■議事録一覧■

中央環境審議会野生生物部会
第7回鳥獣保護管理小委員会(議事要旨)


1.日時

平成18年8月23日(水) 14:00〜16:15

2.場所

霞山会館9階 まつ・たけの間

3.出席者

(委員長)
岩槻邦男
(委員)
石井信夫、磯部力、岡島成行、亀若誠、佐々木洋平、速水亨
(環境省)
自然環境局長、大臣官房審議官、総務課長、野生生物課長、鳥獣保護業務室長ほか

4.議事

<議事(1)ワーキンググループでの検討状況について>

※事務局より資料1について説明。

○特定計画WGでの議論では、特定計画、広域保護管理指針、下位計画の必要性を踏まえた上で、その役割にどのような相違があるのか等についてさらに明確にする必要がある。そういう意味で、技術マニュアルが重要になってくる。指針や計画を作成するだけでなく、具体的に実施する体制や予算確保を現実的なものとする方法について、もっと議論の余地がある。鳥獣保護事業に関しての国の役割については、特定計画を評価し、それを踏まえた適切な助言が行えるよう、情報の収集やアドバイスの仕組みが必要。

○人材育成WGでは、登録制度に関して、大学などをうまく活用した方が良いとの意見があった。将来こういう形にしたいという目標を設定した上で、予算等を確保していく必要もある。9月にもう一度議論する場が設けられるが、方向性やカリキュラムをより明確にして、今後の準備が進められるようにしたいと考えている。

○鳥獣保護に関わる予算のうち、だいたい20億が人件費、30億が事業費である。事業費は狩猟税で賄われるが、税収入が減少していくなかで、どのように鳥獣保護事業の財源を確保していくのかが課題。

○鳥獣保護がなぜ我が国において重要なのかということを基本指針の冒頭に謳うことも大事。予算については、農水省や林野庁等と連携する仕組みを整備すべき。十分な予算確保のためには、一つの行政機関に依存することなく、いろいろなところでカバーすることが重要。

○国全体の鳥獣保護に対する認識を高め、財政的な支援を得るためにも普及活動を行える人材の育成が必要である。

○被害に関しては、被害者と鳥獣という二極対立構造になりがちだが、まず被害者の心情をくみ取るということが、被害者の心を保護管理に向ける上で不可欠である。

○下位計画については、地元の人の意向をできるだけ反映できる計画にしたいと考えている。鳥獣を保護していくという観点を、地元の人にも理解してもらえるものにしたい。

○国の役割を明確にするところから始める必要がある。関係主体のところでは、もっと踏み込んだ記述をすべき。国際的、全国的に加えて「国家的」というような鳥獣保護の背骨のような記述があってもよい。人材育成については、行政がやっていくのかそれとも民間が担っていくのか方向が見えない。思い切って民間に任せるという議論もある。

○鳥獣の区分についての記述だが、希少鳥獣、狩猟鳥獣、外来鳥獣は重なりあうことがあるのか。また、狩猟鳥獣の考え方はこれまでと変更されたのか。

(事務局)希少鳥獣と狩猟鳥獣及び外来鳥獣は重ならないが、例えばアライグマのように外来鳥獣と狩猟鳥獣は一部重なっている場合もある。一般鳥獣については、希少鳥獣、狩猟鳥獣及び外来鳥獣以外の鳥獣ということである。狩猟鳥獣の考え方は、資料1−1の4頁にあるとおりであり、従来法律で規定されている内容をわかりやすくしたものである。ただ数値等で明確な選定基準を示すことは困難と考えており、[1]のイ又はロと[2]の双方を満たす鳥獣について生息の状況、被害の程度、繁殖力などの観点から総合的に勘案して決めていきたい。

<議事(2)その他検討すべき事項について>

* 事務局より資料2及び3について説明。

* 欠席委員からの次のコメントについて事務局から紹介。

○現行指針では「人と鳥獣との共生」とされている記述が、資料2−3の冒頭において「人と鳥獣との適切な関係の構築」となっているが、変更の理由は何か。

(事務局)「人と鳥獣との共生」とした場合、人や農林水産業への被害等の関係もあり、誤解を招くおそれがある。本年2月の中環審答申においてもこの書きぶりなので今回合わせたものである。

○現場での被害等が議論のきっかけと思うが、法律の枠組みの中でこれらをどう扱うか、予算をどうするかといった難しい問題があるのだと察する。多くの人々から支持、支援を得ていかなければならない。また、鳥獣保護事業には被害対策等が含まれるが、「保護」という言葉が一人歩きしてしまうように思える。個体数管理という意味においては、「保護」ということよりも「保護管理」といった側面を重視しないと、現場ではなかなか受け入れられない。そういった意味で「共生」という言葉より「適切な関係の構築」とした方が現場での理解が進むと思う。

○法人への捕獲許可の場合、銃器を用いないときは指導者が狩猟免許を持っていれば従事者は免許が不要という特区制度については、悪用のおそれがあるのではないか。また囲いわな等は、一年中そのままにしているようなケースも見受けられるので、これを速やかに撤去するようしっかり指導すべき。

○(事務局)特区については認定申請をした市町村等が「申請理由の妥当性及び捕獲技術、安全性等が確保されている」と認められる場合のみ認定されるものであり、悪用されることはないと考えている。また特区については、一定期間実施後、その成果の評価がなされ、効果がみられなければ特区認定は取り消されるものである。

○鳥獣保護行政は20年ほど前から考えればかなり進歩している。予算がないなどのネガティブな側面ばかりではなく、どのような成果があがってきたかを具体的に振り返りまとめてみることも重要。

<議事(3)その他>

* 事務局より資料4を説明。基本指針の検討スケジュール修正案が特に異議無く了承された。

以上