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中央環境審議会石綿健康被害判定部会(第3回)
議事録


<日時>

平成22年3月17日(水)10:02〜12:07

<場所>

中央合同庁舎第4号館共用1208特別会議室(東京都千代田区霞が関3−1−1中央合同庁舎第4号館12階)

<議題>
1.
報告事項
2.
調査・研究等について
3.
その他
<配付資料>
資料1 中央環境審議会石綿健康被害判定部会委員名簿
資料2 石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく医学的判定の状況等について
資料3-1 指定疾病見直しに関する事項
資料3-2 石綿健康被害救済制度の見直しに係る検討スケジュール(案)
資料3-3 医学的事項検討会報告書概要
資料3-4 医学的事項検討会報告書
資料3-5 石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について(案)
資料4-1 医学的判定に係る資料に関する良医事項通知見直しについて(案)
資料4-2 医学的判定に係る資料に関する留意事項(平成20年11月28日)
資料5 調査研究事業の概要

午前10時02分 開会

○柳田補佐 定刻となりましたので、ただいまより第3回中央環境審議会石綿健康被害判定部会を開催いたします。本日、石綿健康被害判定部会の委員11名のうち、8名のご出席をいただいており、過半数の方がご出席されておりますので、本部会は成立いたしておりますことをご報告申し上げます。
 また、本日、オブザーバーとして18名、現時点では1名の方が遅れられておりまして17名、の専門委員の先生方にご出席いただいております。また、石綿健康被害救済制度の申請受付認定等の手続を所管しております、独立行政法人環境再生保全機構石綿健康被害救済部からも処分庁として2名がオブザーバーとして出席しております。
 本日、部会につきましては、前回開催された時から1年9箇月が経っておりまして、間隔があいておりますので、出席者の紹介をさせていただきたいと思います。なお、時間の都合上、所属先については省略させていただきますことをご了承いただきたいと思います。
 まず、判定部会の委員を紹介いたします。
 テーブル中央の佐藤部会長でございます。
 佐藤部会長の右隣が、判定小委員会の委員長もされております、三浦委員でございます。
 次に、部会の委員の紹介をいたしたいと思います。資料1の上の方から、出席されている委員の紹介をさせていただきます。
 石川委員でございます。
 井内委員でございます。
 岡委員でございます。
 岸本委員でございます。
 坂谷委員でございます。
 廣島委員でございます。
 次に、判定小委員会の専門委員の紹介をさせていただきたいと思います。所属等につきましては資料1の参考資料をごらんになっていただきたいと思いますが、そこで専門が分かれておりますが、本日、五十音順に座っていただいておりますので、こちらから向かって左の方から順に紹介させていただきたいと思います。
 相田委員でございます。
 青江委員でございます。
 芦澤委員でございます。
 大林委員でございます。
 岡田委員でございます。
 岡本委員は少々遅れるとの連絡をいただいております。
 加藤委員でございます。
 亀井委員でございます。
 木村委員でございます。
 反対側にまいりまして、栗原委員でございます。
 佐藤委員でございます。
 篠原委員でございます。
 高田委員でございます。
 高橋委員でございます。
 橋本委員でございます。
 畠山委員でございます。
 村上委員でございます。
 由佐委員でございます。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 原環境保健部長でございます。
 泉石綿健康被害対策室長でございます。
 福本室長補佐でございます。
 独立行政法人環境再生機構の鏑木上席でございます。
 同じく、瀧口部長でございます。
 最後になりましたが、本日、司会を務めさせていただきます、石綿健康被害対策室の柳田です。よろしくお願いいたします。
 では、開催に当たりまして、環境保健部長の原より一言ご挨拶を申し上げます。

○原環境保健部長 改めまして、先生方ようこそお出でいただきまして、ご苦労さまでございます。環境保健部長の原でございます。
 この部会は、1年9箇月前に第2回目を開いたということで、私が来る前に開かれて、私の着任後1回も開いていないとのことです。年に1回ぐらいは開いていかないといけないと思うのですが、現在、石綿の健康被害の救済につきましては、環境保健部会の下に救済小委員会を置いて、いろいろと検討を進めているところでございます。これまでの間、法に途中で一部改正がございましたけれども、法施行後から約4年近くで約8,558件の申請があったということでございまして、そのうち5,829件について認定の処分を行ってきたということでございます。先ほど申しました環境保健部会の下の救済小委員会では、法施行後5年後の見直しということもありますし、その当初から石綿肺についてどう扱うのかという議論がございました。そこで現在は、この小委員会では石綿肺について、特に重篤な方については現在の給付とのバランスからいって、できるだけ早く入れればどうかというご意見をいただいているところでございまして、重篤な石綿肺あるいは呼吸機能不全を伴います、びまん性の胸膜肥厚について、どうするかということについて案をいただいておりまして、現在、パブリックコメントにかけているところでございます。また、5年後の見直しに向けまして、現在、救済の給付の内容が一つしかございませんので、そこをどう考えていくのか、あるいはその対象疾病をどうしていくのかということ、全体をどうしていくのかということも含めまして、4月以降、議論を進めていきたいと考えているところでございます。
 この判定部会は、それぞれの対象疾病が決まりましたら、それについての医学的な判定をどのようにするか、あるいは留意すべき事項はどのようなものがあるか等々について議論をいただき、実際に今日もお越しいただいています分科会の方でそれぞれの個々の症例を検討していただくことになっていることでございます。
 今日は、主として救済小委員会等で議論していますことでありますとか、従来の被害救済の認定の処分等々につきまして、ご報告を申し上げたいと思っております。今後とも引き続き、医学的な側面からのご審議、ご指導をお願いしたいと思います。
 以上、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○柳田補佐 ありがとうございました。
 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。

○佐藤(洋)部会長 おはようございます。部会長を仰せつかっております佐藤(洋)でございます。先ほど来、お話に出ていますように、この部会は、1年9箇月ぶりということで、部会の先生方、それから判定小委員会の先生方には、お久しぶりにお目にかかるような気がいたします。ただし、毎回の判定の後、事務局から報告をいただいておりまして、それを受けますと、判定小委員会の先生方が、三浦委員長初め先生方皆さんが熱心に討議していただいて、判定してくださっているという姿がよく見えておりますので、この機会に私の方からも感謝を申し上げておきたいと思います。
 本日の部会でございますけれども、議題の4が個別の症例に関わる医学的資料を取り扱うことになっております。この部分につきましては非公開の審議となりますので、あらかじめお知らせしておきたいと思います。
 それでは、議事に移る前に、事務局から現在、机上にあります公開部分の配付資料の確認をお願いいたします。

○柳田補佐 それでは、本日の資料、資料集ということで1冊になっておりますけれども、こちらをごらんになっていただきたいと思います。
 まず、1ページ目が、資料1といたしまして「中央環境審議会石綿健康被害判定部会委員名簿」でございます。その後に参考として、判定小委員会の名簿を載せております。7ページ目が、資料2といたしまして、「石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく医学的判定の状況等について」でございます。1枚めくって9ページ目が、資料3−1、「指定疾病の見直しに関する事項」でございます。11ページ目が、資料3−2といたしまして、「石綿健康被害救済制度の見直しに係る検討スケジュール(案)」でございます。資料3−3、13ページ目が、「医学的事項検討会報告書概要」でございます。17ページ目が、資料3−4といたしまして、「医学的事項検討会報告書」、そのまま全文が載っております。続きまして、39ページ目が、資料3−5、「石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について(案)」でございます。47ページ目が、資料4−1といたしまして、「医学的判定に係る資料に関する留意事項通知の見直しについて(案)」でございます。49ページ目が、資料4−2といたしまして、「医学的判定に係る資料に関する留意事項」でございます。最後、61ページ目からが資料5といたしまして、「調査研究事業の概要」でございます。
 ページの抜け落ち等ございましたら、事務局にお申しつけ願います。
 なお、それ以降の非公開部分の資料がございますが、それにつきましては、また非公開部分の議事が開始する前にお手元にお配りいたします。
 また、本日、ご発言の際には、お手元にマイクのボタンがございますので、それを押してからご発言をお願いいたします。また、終わりましたら、恐れ入りますが、もう一度押してマイクを消していただくようによろしくお願いいたします。
 では、以上でございます。

○佐藤(洋)部会長 それでは、議事に移りたいと思います。今、事務局からマイクのご案内がございましたが、この会場は、左右に広いので、私から見えない場合もありますので、その際は手でも挙げていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、議題1の[1]石綿健康被害判定小委員会の専門委員の指名についてということでございます。平成18年の第1回石綿健康被害判定部会では、当部会の運営についてご了承いただき、本日も先生方が、オブザーバーで参加していただいておりますが、部会の中に小委員会を設けることにいたしました。さらに、小委員会のメンバーについて、部会長から指名させていただきました。平成20年の第2回判定部会では、小委員会のメンバーとして2名の先生を追加するとともに、分科会に8名の専門委員の先生方を指名いたしまして、審議体制の充実を図ったところです。特に、中皮腫の病理診断については、現在、臨時委員4名、専門委員10名にご審議いただいているところですが、軟部組織の悪性腫瘍との鑑別が困難な症例が少なくなく、そのような案件は他の案件に比べて判定に要する期間が長くなることから、専門家の加入について判定小委員会から要請されておりました。今後もこのような判定困難条件案件が見込まれることから、迅速かつ正確な判定を担保するために、このたび、軟部組織腫瘍の専門家である産業医科大学第一病理学教室、橋本洋教授を2月19日付で専門委員として指名させていただきましたのでご報告いたします。橋本先生、よろしくお願いいたします。
 それでは、議題1の[2]石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく医学的判定の状況等についてに移りたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○柳田補佐 それでは、お手元の資料集の7ページ、資料2をごらんになっていただきたいと思います。石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく医学的判定の状況等についてでございます。
 まず、1番目に申請及び認定状況の表がございます。受付状況でございますけれども、それぞれ指定疾病の区分ごと、また、療養者、施行前死亡者遺族、未申請死亡者遺族の区分ごとに、それぞれ受付の状況が載っております。法が施行されてから平成22年2月28日までの、これはこれまでの暫定値ではございますけれども、合計といたしましては、療養者が4,514件、施行前死亡者遺族からは3,757件、未申請死亡者の遺族からは287件で、計8,558件の申請がございました。また、認定状況につきましては、中皮腫、肺がん、合わせて療養者は2,674件、施行前死亡者遺族は3,017名、未申請死亡者遺族は138名で、合計5,829名の認定がされたところでございます。
 次に、2番目の医学的判定の状況でございますけれども、まず、石綿健康被害判定小委員会及び審査分科会の開催状況でございますが、先生方には、大変たくさんの審議を重ねていただいたところではございますけれども、まず、判定小委員会につきましては、平成18年4月11日に第1回を開催してから、本日までに67回開催されました。67回目の小委員会が、まさに昨日、開催されたところでございます。また、審査分科会につきましては、平成18年5月16日に第1回を開催いたしまして、本日まで107回開催されたところでございます。最後、107回目の分科会は、先週3月8日に開催されたところでございます。
 次に、判定状況に参りますが、総判定件数ですが、数字が誤っておりまして、6,411件に修正していただきたいと思います。6,511件ではなく、総判定件数が6,411件でございます。
 次のページにその内訳が載っております。8ページ目でございますが、療養者につきましては、審議件数が延べ数で5,283件行われまして、そのうち石綿を吸入することにより指定疾病にかかったと判定された者につきましては2,687件でございます。施行前の死亡者の遺族につきましては、審議件数が781件でございまして、うち石綿を吸入することにより指定疾病にかかったと判定された者が134件でございます。また、未申請死亡者の遺族につきましては、347件の審議件数がございまして、うち石綿を吸入することにより指定疾病にかかったと判定された者が138件でございます。
 簡単ですが、以上でございます。

○佐藤(洋)部会長 ありがとうございました。ただいま、ご報告いただいたことについて何か、ご質問とかコメントとかございますでしょうか。よろしいですか。

(なし)

○佐藤(洋)部会長 なければ、次の議題1の[3]指定疾病の見直し状況についてに移りたいと思います。これも事務局から説明をお願いいたします。

○柳田補佐 それでは、資料集の9ページの資料3−1、指定疾病の見直しに関する事項について説明させていただきます。
 まず、1番目に、石綿健康被害救済小委員会における現在の検討状況でございますけれども、石綿健康被害救済制度の在り方について、平成21年10月26日付で環境大臣より、中央環境審議会の意見を求める旨の諮問を行いました。諮問事項につきましては、その下の四角で囲ってあ部分でございますが、石綿健康被害救済制度の在り方についてということで、大きく2つ事項がございます。1番目が、石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について、2番目が、今後の石綿健康被害救済制度の在り方についてでございます。この諮問を受けて、中央環境審議会環境保健部会の下に石綿健康被害救済小委員会が設置されたところでございまして、この小委員会におきまして、平成21年11月27日より審議を開始したところでございます。小委員会においては、まず、諮問事項の1、指定疾病につきまして、5回にわたり議論を行いました。その結果、重症の石綿肺及びびまん性胸膜肥厚を指定疾病に追加することを内容とする答申案を3月5日に取りまとめたところでございまして、3月12日より意見公募、つまりパブリックコメントを開始したところでございます。
 具体的な答申、パブリックコメント案につきましては、資料3−5、39ページ目以降に詳細が載っておりますので、本日は時間の都合で割愛させていただきますけれども、後ほどごらんになっていただければと思います。
 さらに、これまでのスケジュールにつきましては、10ページ目にスケジュールが載っております。開催状況ということで、まず、中央環境審議会の環境保健部会を平成21年10月28日に開催いたしまして、その後、第1回目が21年11月27日、以降、短い期間で5回開催されたところでございますが、最後の一番下、第5回石綿健康被害救済小委員会につきまして、「石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方について」(パブリックコメント案)の検討、取りまとめを行ったところでございます。
 次のページに、資料3−2といたしまして、今申し上げたことを簡単に図示した検討スケジュールが載っているところでございます。まさに、左側の平成21年度につきましては、石綿健康被害救済制度における指定疾病に関する考え方についてということで審議が行われてきたところでございまして、平成22年度以降は、今後の健康被害救済制度の在り方について審議を行う予定としております。来年の3月には、石綿救済法施行後5年ということで、ここまでに制度の見直しを行うということとされておりますので、それに向けた検討を行っていくということとしております。
 資料3−3といたしまして、石綿肺とびまん性胸膜肥厚を指定疾病に追加するということの、基となっております石綿による健康被害に係る医学的事項に関する検討会報告書、資料3−3は概要でございまして、資料3−4は報告書全体版でございますので、本日は時間の都合上、説明は割愛させていただきますが、後ほどごらんになっていただければと思います。
 以上でございます。

○佐藤(洋)部会長 ありがとうございました。ただいまご説明いただきましたとおり、新たな考え方について整理していただきまして、今、パブリックコメントにかかっていることという点、それを受けて来年度から救済制度の議論を始めるだろうということだと思いますが、何かこの件についてご意見あるいはコメント等、ありますでしょうか。特に考え方について取りまとめていただいた救済小委員会では、この部会からも多くの先生方に出席していただいて、熱心にご議論いただいたことに感謝したいと思います。特にございませんか。

(なし)

○佐藤(洋)部会長 それでは、報告を受けたということでよろしいかと思いますので、次に進ませていただきます。
 議題2でございますけれども、留意事項通知の見直しについてということでございます。こちらも事務局からご説明ください。

○柳田補佐 それでは、お手元の資料集の47ページの資料4−1、医学的判定に係る資料に関する留意事項通知の見直しについて(案)についてご説明させていただきます。
 以前から、中皮腫の病理診断については、陽性抗体2種類以上、陰性抗体2種類以上の免疫染色を実施して、中皮由来の腫瘍であることを確認することが必須であるということが認識されていました。しかし、我が国の医療保険制度上、必ずしも十分な評価がなされていなかったことから、石綿健康被害救済制度の医学的判定においては、医学的判定に係る資料の留意事項通知で、「中皮腫の診断に係る国際的議論の方向性に鑑みれば、陽性となる抗体及び陰性となる抗体をそれぞれ2抗体以上確認することが望ましい」と述べるにとどまっています。平成22年度の診療報酬改定において、悪性中皮腫の病理組織診断に係る免疫染色の評価が新設されたことを踏まえ、医学的判定留意事項通知を改正し、陽性となる抗体及び陰性となる抗体をそれぞれ2抗体以上確認することを原則とすることとしたいと考えております。
 具体的には、資料4−2の留意事項をごらんになっていただきたいと思いますが、留意事項通知の2ページ目、資料通していきますと50ページ目にございますが、上から12行目のところに書いてありますが、「中皮腫の診断に係る国際的議論の方向性に鑑みれば、陽性となる抗体及び陰性となる抗体をそれぞれ2抗体以上確認することが望ましい」と、現在の留意事項通知では記載されているところでございますが、先ほど申し上げましたとおり、診療報酬の改定におきまして、悪性中皮腫の病理組織診断に係る免疫染色の評価が新設されたことを踏まえて、ここの部分を改正いたしまして、「陽性となる抗体及び陰性となる抗体をそれぞれ2抗体以上確認することを原則とする」としてはどうかと考えております。
 具体的に、どのように改定されたかと申しますと、その下のところに診療報酬の算定方法の一部を改正する件(平成22年厚生労働省告示第69号)抜粋の部分をご覧ください。第13部の病理診断というところで、N002の免疫染色の病理組織標本作製で、そこにその他ということで、1臓器につき400点ということで、増点というふうになっております。注ということで、その5について、確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者に対して、標本作製を実施した場合には、所定点数に1,600点を加算するという部分、この注2の部分が新たに新設されたところでございます。そこの4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者ということにつきましては、さらにその下に、診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項についてということで通知がございまして、そこの抜粋部分でございますが、「注2」に規定する「確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者」というところに、その患者の中に悪性中皮腫の患者が含まれているということでございます。さらにその先ですが、これらの疾患が疑われる患者であっても、3種類以下の抗体で免疫染色を行った場合は、当該加算は算定できないとされておりますので、4種類以上をやっていただくことが必須というような診療報酬の算定方法ということなっているところでございます。
 以上でございます。

○佐藤(洋)部会長 ただいまのご説明に何かご意見ありますか。井内先生、どうぞ。

○井内委員 井内でございます。今の点について、少し関わりましたので追加の説明をさせていただきます。
 この免疫染色の件については、かねてから各病院では、費用負担ということについて非常に問題があるということが指摘されておりました。我々が、この患者さんたちを中皮腫だと認定するためにはこれだけの抗体による染色が必要だと言っても、それが保険点数で十分に認められていないということであれば、病院にとってはそれが持ち出しになりますので、大変負担が大きいということでございます。ちなみに免疫染色と言っておりますけれども、Calretininというのを例えば一つ染めようとしますと、抗体を購入するのに5万円ぐらいかかります。患者さんが100人いれば5万円でも、それは500円で済むわけでありますけれども、多くの病院では年に1人か2人の患者しか出ないということになると、その5万円がすべて1人の患者の診療のために使われるということになりますので、病院にとっては、経済的負担が大きいということでございました。そのため、何とかならないものかということで、かねてから環境省にご努力いただいて、今回の改定での点数の新設になりましたけれども、これで十分かというと、2,000点ということになりますと2万円でございますので、今言いましたように4種類の抗体、単純に考えて一つの抗体を購入するのに5万円とすれば、4種類買えば20万円かかるわけで、これでもとても十分とは言えません。しかし、国は支援をしているよと、あるいはこういう形での認定が患者さんの救済のために必要だということを認識していただくということでこれを入れるのだと思います。他の診療報酬との絡みがございますので、ここだけ突出して十分な手当という形にはなっていないと思いますが、まず第一歩ということで、これをお認めいただいたことは大変朗報だと思っております。
 ちなみに、これを認めていただくについては、日本病理学会へ中皮腫診断ガイドラインを作成するように言われまして、私の責任において病理学会にこういうステップで今診断をしておりますということは提出しておりますが、それとてまだ研究途上のことはたくさんございますので、それは改めて、近いうちに整理をして、その中で免疫染色の必要性というものをもう少し明確にさせたいと思っております。
 以上でございます。

○佐藤(洋)部会長 どうもご追加いただき、ありがとうございました。なかなか現実は厳しいという認識を改めていたしました。他に何かご意見ございませんでしょうか。よろしいですか。

(なし)

○佐藤(洋)部会長 それでは、議題の2については以上でよろしいですね。限界があるとはいえ、その診療報酬による裏づけができたということで、各医療機関において中皮腫診断のより一層の充実が図られて、さらに多くの被害者が救済されるきっかけになるだろうと私も期待しておりますので、今後ともぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、議題の3に移らせていただきます。調査・研究等についてということですけれども、こちらも事務局からご説明をお願いいたします。

○柳田補佐 では、お手元の資料集の61ページ、資料5の調査・研究事業の概要について説明させていただきます。
 平成21年度、本年度の事業でございますけれども、まず、1番目といたしまして、被認定者等に関する医学的所見に係る解析調査を実施しております。これにつきましては、本部会の委員の方にも中心となって実施していただいておりまして、本当にありがとうございます。内容といたしましては、被認定者や医療機関において当該疾病の診断を受けた者について、医学的所見の解析を行い、適切な診断手法・技術の確立を目指すものでございます。内容は大きく三つに分かれてございまして、1番目といたしまして、石綿小体等計測技術の普及啓発に関する調査でございます。二つ目が中皮腫の病理診断に関する調査、3番目が石綿関連悪性腫瘍診断の精度向上に関する調査という三つの調査に分けて行っているところでございます。現在、取りまとめ中でございますので、報告書が完成いたしましたら、後日、各委員に送付させていただきたいと思います。
 その他、石綿健康被害対策室で行っている調査といたしましては、2番目以降にございます。2番目が指定疾病見直しのための石綿関連疾患に関する事例等調査で、石綿肺についての実際の症例を取り扱っている医療機関から、当該症例に関する医学的資料を収集し、その臨床像を把握するとともに、種々の解析を行ったものでございまして、先ほど申し上げました指定疾病の追加についても参考にしたところでございます。
 その他、石綿関連疾患における文献調査で、国内外における石綿健康被害に関する最新の知見の収集・解析を行っており、石綿健康被害救済制度に関する海外動向等調査、裏面に参りまして、中皮腫患者数の将来推計に関する基礎調査、6番目といたしまして、石綿健康被害救済制度に係る調査結果の医療関係者に対する還元事業、また、7番目といたしまして、被認定者に関するばく露状況の解析調査、8番目といたしまして、石綿の健康リスク調査というような調査を実施しているところでございます。
 続きまして、平成22年度に予定しております調査が63ページ目にあります。石綿関連疾患に係る医学的所見の解析調査でございますが、これも今年度と同様に行っていくものでございます。継続の事業もございますが、一部、新規事業もございます。新規事業につきましては、(2)の胸水ヒアルロン酸、胸水腫瘍マーカー測定値に基づく中皮腫診断補助検査の確立に関する調査で、胸水中ヒアルロン酸や各種腫瘍マーカーについて、胸膜中皮腫とその他の鑑別すべき疾患との比較検討を行い、中皮腫診断における有効性について検証を行うものでございます。
 (3)といたしまして、腫瘍組織における遺伝子の構造及び発現の相違に関する調査でございまして、これは遺伝子検索を行い、遺伝子発現制御機構やゲノム構造を解析するというもので、将来的に中皮腫、石綿による肺がんの早期診断手法・技術の確立を目指すものでございます。
 (4)といたしまして、病理組織標本における石綿小体計測及び胸腔鏡所見による医学的所見の評価に関する調査で、病理組織切片中で確認できる石綿小体数や放射線画像上以外により確認できる胸膜プラークについて、ヘルシンキ・クライテリアとの相関関係についての検証を行うものでございます。
 それともう一件、新規として(6)でございますが、びまん性胸膜肥厚に関する調査ということで、びまん性胸膜肥厚に係る医学的判定上の課題を検証し、適切かつ効率的な医学的判定の在り方について提言を行うものでございます。
 その他、継続事業としては2番目以降に記載しているところでございます。
 また、最後、64ページの7番目の一般環境経由における石綿ばく露の健康リスク評価に関する調査、これは継続事業でございますけれども、22年度から拡充するということを予定しておりまして、一般環境経由における石綿ばく露の可能性のあった代表的な調査地域それぞれにおいて、石綿のばく露歴や石綿関連疾患の健康リスクに関する実態を把握するというのを引き続き行うものでございますが、さらに、これまでの調査で得られた知見を活用して、平成22年度より対象者数を大幅に増加させ、新たに有所見群と無所見群の2群を設定し、各群に属する住民を対象にいたしまして、5年間、毎年継続した受診協力をする旨の同意書を得た上で、問診、胸部X線検査、胸部CT検査等の毎年の検査や健康状況の確認を確実に行い、保健指導などのフォローアップを充実することによって、有所見者、無所見者の2群間の石綿関連所見の変化や石綿関連疾患の発生状況の比較を行うというものでございます。
 以上でございます。

○佐藤(洋)部会長 ありがとうございました。調査・研究事業について、21年度に実施したことと、それから22年度の予定、新規の課題が幾つかあるようでございます。ご報告いただきました。これについて何かご意見あるいはご質問ございますか。よろしいですか。まだまだ研究しなければいけないこと、あるいは調査を継続しなければいけないことがたくさんあるかと思いますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 本日、公開による審議を予定した案件については、すべて終了いたしました。全体を通して何か委員の先生方からご発言ございますでしょうか。。

○坂谷委員 坂谷でございます。資料2の今までの判定の状況についてに関しまして一つ、ご質問がございます。委員会の開催状況につきまして、判定小委員会が、大体計算しますと月平均1.4回、審査分科会が月平均1.7回開催されておりますが、1回当たりの取扱件数でありますとか、それから、申請者が申請を出しましてから判定が出るまでの平均の待ち時間、待ち期間の状況でありますとか、その点の数字についてお教えいただければありがたいと思います。

○佐藤(洋)部会長 この件について、事務局はデータをお持ちでしょうか。

○福本補佐 事務局です。1回当たりの件数という意味では数字が手元にないためお答えできませんが、医学的判定の申出数を年度ごとで見ますと、中皮腫の場合、初年度が1,153件の申出がありました。その次年、960件、979件、本年度は1,014件でございまして、中皮腫については徐々にふえているという状況です。
 一方、肺がんにつきましては、初年度は629件、その後、741件、642件、515件と徐々に減っている傾向にございます。しかしながら、審議時間につきましては、中皮腫の方が肺がんに比べて非常に時間がかかりますので、判定小委員会・分科会における審議負担は徐々に増加しているものと考えております。

○佐藤(洋)部会長 直接の数字は出てこなかったのですが、坂谷先生、よろしいでしょうか。

○坂谷委員 それからもう一点、申請を出されてから判定が出るまでに不幸にしてお亡くなりになるという症例がどのぐらいありましたかということをお聞きしたいと思います。

○瀧口部長 処分庁、独立行政法人環境再生保全機構からご説明いたしますが、申請されてから判定までの時間については、期間は計算しておりませんが、認定までの期間につきましては、療養者につきましてはおおむね6箇月程度が平均です。医学的判定の回数によらず、全部トータルでそのぐらいの日数がかかっているという状況でございます。
 それから、そのうち判定が出るまでにお亡くなりになる方の人数ですが、割合ですけれど、これも正確には出しておりませんけれども、2、3割程度の方は亡くなられているということはご報告したいと思います。

○佐藤(洋)部会長 坂谷先生、よろしいですか。

○坂谷委員 はい。

○佐藤(洋)部会長 ありがとうございました。他に何かご質問あるいはご意見はございますか。特にございませんか。

(なし)

○佐藤(洋)部会長 特にご発言がございませんでしたら、第3回石綿健康被害判定部会の公開部分の審議は以上といたしたいと思います。

午後12時07分 閉会