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中央環境審議会野生生物部会
第6回鳥獣保護管理小委員会(議事要旨)


1.日時

平成18年5月31日 13時~14時15分

2.場所

中央合同庁舎5号館5階 共用第7会議室

3.出席者

(委員長)
岩槻邦男
(委員)
石井信夫、石原收、市田則孝、亀若誠、佐々木洋平、速水亨
(環境省)
自然環境局長、大臣官房審議官、総務課長、野生生物課長、鳥獣保護業務室長ほか

4.議事

(1)

第10次鳥獣保護事業計画の基本指針の項目等について
事務局より資料3及び資料4について説明

(2)

検討体制及びスケジュールについて
事務局より資料5について説明

※検討体制及びスケジュールについては、特段の異議なく了承された。主な質疑は以下のとおり。

○ 資料3の2(3)に「順応的な鳥獣保護管理の推進」とあるが、前回小委員会報告書では「科学的・計画的な鳥獣保護管理の推進」となっていた。「順応的」とした理由は何か。
 また、技術開発はどの部分が対応するのか。

事務局:「順応的な鳥獣保護管理」は、計画の実施状況をモニタリングし、その結果を計画に適切にフィードバックすることによって、野生鳥獣に関わる事業の不確実性を補完していくものである。科学的・計画的な鳥獣保護管理を目指す特定鳥獣保護管理計画の基本的な考え方になる。
 技術開発については、「順応的な鳥獣保護管理の推進」の「○適切なモニタリングの実施」で対応することを考えている。具体的な内容については、特定計画WGで議論されることになると考えている。

○ 国境を越える渡り鳥の保護など国が行う国際的な取組は資料4のどの部分で対応するのか。

事務局:「I 第五 国の役割と方向性」の中で国際的取組は記述していくことになる。

○ Iは基本的な考え方、方向性を示す部分であり、IIはそれを踏まえた都道府県で作成する具体的計画の部分と理解している。Iで示された方向性を踏まえて国が実施する計画はどこで示されるのか。

事務局:I 第五の内容を検討する中で総論的に議論していただき、記述可能な範囲で基本的な考え方、方向性を示すことを考えている。さらに詳細な計画は、基本指針とは別に個別事項毎の検討の枠組で議論されることになる。

○ 国の計画においても目標とかターゲットを定めることが必要である。「新・生物多様性国家戦略」は抽象的な印象がある。

○ 資料3では様々な課題が明示されている。今後WGで議論を行うにあたって必要となるので、示された課題の背景や現状把握等については、より詳しい資料を用意して欲しい。

事務局:できるだけご指摘を踏まえて準備していきたい。

○ 資料3 1(4)に「○鳥獣への安易な餌付けの防止」とあるが、「安易な」の範囲はどのように考えているか。

事務局:非常に難しい問題と認識している。タンチョウ、シマフクロウなどの希少な動物へは保護増殖の観点から給餌として行われている。一方で、観光地ではかわいいからといってキツネなどに餌を与えるケースもある。対象となる動物や生態系に及ぼす影響など幅広い議論が必要かもしれない。どのような弊害があるか明らかにした上で、こういう行為はやめて欲しいという共通認識が得られるラインについて議論していただきたいと考えている。

○ 資料5のスケジュールには、WGの開催が1~2回と書いてあるが、具体的なプランがあるか。

事務局:各WGで全部で3回程度の開催を見込んでいるが、状況に応じ議論を深めるために回数を増やすなどフレキシブルに対応していきたいと考えている。

○ 資料を前もって委員に配布して欲しい。事前に勉強していきたい。

事務局:そのようにしていきたい。

○ 資料4「I 第二 鳥獣を巡る現状と課題」に関連し、生息数が長い間わからないとしてきた鳥獣もある。概数でもよいので、わかるための努力はしていかなければならないのではないか。科学的な判断を鳥獣行政に導入しなければならないということであり、例えば、保護増殖の対象になるべき種かどうか定量的に明確でない場合もあるのではないか。

事務局:生息状況については、保護増殖事業計画の対象種では、より詳細に生息数を把握する努力は行っているところ。猛禽3種(オオタカ、イヌワシ、クマタカ)については平成9年度から調査を実施し、その結果を公表している。

委員長:この問題については、研究者側にも課題があると思われる。推定数であっても根拠がない数字はどうしても慎重になってしまうものである。

委員長:これで本日の鳥獣保護管理小委員会を閉会する。

(了)