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中央環境審議会野生生物部会
第4回鳥獣保護管理小委員会(議事要旨)


1.日時

平成17年12月12日(月)14:00〜16:05

2.場所

環境省第1会議室

3.出席者

(委員長)
岩槻邦男
(委員)
石井信夫、磯部力、市田則孝、大塚直、岡島成行、亀若誠、
佐々木洋平、速水亨、三浦慎悟
(環境省)
自然環境局長、大臣官房審議官、自然環境局総務課長、野生生物課長、鳥獣保護業務室長ほか

(1)鳥獣保護管理小委員会報告書(骨子案)について

[1]
事務局より、資料について説明。
[2]
質疑

○「はじめに(P1)」の中段、「こうした状況を背景とした」に続く文章を「耕作放棄地の発生や森林管理を含めた地域住民等の活動の低下」など「森林管理」が低下していることを追加すべき。

(事務局)修正したい。

○地方分権を背景に、地方自治体の主体性を如何に確保するかといったことも重要。また、専門家は行政機関の中にも必要であり、専門性、説明責任、継続性を確保した人材を行政の中に位置付けることが必要。保護管理に係る人材の重要性について「検討会報告書」で指摘されているが、骨子案ではその確保や育成の仕組みに関する文章が弱い。国家資格は無理としても人材の登録制度等により、実現していく必要がある。

(事務局)新たな資格制度をつくることは現実的に難しいが、趣旨を踏まえ対応を検討したい。

○国が新たな資格制度をつくることは、国の関与を少なくしていく今の流れに逆行するため難しい。しかし、国家資格でなく民間資格でも良いので、民間団体、大学、公益法人で協力して実現していくことが重要である。

○国の役割が明確に入って良かった。「はじめに」は、鳥獣被害や特定計画の話が前面に出すぎて重いイメージ。もう少し前向きの記述ができないか。

(事務局)特定計画制度ができて6年が経過し、そのレビューとの趣旨で手厚く記述しているが、指摘も踏まえ検討してみる。

○「はじめに」で鳥獣被害や特定計画が前面に出るのは、地域が被害に悩んでいる現状からすれば妥当と考えられる。

○P3の2(1)現状と課題の2パラ、3パラで「必要である」や「重要である」と記述してあることは、むしろ(2)以降で記述すべき。骨子案の(2)以降に特定計画の策定を進めることや計画の進行管理などの記述がないので整理が必要。

(事務局)ご指摘を踏まえ、文章を精査したい。

○「はじめに」3パラの「生息分布域が拡大している鳥獣」については、「一般的に」、「全般的に」あるいは、「〜と考えることができる」を追加すべき。

○国の役割の範囲が不明確。例えば、P3ウ下から2行目「保護管理すべき地域個体群」とP4イ(2)下から4行目「国は、広域的に保護管理すべき地域個体群について・・・」という記述があるが、国は全国的なレベルで種毎の保護管理の方向性を明確にする必要があるのではないか。

(事務局)基本指針において鳥獣の区分ごとに保護管理の方向性を明らかにしていきたいと考えており、具体的には基本指針の見直しを改めて中環審に諮問した上で検討を深めていきたい。

○資源の利用が目的ではないので、P6(5)「さらに、」の次に「保護管理の必要上」といった言葉を追加してはどうか。

(事務局)P6(5)捕獲個体の有効利用の考え方は、保護管理のインセンティブとなることを期待しており、ご指摘を踏まえ書きぶりについて工夫したい。

○P4(2)イの広域保護管理指針について、地域個体群の輪郭の明確化やモニタリング手法の提示が国の役割。また国が広域的な保護管理の指針を示すとしているが、協議会の議論だけで実現できるのか。

(事務局)カワウの関東地域の協議会で広域的な保護管理の指針を作成しているが、これをどうやってより関係県に対し影響力の高いものとしていくか考えていきたい。

○カワウの個体群の管理になると、捕獲だけでは不十分であり、各個体群のサイズが適正かどうかの検討も必要。各都道府県の実働的な参加が保証されないと実現できない。協議会では無理ではないか。環境省が広域特定計画を策定することがよい。

(事務局)広域保護管理指針の影響力を高める方法として、国が定める基本指針に広域保護管理指針の要素を盛り込むことが考えられるが、さらに事務的な検討が必要と考えている。

○小型鳥類の減少が著しい。被害に焦点を当てるだけではなく、生息数の動向にも注目すべき。予算が少なくても既存の調査の枠組みを上手に工夫すれば把握できるはず。減少の要因としては2つあると考えている。一つは渡り鳥に関して海外の生息環境が悪化していること、もう一つは繁殖のための日本の森林は減っていないが餌となる虫が激減していること。森に何かが起こっているのではないか。

○P1「はじめに」の「社会科学的な観点からの対応」として何を想定しているのか。

(事務局)社会科学的なアプローチとしては、地方分権の流れの中で国が地域の問題にどこまで関われるか難しい課題。人と鳥獣の棲み分けにおいて、国と地方自治体の「役割分担」、「連携」を通じて人間の活動の低下を回復していく方向。具体的に国は、例えば、優良事例の紹介や都道府県職員の研修、情報の共有化などの仕組みづくりを推進していきたい。

○P2の1(2)海棲哺乳類について何をどこまでやろうとしているのか。

(事務局)適用除外対象種についても科学的な情報を収集し、適切な管理が図られるよう水産庁とも調整していくことを想定。

○この報告を誰に読ませ、何をアピールしようとしているのかが不明瞭。都道府県にやって欲しいことか、国としての政策をアピールしようとしているのか。網羅的であるが視点がぼやけている。

(事務局)この報告は、鳥獣を保護管理する全ての主体へアピールしていくことを想定。

○本文が長すぎる。半分ぐらいにしないと読んでもらえないのではないか。

(事務局)文章については、なるべく簡潔になるよう心がけているが、餌付けの防止や鳥インフルエンザなど現在の状況で記述しないといけないことも盛り込んでいる。

○P3ウの中で、市町村が権限委譲された際の体制整備や支援として具体的に何をしようとしているのかが不明瞭。
 モニタリングサイトの重要性は理解するも、資金、計画はどうしていくのか。

(事務局)モニタリングサイト1000については、基礎調査の中で環境省が予算を確保し、都道府県等の協力を絵ながら全国1000箇所でモニタリング調査を実施していく方針。実施箇所は、現在選定中である。

○特定計画は、被害防除の観点で、鳥獣関係部局の他、農林水産部局、文化財部局と連携してより良い計画をつくることとなっているが、これからの被害防除の推進について、農林部局は鳥獣部局の捕獲努力が足りないと認識しており、一方で農林部局は連携の認識が低い。鳥獣部局の対応として、協議会による対応だけでよいか。もう少し具体的にした方が良いのではないか。

(事務局)特定計画の実施段階でも関係機関が連携すべきことを追記したい。

○中・大型鳥獣の分布域の拡大、耕作放棄地の増加など、一種のパラダイムシフトの時代。こうした状況が加速度的に進行する中で、狩猟の場の問題、狩猟者の減少の問題等を受けた課題が十分議論されていない。

○将来に残す課題があるのであれば、それを文末などに記載することもできるのではないか。

(委員長)第5回委員会で検討することとしたい。

○P7の鳥獣保護員の強化に記されている「地域のアドバイザーとしての役割」とは具体的に何か。

(事務局)鳥獣保護員については、実際の鳥獣保護管理に助言ができるよう現場の要求に応じた対応を考えている。

P9の網わな免許を分けることは良いが、「専門性の向上」については、試験問題が難しくなって免許が取りにくくなるようでは問題。誤解のないようにする必要がある。

(事務局)鳥獣保護員の専門性を高める必要はあると考えるが、試験が難しくなるかどうかは別。

○鉛弾の問題について、なぜ鉛でないとだめなのか教えて欲しい。

○猟友会では北欧3国を視察した。ノルウェーでは鉛の代替弾である鉄弾が樹木に食い込むと製材機に支障が出るので樹林地で鉄弾使用は出来ないという課題はあるが、世界的な方向としては鉛弾を禁止する方向。代替弾は開発されているが、殺傷力が落ち、半矢になることが指摘されている。鉄弾は銃身に支障が生じるというハンターの誤解もあるが、着実に普及は進んでいる。鉛弾の水辺域での使用は、他の先進国と同じように日本でも禁止すべきと考えている。環境省から各県に対し、規制地域の指定の推進を指導して欲しい。

○鉄弾は非常に高額である製材機の鋸歯を破損させる。鉛弾の使用禁止は賛成だが、鉄弾使用にはこのような弊害があることも留意しておく必要がある。

○射撃場での鉛使用は減少の傾向。海外では、競技は別だが射撃場でも鉛を使わないこととなってきており、射撃場での規制も進める必要がある。

(委員長)本日のご意見を踏まえ、修正してパブリックコメントにかけたい。修正文は委員長一任でお願いしたい。パブリックコメントにかけた素案は、事務局から委員の方々に送付する。

(2)その他

[1]
事務局から参考資料「農山村の現状を踏まえた鳥獣被害対策の一体的実施のための検討調査結果概要」について説明。特に質疑はなかった。
[2]
事務局から、次回小委員会は1月末を予定。詳細は後日各委員へ連絡することを伝えた。

以上