとめています。OPSとは、お客様最適プリンティングとも言われるもので、経費削減、情報漏えい防止、業務・文書フロー改善、全拠点一括の管理・ご請求の視点から現状分析を行い、最適コスト、配置、機能をご提案するというサービスです。
「社会貢献活動」は、グリーンコンサート、環境教育プログラムが目立ったものと言えるでしょう。

Q  社会貢献活動は、お客様に好意的に認識していただくためのきっかけになりそうですね。「グリーンコンサート」は、どのようなコンサートでしょうか。また、環境教育プログラムは、どのような方を対象に、どのようなメニューがありますか。

山崎●グリーンコンサートは、香港での自発的な活動で、2010年、2011年、2012年と連続して開催されています。エネルギー問題への理解と環境に配慮したライフスタイルを呼びかける、環境、スポーツ、音楽、チャリティを一体化したイベントです。9日間、チーム対抗で自転車のペダルを漕ぎ、発電した電力を使ってコンサートを開催するというものです。参加費は運営費を除き環境や福祉に役立つプロジェクトや研究等に寄付されています。
環境教育プログラムは、「エメラルドエデュケーションプログラム」といわれるもので、地元の環境NGO団体グリーンセンスとの共同による取り組みです。香港は、移民の多い地域で、環境教育を受ける機会の少ないエスニック・マイノリティの子どもたちにも多数参加してもらっています。稀少生物を観察するエコツアー、ソーラーエネルギーの実験を行うワークショップ、使用済みの油から石けんを作るワークショップなど、様々な体験的なメニューを提供しています。

環境、スポーツ、音楽、チャリティを一体化したイベント「グリーンコンサート」
環境、スポーツ、音楽、チャリティを一体化したイベント「グリーンコンサート[JPG]」


自転車のペダルを漕ぎ、発電した電力を使ってコンサートを開催
自転車のペダルを漕ぎ、発電した電力を使ってコンサートを開催[JPG]


エメラルドエデュケーションプログラム(エコツアー)
エメラルドエデュケーションプログラム(エコツアー)[JPG]


エメラルドエデュケーションプログラム(ソーラーエネルギーの実験)
エメラルドエデュケーションプログラム(ソーラーエネルギーの実験)[JPG]


グリーンマネジメント推進全体が、表彰評価の決め手に

香港でのグリーンマネジメントの推進は、香港グリーンカウンシル主催の「香港グリーンアワード2012」銅賞を受賞した。香港グリーンカウンシルは、非営利の環境保護促進組織で、香港の環境ラベルである「香港グリーンラベル」の認定などを行う団体である。

Q 「香港グリーンアワード2012」銅賞を受賞されたとのことですが、どのような点が評価されたのでしょうか。

山崎●アワードにはいくつかの部門がありますが、今回我々は、社会の環境意識を高める企業・団体等を表彰する「グリーンマネジメント」部門で受賞しています。突出した商品や活動が評価されてというよりは、環境方針、省エネ、節水、廃棄物削減、CO2排出量削減、グリーン購入、環境教育・訓練など、総合的なグリーンマネジメント推進が評価の対象となりました。
コニカミノルタの各国の販社の中でも、香港のグリーンマネジメント推進は進んでいるほうだと思います。実際に、ヨーロッパの販社などからは、香港の取り組みの情報を知りたいとリクエストを受けることがあります。

「香港グリーンアワード2012」の授賞式
「香港グリーンアワード2012」の授賞式[JPG]


Q  グリーンマネジメントの推進にあたり、生じている課題やご苦労されている点などはありませんか。

山崎●「社会貢献活動」は、やはり資金は気になる点です。ただ香港では、今はビジネスを成長させるツールであり、企業価値の上がる活動としてやるだけやってみようという段階にあります。今後、活動をどう評価していくかは、課題だと思います。
「中期環境計画2015に沿った自社の環境負荷低減活動」や「お客様の環境負荷低減活動」については、情報機器事業全体の課題とはなりますが、国によって現実的にできることとできないことがあり、地域に応じたマネジメントの必要性を感じます。例えば、物流のCO2削減やエコドライブを目標に掲げたとしても、アメリカではガソリン自動車が主流のため、その部分はなかなか実行しづらいといった事情です。現在、削減目標や実績などの数値はグローバルで、となっておりますが、今後、国別・地域別にブレークダウンしていくことも検討すべき課題かと思います。
海外展開における苦労という点では、誰がキーマンでハブになっているかが、把握しづらいということもあります。その問題を解決するために、この2年間、グローバル環境ミーティングを開催し、しっかりと社内の人脈を作る試みを行っています。

企業価値向上は、大手グローバル企業の入札でもメリット

コニカミノルタは、グローバル企業として、情報機器の分野等で積極的に海外での事業展開を行っており、大手グローバル企業の入札に参加する機会も多いという。

Q グリーンマネジメントの推進は、どのような成果があり、貴社の本業にどのようなメリットをもたらしていると思いますか。

山崎●ある意味で「香港グリーンアワード2012」の受賞などは、ひとつの成果と言えるのではないでしょうか。数値的な効果が見えにくい中、表彰による評価はコニカミノルタの企業価値を高め、ポジティブな形で認識していただくために役立っていると思います。おかげさまで香港では、コニカミノルタの名前はかなり知られています。
また、「グリーンマネジメントの推進」に積極的に取り組む姿勢は、環境経営度の評価でも、高評価を得るきっかけになり、例えば大手グローバル企業の入札でもポジティブに見ていただけるなど、社会的評価とともに、現実的な企業活動にもプラスになっています。

Q グリーンマネジメント推進の価値を社内あるいは社外で浸透させるために、どのような工夫をしていますか。

山崎●社内での浸透については、年に数回、日英に加え中国語などの複数の言語で発行する「グループ報」の中で環境に関する記事を掲載してもらうなどで、ワールドワイドに情報の共有化をはかっています。また、先ほどもご説明しましたが、昨年からは情報機器事業のグローバル環境ミーティングを開催し、各国の環境部門の担当者が集まり、環境情報の交換を行っています。環境担当者同士の意思疎通がしやすくなったため、各国での環境に関する法規制の情報交換や営業活動に有益な環境情報の交換などがスピードアップし、情報の一元化もはかられるなど、効果が出てきているとの手応えを感じます。
日本国内では、イントラネットの積極的な活用もしています。
社外での浸透については、各国ローカルで行うこととなっており、香港ではローカル新聞、雑誌などでPRを行っています。日本国内では、ホームページや環境展示会を活用しています。

グローバル環境ミーティング
グローバル環境ミーティング[JPG]


Q 取り組みを自己採点するなら、百点満点で何点をつけますか?

山崎●香港での取り組みは、満点をつけてよいかと思います。グローバル企業の一員でありながら、地元密着の企業として自ら成長しようとしているのは、販社のマインドとして評価できます。
情報機器事業全体では、60点くらいでしょうか。事業活動の中に、環境への取り組みが肩肘を張らず意識することなく、自然に溶け込んでいるというのが理想でしょう。壮大な展望かもしれませんが、ビジネスと環境の完全なマッチをめざしていきたいですね。
★取り組みのヒント
  • 環境側面からの企業価値の向上が、大手グローバル企業入札でもメリットになる。
  • グローバル環境ミーティングの開催により、グローバルレベルで情報交換がしやすくなる。