チャイナカウンシル

 

「チャイナカウンシル」について

「チャイナカウンシル」とは、「中国の環境と開発に関する国際協力委員会」(CCICED;China Council for International Cooperation on Environment and Development)の略称である。

設立の経緯と背景

中国政府は、開放政策と継続的な改革によって急激な経済発展を図りつつも、環境と経済成長の調和が必要であるという認識に立ち、1990年10月に北京で開かれた「中国における経済発展と環境の統合に関する国際会議」を受けて、環境と開発に関する中国と国際社会の協力促進を目的とした標記委員会の設立を、92年の春に北京で開かれた設立会合において決定した。

委員会の主な目的

チャイナカウンシルは、中国政府に対し、環境と開発の統合に関する建設的な提案をするためのハイレベルな諮問機関であり、委員会は、中国政府の首脳と先進国側の環境分野における有識者等で構成されている。
チャイナカウンシル(第3フェーズ)の主たる目的は、次のとおりである。
@ 中国政府に対して、持続可能な経済成長の確保、中国の環境の保護および改善、エネルギー源および自然資源の安全で長期的な供給の確保についての戦略的提案および政策提言を行う。
A 適切な計画、プロジェクト、科学的発展、技術移転および養成研修等、環境と開発の重要な問題における中国と国際社会の協力関係を促進する。
B 環境と開発の分野において重要な政策決定事項について中国政府に対し助言や諮問を行い、その政策決定の経済的、社会的および環境への影響を評価・査定する。
C 環境と開発に関するグローバル化、情報技術、科学技術革新の分野における国際経験を中国政府に対し紹介し、同時に中国による取組の成果および経験の他国への発信を支援する。
D 地球規模の環境問題の解決に向けた国際協定の交渉に参加するための能力の向上を支援する。
E 環境保全に対する市民の意識の向上および活動への参加を促す支援者としての役割を果たす。

チャイナカウンシルの活動期間及び本会合、委員会等の開催

活動期間は、1フェーズ5年間とし、第1フェーズ(1992〜1996年)、第2フェーズ(1997〜2001年)を終え、現在第3フェーズ(2002年〜2006年)にある。本会合は、年1回、毎年秋頃、中国北京で開催される。この他に、各作業部会、タスクフォースにおける会合が年1〜2回開催されている。

第3フェーズにおける委員会の構成

議 長 曾培炎(国務院副総理)
副議長 曲格平(全人代環境資源委員会主任委員)
解振華(国家環境保護総局局長)
劉江(国家発展改革委員会副主任)
Paul Thibault(カナダ国際開発庁総裁)
Mans Loennroth(スウェーデン戦略的環境研究財団事務局長)
国際委員 20名
   (日本からの委員 石坂匡身(日本損害保険協会副会長))
中国委員 25名

タスクフォースの設置

第3フェーズから、従来の永続的な作業部会から、テーマ、活動期間を区切ったタスクフォースに移行し、タスクフォースをもってカウンシルの政策立案機能の根幹をなすメカニズムとして位置付けている。

環境省におけるチャイナカウンシルの支援

(1) 本会合支援
  本会合等に出席し、チャイナカウンシルの動き及び中国内政へのフィードバックを分析しつつ、我が国の環境保全経験を中国の国内状況へ適用する可能性を検討し、我が国からの有用な情報をインプットするための作業を行っている。
(2) タスクフォース支援
  中国は、今後、莫大な環境対策資金が必要となる。そのため、資金メカニズムに関して、我が国の経験・ノウハウについて検討・提言するタスクフォースへの中国側の期待が示された。我が国としても、中国が、莫大な資金需要を海外に頼るのではなく、国内で賄うことができるようにするための資金メカニズムの確立は、この点における中国の自立を促すことにもつながるという判断から、第3フェーズにおいて、「環境対策資金メカニズム」に係るタスクフォースを設置し、2003年秋に提言をとりまとめた。
中国における環境対策資金メカニズムに関する政策提言(仮訳)
中国における環境対策資金メカニズムに関する政策提言(英文)
中国における環境対策資金メカニズム・タスクフォース サマリー・レポート(英文)