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環境協力に携わる方々へ

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日系企業の海外活動に当たっての環境対策(タイ編)

「平成10年度日系企業の海外活動に係る環境配慮動向調査」報告書

本書の構成と使い方

本書は、タイの環境問題の現状や環境法規制の内容などを解説した「第1章」、タイに進出している製造業を中心とした日系企業の具体的な環境対策への取り組み事例を紹介した「第2章」、そして第1章、第2章の内容をより深く理解するために役立つ「資料編」で構成されている。また本書でいう日系企業とは、盤谷日本人商工会議所の会員企業をさし、日本側の出資比率等の特定の条件がないことをあらかじめお断りしておく。
さらに本書は、各章及び各章の中の各節がそれぞれ独立しており、各企業の環境対策への取り組みの実状にあわせて、それぞれ必要な環境情報を抜き出すかたちで読むことができるように工夫している。なお、本文中に記載されている法令や組織名等については、全て本財団による仮訳であることにご留意いただきたい。

具体的な本書の構成以下のとおりである。


「第1章」は、タイにおける環境問題の現状や法規制等の動向についての最新情報を、第1節「タイと日系企業」、第2節「タイの環境問題の現状」、第3節「タイの環境政策」、第4節「産業公害対策と関連法」、第5節「水質汚濁対策」、第6節「大気汚染対策」、第7節「有害廃棄物対策」、第8節「環境影響評価制度」の、8つの節に分けて解説している。


第1節では「タイと日系企業」として日本とタイの関わりや日系企業のタイ進出の経過などを紹介する一方、第2節ではタイの環境問題の現状を水質汚濁、大気汚染などの課題別に解説している。そして第3節以下では、日系企業の環境対策に必要となるタイの環境法令や各種の環境規制に関する情報を分野ごとに分けて詳しく解説している。


特に、第3節では、近年急速に整備が進められつつある環境行政制度の仕組みを、つづく第4節ではタイの環境基本法ともいえる1992年国家環境保全推進法を含む産業公害対策に関係の深い7つの環境関連法について、そのポイントを紹介した。


その後、第5節~第7節では産業公害対策に不可欠な水質汚濁、大気汚染、有害廃棄物の3分野についてそれぞれ、法規制の仕組みや規制基準の内容を解説している。最終節の第8節では環境影響評価制度の紹介にページを割いた。


なお、第1章に収録した情報については、科学技術環境省や工業省などの担当官に対するヒアリング結果を中心に、タイ政府の発行した各種資料などを参考にした。


「第2章」は、まず第1節にタイに進出している製造業を中心とした日系企業の環境対策への取り組みの特徴などをまとめている。そして、現地訪問調査で収集した日系企業14社の先駆的な環境対策への取り組み16事例を、第2節「厳しい排水基準に対処している事例」(5事例)、第3節「環境マネジメントシステムを構築している事例」(5事例)、第4節「地域と密着した環境対策に取り組んでいる事例」(3事例)、第5節「その他の先進的な取り組み事例」(3事例)に分けて紹介している。


タイにおける製造業を中心とした企業の環境対策への取り組みは、水質汚濁対策が中心となっていることから、今回の収集事例も水質汚濁対策への取り組みが中心となっている。また日系企業はISO14001の認証取得をはじめ、環境管理システムの構築に積極的に取り組んでいるため、第3節にそれに関連した取り組み事例をまとめている。

巻末に「資料編」として以下の情報を収録した。

  • [参考資料1] 「1992年国家環境保全推進法(全文)」
  • [参考資料2] タイの有害廃棄物処理の詳細を規定した「工業省告示1997年第6号(抜粋)」
  • [参考資料3] 「タイを中心とした東南アジア4カ国における日系企業の環境問題への取り組みの現状」
  • [参考資料4] 「タイ及び日本における環境情報関連窓口」
このうち参考資料1には、第1章の第3節及び第4節で解説した国家環境保全推進法への理解を深めるために、同法の全文の日本語訳を掲載した。また参考資料2には、タイで有害廃棄物対策に取り組む場合に必要となる詳細な規定を示した1992年工場法に基づく工業省の告示を抜粋してその日本語訳を収録した。